米、盤石体制で猛追 山中教授、孤軍奮闘…今後は資金・人材の競争 京都大学と米国の大学がそれぞれに作製した、新たな万能細胞「ヒトiPS細胞」(人工多能性幹細胞)を巡る研究競争が激化している。しかし、日本発の研究成果が、盤石な研究体制が整う米国に追い抜かれるとの危機感も広がっている。 (東京科学部 木村達矢、大阪科学部 矢沢寛茂) チーム・ジャパン 「iPS細胞研究を駅伝に例えれば、日本は(私)一人で走り続け、既に息切れした段階。何人もがたすきをつなぐ米国に対抗するには、研究所や大学の壁を超えて、『チーム・ジャパン』が必要」 ヒトiPS細胞を世界で初めて作製した山中伸弥・京大教授(45)は7日、渡海文科相と岸田科技相に相次いで面会し、激化する研究の現状を踏まえ、国内で研究者が結集できる場の必要性を訴えた。 その背景には、再生医療の研究を推進する研究所が、米国の有力大学には既に存在し、先陣争いに