都内の閑静な住宅街に佇む、カフェ「スイートメモリー」。 そのカフェを経営するのは、真面目で几帳面な夫・健司(けんじ)と、明るく社交的な妻・真奈美(まなみ)の夫婦だ。 開店から数年が経ち、常連客も増えてきたが、最近は店の新しさも薄れ、来客数が少しずつ減っているのが二人の悩みだった。 「もう少し目を引くメニューやサービスを考えないと、店が厳しいかもしれないわね…」真奈美がテーブル拭きをしながらぼやく。 健司は黙ってうなずき、厨房で次の新メニューを考えるための食材を手にしていた。 そのとき、ふと二人の目に、店の隅に置かれた一冊の古びた本が映った。 「これは…?」健司が本を開くと、そこには「魂の入れ替わり」という謎めいた呪文が書かれていた。冗談半分で試してみようと、健司が口にした瞬間、周囲の空気が一変し、突如二人の視界が暗くなった。 目を覚ますと、健司は驚くべきことに、自分が真奈美の身体に入ってい