2021年春、大島渚監督の『愛のコリーダ』と『戦場のメリークリスマス 4K修復版』は、2023年に国立機関に収蔵されるため、『愛のコリーダ 修復版』として最後の全国ロードショーを迎えた。 男女の愛憎の果ての現実に起きた殺人劇を、定という主人公情熱の物語として描くべく、いわゆる“本番行為”を役者本人が実際に行うというハードコア・ポルノという内容ゆえ、結果的に大島監督は書籍版を理由に起訴され、裁判にまで発展するほどの一大事件、映画芸術の表現における、ひとつの象徴的作品となった。当時、カンヌ国際映画祭にも監督週間として出品され、海外でも高い評価を得、同時に話題となっていた。 その影響力が、少しばかりユニークでこの上ないクリエイティブを生んだという事についてお話したい。 映画『愛のコリーダ』は1976年に公開され、そこからインスパイアされた世界的大ヒット曲「Ai No Corrida」がリリースさ