非正規労働者にテレワークが認められない事例が後を絶たない。新型コロナウイルスの影響が長期化する中、政府は出勤7割減を目指すが、内閣府の調査では非正規のテレワーク経験は正規の半分以下。所得の少ない人ほどテレワークする割合が低いというデータもある。正規・非正規の雇用形態の違いによる所得格差が、「命の格差」につながりかねない構造をはらんでいる。(山田晃史) 「正社員は一部在宅勤務をしているけれど、派遣先は非正規にテレワークを認めないようで、緊急事態宣言中も出社している」。労働組合の総合サポートユニオン(東京)に今月寄せられた女性派遣社員の相談からは、再延長となる宣言中でもテレワーク格差が根深く残る様子がうかがえる。 政府系金融機関で働く40代の女性契約社員は「正社員は在宅を認められているが、非正規は原則、基礎疾患があるなど重症化リスクの高い人だけが対象」と説明し「待遇で差別され、死ぬ確率まで高く