本書『正力ドームvs.NHKタワー:幻の巨大建築抗争史』は、高度成長期の東京で計画された幻の巨大プロジェクトを巡る物語です。 世界初の屋根付き球場「正力ドーム」、富士山を凌ぐ高さ4000mの「読売タワー」、高さ550mの「正力タワー」、そして代々木公園に計画された高さ610mの「NHKタワー」など、これまで歴史に埋もれていたアンビルトの計画に光を当てました 一方、実在の建物も数多く登場します。NHK、日本テレビ、ラジオ東京(現TBS)の3者が競うように建てたテレビ塔、集約電波塔としてつくられた東京タワー、フラードームを用いた五島プラネタリウム(東急文化会館)などが物語の中で大きな役割を果たしています。 そして、これらのプロジェクトの背後には、戦後史を彩る出来事や人物が見え隠れします。幻の計画を軸に戦後昭和史を描くことで、東京史、建築史、都市計画史、メディア史、プロ野球史の新たな一面を立体的