スリー・ブラインド・マイス 創始者・藤井武インタビュー|「あの頃、世界中が “自分たちのジャズ” を模索しはじめた」─日本初のインディ・ジャズレーベル物語〈1〉 投稿日 2022.07.04 更新日 2023.12.19
躍動する肉体を通して己の精神を表現する強靭な〈ダンス・アルバム〉――ジャズをプログレッシヴに革新してきたカリスマが、豪華なゲスト陣を招聘した恐れ知らずの新作で見据える新たな地平とは? 強いリズムに包まれるような 21世紀のもっとも重要なジャズ・サックス奏者のひとりであるカマシ・ワシントン。2018年の『Heaven And Earth』以降は、ミシェル・オバマの伝記映画「Becoming」のサントラや、ロバート・グラスパーやテラス・マーティンらとのディナー・パーティーで2枚のアルバムを手掛け、そして6年ぶりのニュー・アルバム『Fearless Movement』と共に帰ってきた。サンダーキャット、テラス・マーティン、ブランドン・コールマンら旧知の仲間に加え、アウトキャストのアンドレ3000、BJ・ザ・シカゴ・キッド、Dスモーク、コースト・コントラのタジとラス・オースティンなど、ヒップホップ
ソウルの気鋭ショップが、サン・ラーを選ぶとは。今や音楽好きが韓国に向かう“理由”にもなりつつあるレコードショップ〈Sounds Good Store〉。そのグッズは、マニアも唸るチョイス。例えばこの《Journey Stars Beyond Cap》。独特の音楽性で孤高の存在として知られるサン・ラー。彼の曲「Journey Stars Beyond」からインスパイアされたデザイン。色違いのネイビーもあり。39,000ウォン。soundsgood-store.comジャズのお家芸なグラフィックが胸に躍る。1950〜60年代のブルーノートのデザインを彷彿とさせるグラフィカルな“JazZ”が印象的なスエット《JazZ Crewneck》。アッシュグレーのボディにポップな色味が映える。マーチャンダイズといえばボディは既製のものも多いが、こちらはオリジナル。厚手ながらも裏地がパイル地なのも嬉しい。同
イスラエルジャズ要注目作!最狂カルテット率いるSax奏者シャハル・アムドール 2021-10-01 2021-09-30 Israeli Jazz, Jazz, Music 2020, イスラエル, イスラエルジャズ, ギター, サックス, ジャズ, ドラムス, ベース Love0サックス奏者Shahar Amdor、素晴らしいデビュー作イスラエル出身の若手サックス奏者シャハル・アムドール(Shahar Amdor)のデビュー作『Cassiopeia』は、ギターに若手No.1のニツァン・バール(Nitzan Bar)、シャハル同様にバークリーで学んだベーシストのナダフ・ラヴィ(Nadav Lavie)、ここ数年で頭角を表してきたドラマー、ニツァン・バーンバウム(Nitzan Birnbaum)という布陣で録音されたイスラエル・ジャズシーンの要注目作だ。 収録の7曲すべてがシャハル・アムドー
村上春樹が訳した評伝『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』を読みました。スタン・ゲッツ Stan Getz はジャズのテナーサックス奏者。村上氏が個人的に一番思い入れのあるミュージシャンなのだそうです。原著は1996年に出ていて、この邦訳が出たのは2019年です。20年ぐらいかけてポチポチと訳したんでしょうか。一見それほどの分量があるようには見えませんが、600ページぐらいあります。薄い紙を使っているんですね。 新潮社刊。本体価格3200円 訳者あとがきにもありますが、スタン・ゲッツは人格に大きな問題を抱えていると見られることが多い人物でした。ジャズメンのエピソード集なんかでもいいことが書かれているのを見たことがありません。 ルイ・カストロ『ボサノヴァの歴史』に少しだけ登場するゲッツの姿は、ボサノヴァのデリカシーを理解しない尊大で無神経なアメリカ人そのものです。 渡辺貞夫の『ぼく自身のためのジャ
作曲力・表現力ともに卓越した才能で魅せるイスラエル出身アサフ・ハリスの驚くべきデビュー作 2022-06-26 2022-06-26 Israeli Jazz, Jazz, Music 2022, イスラエル, イスラエルジャズ, サックス, ジャズ Love0新鋭サックス奏者Asaf Harris、多くの含蓄のある傑作デビュー作ニューヨークのニュースクールで学び、優れたパフォーマー/作曲家/即興演奏家に対して贈られる「ジョン・コルトレーン賞」を受賞したイスラエル出身のサックス奏者、アサフ・ハリス(Asaf Harris)のデビュー作 『Walk of the Ducks』がリリースされた。 この作品は冒頭、最初のほんの数秒で傑作を確信する類の素晴らしいアルバムだ。 ニュースクールを2020年に卒業後、パンデミック発生のためにイスラエルに帰郷したサックス奏者は、同国の若手演奏家たち──そこ
「こんなのタダで公開しちゃっていいの!?」 と、 驚きのコンサート動画が満載。ジャズのライブ映像に特化したYouTube チャンネルを紹介します。 過去10年分の“お宝ライブ映像” 800本を見放題! ● KNKX Public Radio https://www.youtube.com/c/knkxpublicradio/videos ワシントン州タコマとシアトルに拠点を置く公共ラジオ局「KNKX」の公式チャンネル。1966年の開局以来、ニュース放送とともにジャズやブルースを積極的にオンエアしてきた同局。近年は、局内でのライブ録音風景や、米北西部のコンサート、フェスの独占映像をYouTubeで公開している。 チャンネル内にはいくつかの再生リストがあるが、注目すべきは「studio sessions」。局内のスタジオで実施された過去10年分のセッション動画が惜しげもなく公開されており、その
上記の記事では、1960年代に収録されたBill Evansのインタビューを題材に、ジャズピアノのスキル習得の考え方が、すべての分野に応用できるものであることを伝えています。 この記事を紹介いただいたとき、私も強くこの考え方に共感しました。今回はこの内容を、私個人の解釈などを含めながら、皆様にも紹介させていただきます。 漠然としたプロの真似事は危険だインタビューには、兄のハリー・エヴァンスとの議論が収録されており、以下のような会話が繰り広げられています。(兄のハリー・エヴァンスもまたジャズピアニストであり教育者です。) ハリー: 我々は結果ばかりを気にする。やるべきことを認識し、それに没頭すれば結果はついてくるのに。 ビル: その通りだ。僕のところに多くの人がやってくる。先行きに不安を持った人たちだ。彼らは外から仕事を眺めるばかりで、現実的な方法でそれに挑戦しようとしない。真実を見つめ、何
アーティストというのは、ほかの職業と違って階層や階級のアップダウンが激しい職業だ、ということを話した。なぜなら、ある現場では主賓のように扱われるけれど、別の現場ではただの使用人みたいに扱われるときもあるから。 2010年代以降に台頭してきた、俗に言われる新世代ジャズにおいて、特にドラマーの活躍がクローズ・アップされることが多いのだが、そうしたなかでも生演奏とプログラミングやサンプラーを駆使・融合したドラマー兼ビートメイカーの存在は、ジャズ界のみならず多方面から注目を集めている。アメリカにおいてはクリス・デイヴ、カリーム・リギンス、ネイト・スミスあたりが代表的なところで、彼らよりひとまわり下の世代(1983年生まれ)にあたるマカヤ・マクレイヴンも近年の注目株だ。 両親ともにミュージシャンという家庭でパリに生まれ、3歳のときにアメリカのマサチューセッツ州に移住し、音楽をはじめたマカヤ・マクレイ
這樣的2020年,我們寫了一首這樣的歌——〈敬啟者 Dear Humans〉。 給所有活著、並期待或害怕末日來臨的人們。人們鑄下大錯、人們後悔、人們領悟、人們乞求著被世界原諒。但何不從現在開始?好好愛著那些該愛的,好好珍惜地球上的每一個生命、每一方土地。 這封信,給末日來臨時逃離地球的人類們。我們是當初曾與你們相伴,卻被獨自留下的寵物,是狗、是貓、是烏龜、是一株盆栽。 這次,請換你們聽聽我們說。 In a time like 2020, this is the song we wrote —— “Dear Humans”. To all the living humans who expect or are afraid of the coming of apocalypse: People made big mistakes. People regretted making t
ティグラン・ハマシアンやアンブローズ・アキンムシーレ、セシル・マクロリン・サルヴァントらを輩出したセロニアス・モンク・コンペティションのサックス部門で優勝したサックス奏者であり、現代屈指のサックス奏者のひとりとして名を馳せるメリッサ・アルダナは常に高いクオリティの作品を発表し、高い評価を得てきた。 ただ、ブルーノートとの契約後、これまでとは少し異なる音楽性に変わっていた。プロデューサーにギタリストのLage Lundを迎え、ベースにPablo Menares、ドラムのKush Abadeyを固定し、そこにピアニストを加えたクインテットで2枚のアルバムを制作した。 2022年の『12 Stars』ではSalivan Fortnerを、2024年の『Echoes of the Inner Prophet』ではFabian Almazanをピアノで起用し、これまでとは異なる作風に変化している。し
パット・マルティーノのリーダー作を5つの時代に分けて辿りながら、彼の活動歴を俯瞰していく。どの時代も味わい深く、そしてスリリングなプレイが盛りだくさんなので、各作品の音を聴いてみながら、自分の好きな時代のパット・マルティーノを探してみよう。 文=久保木靖 驚愕のデビューからの飛躍 (1967〜1970年) それまでウィリス・ジャクソン(sax)やドン・パターソン(org)らのサイドマンとして参加してきたプレスティッジからリーダー・デビュー。曲によってはソウル・ジャズやハード・バップを引きずっているが、それはメンバー選定やサウンドの方向性にレコード会社のハンドリングがあったから。そんな中、この時点ですでに独自のプレイ・スタイルが完成していることに驚愕しきり。 『East!』と『Baiyina(The Clear Evidence)』ではオリエンタリズム(後者では特にインド音楽)からの影響があ
【特集】イスラエル・ジャズの源流──音楽文化の発展を加速させた70年代のSSWたち 2020-09-20 2022-07-27 Feature, Israeli Jazz, Jazz, Music 1970s, 1980s, SSW, イスラエル, イスラエルジャズ, ヴォーカル Love0活況を極めるイスラエルのジャズとその周辺の音楽シーンを掘り下げていくと、彼らが影響を受けたイスラエルの音楽家として、70年代以降のシンガーソングライター(SSW)数人の名前が共通して挙げられていることに気付く。いずれも優れた鍵盤奏者であり、作・編曲家であり、そして魅力的な歌手だ。 これらの70〜80年代に活躍したイスラエルのSSWの楽曲は、曲名も歌詞もほとんどヘブライ語ばかりということもあり、これまで英語圏を通じてさえ情報を得ることが難しかったが、インターネットの発達やSNS等を通じたアーティスト自身の
InstagramやYouTube、TikTokなどを通じて無名の演奏家による超絶プレイ的な動画を目にする機会は増えているし、そうした場合のキャッチーさにプレイヤーの若さが寄与している例は非常に多い。そういう意味では、このコンビも今日的なバズを道筋として現在のポジションに至ったアーティストだと言える。ドミ&JDベックは観る者をグイグイ引き込む演奏力と愛くるしいヴィジュアルによって多くの人に発見され、ついにはブルーノートからデビューを果たした話題のデュオである。とはいえ、もちろん若さにだけ価値があるわけでないのは言うまでもない。 2000年に生まれた鍵盤奏者のドミはフランスのメス出身で、フランス国立高等音楽院を経てボストンのバークリー音楽大学で学んだ才能の持ち主。一方、2003年にテキサス州ダラスで生まれたドラマーのJDベックは、10歳でドラムの演奏を始め、小学生の頃から地元でギグを行ってい
ムガームジャズの進化は止まらない。微分音ピアノ鳴り響くエティバル・アサドリ新譜 2021-10-09 2022-11-03 Azerbaijani Jazz, Jazz, Music 2021, アゼルバイジャン, ジャズ, ピアノ, ピアノトリオ, ムガームジャズ, ヴォーカル Love0アゼリ・ジャズのピアニスト、Etibar Asadli 新譜はズバリ『Mugham』現代ムガームジャズの第一人者、アゼルバイジャンのピアニスト/作曲家エティバル・アサドリ(Etibar Asadli)の2021年新譜タイトルは、ずばり『Mugham』。自ら調律したと思われるムガーム音律のピアノで今回も未知なる音楽の世界へと誘ってくれる。 バンドはピアノのエティバル・アサドリ以下、ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、ドラムスにイスラエル出身のオフリ・ネヘミヤ(Ofri
最高のジャズ・エンターテイナー! SSW/ピアニスト、ジョン・バティースの傑作『Hollywood Africans』 2020-06-30 2023-10-07 Jazz, Music 2018, SSW, アメリカ, アメリカ合衆国, ジャズ, ピアノ, ブルース, ヴォーカル Love0ジョン・バティースの傑作『ハリウッド・アフリカンズ』TV番組の音楽ディレクターや国際ジャズ博物館のアートディレクター、最近では2020年秋公開のピクサー新作映画『ソウルフル・ワールド』への楽曲提供も話題になるなど幅広く活躍し、米フォーブス誌の「世界を変える30歳未満の30人(30 under 30)」にも選出されるなど人気絶頂のSSW/ピアニストのジョン・バティース(Jon Batiste)の2018年作『Hollywood Africans』は、シンプルな内容ながら彼の音楽家/エンターテイナーとして
最終更新: 2022年7月27日 Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)の6年ぶりとなる最新アルバム『Mood Valiant』は、フライング・ロータス主催のレーベル“Brainfeeder”からのリリースとなった。 長期ツアーやヴォーカル、ネイ・パームの乳がん克服、メンバーのソロ作リリースなどを経て完成された『Mood Valiant』は、元々横断的であった音楽性から、さらに音のバリエーション豊かに広がった新機軸となる1枚となっている。 複雑に絡まった音の糸が形成するのは誰が聴いても耳が愉しい音像だ。 今回はメンバーのペリン・モス(Dr.)からアルバムについてはもちろん、リリースまでの6年間の活動や、ドラマーとして演奏するうえでの意識など話を伺った。 また、Hiatus Kaiyoteはフジロック2022に出演し、Youtubeでライブを配信することも決定している。(2
今回は1960年代のマイルス・デイビスを エクセルで描いた話。 【はじめに】エクセル画ってどんなの? Jazzの帝王再登場 60年代黄金クインテット エクセル画のスペック エクセル画ざっくり作画過程 初日 2日目 3日目 【はじめに】エクセル画ってどんなの? 「エクセル画」というと エクセルのマス目に色を付けて描いていく 「ボクセルアート」、「ドットアート」を イメージする人が多いですが 自分はエクセルに搭載されている「描画ツール」から 曲線や円、四角の基本図形やフリーハンドを使いながら シートの上に線を描いて それに色を乗せて積み上げて描く方法でやってます。 こんな感じです。 エクセル画に腰を入れて描き始めてから もう10年以上たちますが ペンタブはどうも扱いづらくて ずーっとマウスを使て描いてます。 かなりの変態画法ですがおつきあいください。 Jazzの帝王再登場 前回のアントニオ・カ
パンデミックの闇の中を彷徨う夢遊JAZZ。NYとイスラエルを繋ぐオル・バレケット新作 2022-05-17 2022-05-16 Israeli Jazz, Jazz, Music 2022, アメリカ合衆国, イスラエル, イスラエルジャズ, ジャズ, ベース Love0オル・バレケット、NYの気鋭奏者と描くドリーミーな新譜アヴィシャイ・コーエンの『Shifting Sands』、ギラッド・ヘクセルマンの『Far Star』とイスラエルジャズの年間ベスト級新譜のリリースが相次いでいるが、同時期にリリースされたエルサレム生まれのベーシスト/作曲家オル・バレケット(Or Bareket)の3枚目のアルバム『Sahar』も相当に素晴らしい作品だ。 アルバムはジョエル・ロス(Joel Ross)がプロデュース。テナーサックスやEWI、オルガンを担当するモーガン・ゲリン(Morgan Guerin
ドラマー、プロデューサー、ラッパー、といくつもの顔を持つNYの音楽家、カッサ・オーバーオール。ジャズ・ドラマーとして活躍し、アート・リンゼイのバック・バンドに参加しながら、自身の作品ではジャズとヒップホップが混然一体となった唯一無二の音楽を作り上げている。 そんな彼の新作『I Think I’m Good』は、2020年2月に行った来日公演の成功も追い風となって、ここ日本でも評判のアルバムだ。ジョエル・ロス(ヴィブラフォン)、セオ・クロッカー(トランペット)、アーロン・パークス(ピアノ)、BIGYUKI(シンセサイザー)、さらにはヴィジェイ・アイヤー(ローズ・ピアノ)など、NYのトップ・プレイヤーたちが参加した本作には、〈ジャズとヒップホップの新たな弁証法〉と言うべき新鮮な音があふれている。 今回は、カッサ・オーバーオールというミュージシャンと『I Think I’m Good』というアル
世界一凶悪なピアノトリオ!? イスラエルの鬼才ロン・ミニス新作は怒涛の轟音プログレ・ジャズ 2022-09-10 2022-09-10 Israeli Jazz, Jazz, Music, Progressive Rock 2022, イスラエル, イスラエルジャズ, ジャズ, ピアノ, ピアノトリオ, プログレ, メタル Love0ロン・ミニス新作!『Smart Phones Stupid People』“青髭のティグラン・ハマシアン”ことイスラエルのピアニスト/マルチ奏者/作曲家ロン・ミニス(Ron Minis)が前作から3年ぶりとなる待望の新譜『Smart Phones Stupid People』をリリースした。今作はドラムスにヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)、ベースにダニエル・ハーレフ(Daniel Harlev)という俊英を迎え、見かけ上の編成こそシンプルなピアノトリオ
フライング・ロータスやカマシ・ワシントン、サンダーキャットなどなど、様々な才能がシーンを形作っているLAの音楽シーン。ブレインフィーダー~カマシ・ワシントン周辺の人脈については教師-教え子の関係などはJazz The New Chapterでも繰り返しリサーチしてきて、かなり見えてきた。一方で、NYに見られるようなライブハウスの状況や土地に紐づいたカルチャーはまだまだ見えてきていなかった。 『Jazz The New Chapter 6』ではそれについてマーク・ド・クライブロウとカルロス・ニーニョに取材して、LAのシーンの状況について語ってもらった。この2つの取材でLAのシーンのアウトラインがようやくはっきりと見え始めた気がする。 ここではその中からマーク・ド・クライブロウのインタビューを2本に分けて完全版で公開します。こちらはLAの音楽シーンについての話になります。 ちなみにマークの母親
「煙たがられて feat. 細野晴臣」 2022年6月29日リリース New ALBUM『7+』 2022.06.29 Release DL & Streaming『7+』:https://jvcmusic.lnk.to/7plus 20th Anniversary Edition:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VIZL-2005.html 通常盤:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VICL-65658.html --------------------- 僕はひとり 煙ぷかり もの思う ピシャリと窓閉めた隣人 暮れる部屋に 香り満ちる 深く吸おう やすらぎとひらめき 至福の時 やめられないね 燐寸 ひと擦り 冷めた頬を照らす 紫の煙幕はワイドスクリーン 映し出すよ 失くした愛とか 見果てぬ
2020年4月15日、アルト・サックス奏者のリー・コニッツが新型コロナウイルス感染症の肺炎により亡くなった。享年93。何者にも似ないインプロヴァイザーとして尊敬を集めたコニッツは、スウィング・ジャズの時代からジャズ史にその足跡を残してきた巨人。また、最期まで現役を貫いた演奏家であった。 そんなコニッツの歩みを、同じくアルト・サックス奏者のhikaru yamadaが振り返った。コニッツのキャリアはもちろんのこと、フリー・ジャズ/フリー・インプロヴィゼーションの現場で演奏を重ねてきたyamadaならではの視点で選んだ知られざる名演から、その独創性を伝える。 *Mikiki編集部 偉大なサックス奏者が亡くなった。 リー・コニッツは1927年生まれのアルト・サックス奏者。クロード・ソーンヒル楽団の一員として1947年にレコーディング・デビューして以来70年にわたって活躍した。その共演歴、ディスコ
注目は新加入の若き女性ドラマー、ロニ・カスピ!アヴィシャイ・コーエン新作『Shifting Sands』 2022-05-14 2022-05-14 Israeli Jazz, Jazz, Music 2022, アゼルバイジャン, イスラエル, イスラエルジャズ, ジャズ, ドラムス, ピアノ, ピアノトリオ, ベース Love1アヴィシャイ・コーエン、新トリオで放つ新譜『Shifting Sands』イスラエルを代表するベーシスト/作曲家、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が新トリオでの新譜『Shifting Sands』をリリースした。ピアノトリオでの作品は『Arvoles』(2019年)以来。ピアノには引き続きアゼルバイジャン出身のエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)、そして今作では2020年にトリオに加入しツアーなどに参加していた若き女性ドラマー
1950年代半ば、写真家ユージン・スミスがマンハッタンの気鋭ジャズミュージシャンたちによるセッションを記録した録音テープと写真を基に構成したドキュメンタリー映画「ジャズ・ロフト」が、10月15日から公開される。 戦場カメラマンとして活動後、当時絶大な影響力を誇った雑誌「ライフ」などで意欲的な作品を数多く発表、70年代には水俣病患者を捉えた写真集によって世界に衝撃を与えた写真家、ユージン・スミス(1918~1978)。スミスが1950年代半ばから住んでいたマンハッタンのロフトには、連日連夜様々なミュージシャンが出入りし、ジャムセッションを繰り広げていた。「ライフ」編集部との軋轢や家族の不和を抱え、逃げるようにこの地へ移り住んだスミスは、ただ純粋に音楽を楽しむためだけに集まった彼らの自由奔放な演奏をつぶさに録音し、シャッターを切ることに没頭する。そのむせ返るような熱気を余すところなく伝えるドキ
多くの日本人にとって“洋楽”といえば、イギリスやアメリカ(いわゆる欧米)の音楽を想像するであろう。それこそ冷戦下では“鉄のカーテン”で遮られていたソヴィエト連邦(以下、ソ連)や東欧の音楽に慣れ親しんでいるという人は、少数派かもしれない。だが近年ではそういった国々の音楽を紹介する書籍も複数出版されるなど、密かな盛り上がりを見せつつある。 そんな中で出版された『ソ連メロディヤ・ジャズ盤の宇宙』(カンパニー社刊)は、いまだ全貌把握が困難なソ連の国営レコード会社・メロディヤがリリースしたジャズ盤の主要タイトルをほぼ網羅。歴史的・社会的背景も含めた、著者・岡島豊樹氏による充実の解説とともに紹介する世界初のソ連ジャズ・ディスクガイドだ。 そして現在、mysoundマガジンで2本の連載を持つディスクユニオン・山中明氏もまた、ソ連の音楽に魅了された1人である(【レコにまつわるエトセトラ】第6回を参照 )。
6年間待った甲斐が充分ある。新作が〈Brainfeeder〉からドロップ! フューチャー・ソウルと呼ばれるジャンルにおいて、その確固たる地位を確立したハイエイタス・カイヨーテ。これまでに2度グラミー賞にノミネートされ、世界中のフェスのメイン・ステージを席巻してきた。そんな彼らのアルバムが6年という期間をおいて、フライング・ロータスが主宰する〈Brainfeeder〉よりドロップされる。前作からの環境変化や本作への想いなどを“ネイ・パーム”・ザールフェルト (ギター/ヴォーカル)とポール・ベンダー(ベース)に語ってもらった。 「(前作以降)注目されるようになったり観客が増えたりと、とにかくクレイジーな時期だった。オーストラリアのバンドがグラミー賞のR&B部門でノミネートされるっていうのはすごいことだしね。でも一番嬉しいのは自分がリスペクトしているアーティストが自分を知ってくれてるってことだな
2019年にリリースされたジャズ・アルバムの中でも、ひときわ新しさと面白さに満ちた作品があった。カッサ・オーヴァーオールによる『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』である。カッサはニューヨークで活動するジャズ・ドラマーだが、同時にラッパーやトラックメイカーとしての顔を持ち、『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』にはそうしたふたつの要素が融合されていた。ヒップホップやエレクロニック・ミュージックを取り入れたジャズはもはや目新しいものではなく、そのスタイルも日々更新されている。そうした中で『ゴー・ゲット・アイス・クリーム・アンド・リッスン・トゥ・ジャズ』を見ると、ヒップホップの要素ひとつとってもエクスペリメンタルな要素が強いもので、メインストリーム的な色合いが強いロバート・グラスパーやクリス・デイヴなどとは異なっている。またそれだけにとど
“イスラエルジャズ”の範疇に止まらない超個性派ジャズ!イシャイ・アフターマン『Naomi』 2020-06-17 2020-09-04 Israeli Jazz, Jazz, Music 2019, イスラエル, イスラエルジャズ, ジャズ, ドラムス, パーカッション, ヴォーカル, 中東音楽 Love0打楽器奏者/作曲家/シンガー、Yshai Afterman の2ndアルバムイスラエルのSSW/ドラマー/パーカッショニストのイシャイ・アフターマン(Yshai Afterman)による2019年作『Naomi』は、カルテット編成のジャズバンドに男女ヴォーカルが印象的な素晴らしい作品だ。そのメンバーの多様なバックグランドから繰り出される演奏は、所謂“イスラエルジャズ”の範疇に止まらない。 (2)「Or」は変拍子のリズムに乗せたピアノと男女ヴォーカル、そしてオフェル・ミズラヒ(Ofer M
巻かないまま冬越しした白菜 縛ってみました(*^^)v 今までの流れ 8/16種まき! ポットに5粒ずつ蒔きました キャベツも一緒です 順調に発芽! 9月 スローな成長! 11/17 畑に植え付け! (発芽後なかなか苗が成長しませんでした) 不織布をかけて害虫が侵入しないよう 隙間の無いように土を被せました! 12月 追肥しました! そして先日! 2/28 巻かない白菜に追肥したところ 雨が降りぐんと勢い良くなったのです 中の様子を見ると 大きく広がっています 虫食いもなく柔らかそうです(^o^)/ そこで 一つ一つ縛ってみました('◇')ゞ! ⇩ 小ぶりのハクサイも・・ ⇩ まず片側〜 出来ました('◇')ゞ (⌒▽⌒)アハハ! どうなるかわかりませんが しばらく様子を見てみます ぜひ食べたいのです(*^^*) ジョン・コルトレーン 「Blue Train(ブルートレイン) 」 Joh
いま、世界を席巻する“音楽ジャンルのクロスオーバー”の波は日本にも訪れている。ジャズやクラシックの作法を備え、高い演奏技術を身につけた新世代のミュージシャンたちが、ジャンルの境界線を越えた表現で頭角をあらわしている。そんな、2020年代に注目すべき16組のミュージシャンをピックアップ。 下記は50音順で掲載しています。 2020年代の音楽を占うプロジェクト Answer to Remember(アンサー・トゥ・リメンバー) このシーンの中心人物ともいえる石若駿が、バラエティに富んだ面々をフィーチャーしたプロジェクトの集大成。音楽がジャンルの壁を越えることを、あざやかに示してみせる。2020年代の音楽を占う重要なピースとなるだろう。 【公式サイト】https://www.sonymusic.co.jp/artist/AnswertoRemember/� 現代版シティソウル Emerald(エ
『Jazz The New Chapter 5』はJTNCシリーズをスタートしてから、初めて手ごたえもしくは充実感みたいなものがあった本だった。それゆえに、僕は正直、JTNCでこの後、何やったらいいのかちょっと考えあぐねていたのが2018後半~2019前半。『MILES REIMAGINED』で掴んだ方法論を『4』で実践して、それをブラッシュアップして、『5』ではかなり満足がいくもができた感触があったからだ。 JTNCに関しては、本を出すとか出さないとかまだ決まっていない時点で、すでに次の取材を始めている。というか、その号の骨子が決まった後に来日したアーティストに関しては、制作真っ只中のタイミングに取材をしてはいても、その号にハマらなければ載せられないので、必然的に次の号のための取材ということになる。それは『6』に関しても同じで、僕は2020年1月の段階で既に『7』のための取材をしていた。
テーマは“人類の絶滅”。UKジャズシーンのカリスマ、シャバカ・ハッチングス新譜 2020-03-13 2020-03-13 Jazz, Music 2020, UK, サックス, ジャズ Love0シャバカ・ハッチングス新譜テーマは“人類の絶滅”現代UKジャズシーンの旗手、シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)率いるバンド、シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ(Shabaka And The Ancestors)の新譜『We Are Sent Here By History』のテーマは、ずばり人類の避けられぬ運命=絶滅だ。アルバム全編を通じ、切迫した力強い演奏が繰り広げられる。これはアフリカやアフロ・カリブの死生観に根ざしたものだろう。地球上の人類が“歴史”と呼ぶものの中で、“より強い何か”のために失ってきた多くのものへの鎮魂歌のようにも聴こえる。 シャバカ・ハッチン
In a New York City nightclub, a skinny little Caucasian whose waterfall hairstyle and set of snout and lips make him look like a sullen anteater takes the stage, backed up by a couple of guitarists, bass, horn section, drummer and bongos. Most of his back-up is black, and they know their stuff: it's pure James Brown funk, with just enough atonal accents to throw you off. The trombone player, in fa
〈OTOTSU〉は、diskunion DIW によるデジタル・キュレーション&ディストリビューションサービスです。詳しくはこちら サム・ゲンデルが、かつて結成していたトリオ、インガの音源がようやく日の目を見る。『inga 2016』のタイトルで、サム・ゲンデル自身が選曲したアンソロジーだ。ソロ・アルバム『4444』の原型とも言えるサウンドで、サム・アミドンやInc.のダニエル・エイジドらもゲスト参加している。『Satin Doll』や『DRM』でサム・ゲンデルの音楽を知った人には新鮮に聞こえると思うが、彼の音楽性を形成する過程で重要な位置にあったグループだ。インガ時代を中心に、キャリアを振り返る話をサム・ゲンデルに訊いた。その最新のインタビューをお届けする。 インタビュー・構成:原 雅明 通訳:バルーチャ・ハシム 編集:三河 真一朗(OTOTSU) SAM GENDEL(サム・ゲンデル)
歯科医の息子として生まれ、慶應義塾大学経済学部に進学[1]。大学在学中はジャズ・ピアノに傾倒し、佐藤允彦、大野雄二と共に「慶應三羽烏」として名をはせる。ニックネームの「コルゲン」はもともとは佐藤のものであったが、佐藤が渡米し、その後を受けた形で参加したグループで「二代目コルゲン」と言われていた鈴木がいつしか「コルゲン」のニックネームとなって定着した。 大学在学中より「ジョージ川口とビッグ4+1」に加入し、プロとして活動を開始。その後、国内の有名ミュージシャンと数々の共演を行い、その後、日野皓正のコンボに参加し、「ハイノロジー」などでアレンジャーとしての才覚をあらわす。 自らリーダー・バンドを結成し、「コルゲン・バンド」として活動を開始するが、歌伴の仕事が殺到しながらも、いくつかのアルバムを発表している。その後、コルゲン・バンドはメンバー変更を行い、「ザ・プレイヤーズ」として活動を続け、「ギ
これは比類なきビッグバンド・ジャズロック。新鮮な驚きが連続する、モニカ・ロッシャー新譜 2024-05-29 2024-05-29 Jazz, Music, Progressive Rock 2023, ギター, ジャズ, ドイツ, ビッグバンド, プログレ, ヨーロッパ, ロック, ヴォーカル Love6ビッグバンドを率いる女性ギタリスト、モニカ・ロッシャー新作ドイツの作編曲家/シンガー/ギタリストのモニカ・ロッシャー(Monika Roscher)率いるビッグバンド、Monika Roscher Bigbandの3rdアルバム『Witchy Activities and the Maple Death』が壮絶に凄い。2023年にリリースされたアルバムだが、こんな凄いものを聴き逃してしまっていた…。言葉で説明するのは難しい。とにかく聴き、体験してみるべき作品だ。 20名ほどのビッグバンド
Kyoto Jazz Sextet feat. 森山威男 『SUCCESSION』 沖野修也が語るクラブに於ける日本のジャズの過去から現在 日本に於けるアシッド・ジャズ/クラブ・ジャズ黎明期より、ワールドワイドな活動を行ってきたプロデューサー/DJの沖野修也。その沖野修也が2015年に始動させたジャズ・ユニット、Kyoto Jazz Sextetの新作をリリース。何と今作では、レジェンダリー・ドラマー、森山威男を全面フィーチャー。e-onkyo musicでは柳樂光隆によるロング・インタヴューを掲載。自身のキャリア、そしてクラブ・シーンに於ける「日本のジャズ」について語っていただいた。 取材・文:柳樂光隆 写真:柳樂光隆、Yusuke Yoshinaga 沖野修也率いる精鋭たちとレジェンダリー・ドラマーの劇的な出会い 日本ジャズの過去と現在を繋ぎ、その延長線上にある明日を照らし出す 『SU
【インタビュー】イスラエルジャズを織り込む日本発の超絶ピアノトリオ、niskhaf 2022-01-15 2022-01-15 Interview, Israeli Jazz, Japan, Jazz, Music 2021, イスラエルジャズ, インタビュー, ジャズ, ドラムス, ピアノ, ピアノトリオ, ベース, 日本 イスラエルジャズにインスパイアされた日本のピアノトリオ、niskhaf(ニスカフ)が待望のデビューアルバム『thirst』をリリースした。 アルバムでは変拍子や中東音楽に影響を受けた旋律などイスラエルジャズの要素が特徴的な個性として強く現れている一方で、ヨーロッパのジャズ文化に通じる美しい叙情性や、ふとした瞬間に断片的に顔を覗かせる日本人らしい感性(ジブリなどの日本の映画音楽からの影響も少なからずありそう)も組み合わさった、緩急自在の素晴らしい演奏が次々と繰り出される
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