行為を受け止める側としては、「そんなことして、どういうつもり?」と言いたくなるでしょうが、「どんなつもりもない」のです。認知症の段階にもよりますが、基本的に問題となる行動を起こしたという自覚すらないと思ってください。 なぜなら、その自覚のなさこそが、さまざまな感覚や理性を司る脳の部位を侵されてしまう、認知症の本質なのです。認知症の行動・心理症状(BPSD)は「周辺症状」とも呼び、中核症状がもととなって現れます。ただし、認知症の方のもともとの性格や現在の心理状態、環境によって出方はさまざま。「あっちのおじいちゃんはおとなしいのに、なんでうちの父は!」などと、ほかの方と比較しないことも大切です。 たとえば、認知症の症状の一つに、勝手に出かけてしまい、その挙句に行方不明になってしまう危険性もある「徘徊」というものがあります。介護をする方にとって、精神的にも体力的にもつらい症状ですね。 「外に出ち