21世紀を青年期として生きる若い学生の方々にはあまり目にする機会がないかもしれませんが、80年代以前に流行したボードリヤールの言葉を用いると、音(楽)の記録媒体は再現性を欠如したものをも内包してしまうがために、現実を超えた「ハイパーリアル」であると形容できます。現代ではメディアが一次化・目的化され、また「打ち込み」などといった言葉が常用されるまでになっているので、疑問に思われる方は少ないかもしれませんが、そもそもメディアとは「消えいく出来事を残す」ために開発された副次的な二次物なので、古い目でポップミュージックが収められているCDやレコードを聴いた場合、奏でられる全ての音に対して演奏家を対応させた座標・配置図を想像するのは非常に困難な技になるという批判がうまれます。自然音がサンプリングされている場合は尚のことです。狭い会場に大海や鳥のさえずりを用意し、タイミングに合わせて意図した音を再現す