宇宙の謎を解明する鍵を握る「重力波」の検出を目指す大型観測施設「KAGRA(かぐら)」(岐阜県飛驒市神岡町)が24日深夜、米国の施設との共同観測を開始する。コロナ禍で機器の調整が遅れるなどの影響があったが、防振性の向上などで感度を高め、3年ぶりに本格的な観測をスタートする。 重力波は、巨大な質量を持つブラックホールや中性子星が合体する際などに生じるわずかな時空のゆがみ。アインシュタインが約100年前に存在を予言し、物質の起源や宇宙の進化を調べる方法として注目されている。重力波を世界で初めて検出した功績で、米国の観測施設「LIGO(ライゴ)」チームの3氏が2017年にノーベル物理学賞を受賞した。さらに欧州の施設「Virgo(バーゴ)」も既に重力波を検出している。 なるべく離れた3つ以上の地点で重力波を検出できれば、観測データの時間差から重力波が来る方向を調べることができる。ノーベル物理学賞の