2019年、ロロは10周年を迎えた。旗揚げメンバーが誰一人欠けることなくその歩みを進めてきた10年、ロロは客席に座る私たちになにを見せてきただろう。三浦直之が青春時代に受容したポップカルチャーへの偏愛やユーモアと、その奥にある懐かしさや切なさが共存し、いつかの自分の記憶までも呼び戻されるような感覚――。その正体はなんなのだろう。 今年1月から上演が始まり、現在ツアー真っ最中の新作『四角い2つのさみしい窓』においてもそのバランス感覚はありつつ、しかし、その視線は「その先」をみつめているようだった。それは、これまでロロが掲げ続けてきた「ボーイ・ミーツ・ガール」で出会った登場人物たちの、出会った「その先」を描いているような。人が出会って一緒に何かをし、寄り添ったり衝突したりしながら、続いていく関係性。それはもしかしたら、ロロとして活動するメンバー自身が向き合っていることにも繋がるのかもしれない。