はじめに 本記事では「なろう系」と呼ばれていたストーリー群の持つ物語的特徴を洗い出し、「スペック主義」と「テンプレ進行」という観点から説明する。 スペック主義とは、作中の価値や正当性が能力的優位性(スペック)や成果によって決まる世界観のことだ。 テンプレ進行とは、前提から定型(テンプレ)的に導かれる成果へ短い間隔で到達し、そして繰り返されるストーリー形式だ。 このふたつを組み合わせることで、「なろう系」と呼ばれてる作品群はストーリーを圧縮し、読者が感じる快感を最大化していると考えられる。 なぜこのような物語類型が書かれ、支持されるのかについては、本文をお読みいただきたい。 『没落予定』から見る、「典型的なろう系」 春アニメが始まってもう一月経っているが、冬アニメの話からはじめる。 2月ごろ、『没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた』にレビューを書いた。 Twitter(※)で「
