新型コロナウイルスの感染の広がりが続く中、「最恐」とも言われる別のウイルスが、いま、猛威を振るっているのをご存じですか。その名は「Emotet」(エモテット)。あなたが毎日使っているインターネットの話です。 (科学文化部 記者 鈴木有) ある上場企業の社員が出勤してパソコンを開くと、一通のメールが届いていた。 送り主の欄には、取引先の会社の名前。 過去やりとりした件名がそのまま表示されていた。 メール本文には、その取引先と以前やりとりした内容が引用されている。 Zipファイルが添付され、パスワードも書いてあった。 社員は、普段から怪しいメールには注意していた。 しかし、このときは、ついファイルを開いてしまった。 ウイルス対策ソフトが、アラームを発する。 時すでに遅し、不正なプログラムが実行され、パソコンはウイルスに感染していた。 エモテットだった。 数時間後、取引先から、不審なメールが届い