■ [economy]経済成長は必要だ! なぜ指標で見れば経済は拡大しているのに、景気はむしろ萎縮しているのか?答えは簡単で、「明日が不安」だからだ。宵越しの金を持たないとのたれ死にするのではないかと不安な人が多いからだ。と書くと、「日本の貯蓄率は下がっているではないか」いう反論があるだろう。確かにそのとおり。ぐぐるまでもない。しかし、これは「もう宵越しの金は必要ないから」下がっているのではない。「そうでもないと食えない」人、特に引退世代が増えたからこうなっているのだ。「いざなぎ景気以来の景気拡大」といっても大多数の人が「うちとは関係ない」と思っているのはそういうことなのだ。だから、最高の景「気」拡大策は「刺激」とは正反対にある。不安を取り除くこと、すなわち「癒し」である。面白いことに、一番「癒し」を必要としているはずの人々がそれを分かっていない。それは前回の衆議院議員選挙を見ればわかる。
■ [WWW][media]追い詰められたYouTube、あるいはGoogleが2,000億円の価値を認めた理由に関する一考察 以下は、主として日本におけるYouTubeの活用のされ方を前提とした考察です。先進国の中ではトップクラスのブロードバンド普及を誇る日本の現状は、アメリカその他の国の将来をも垣間見せているものと考えられますので、一般論としてもそれほど外れてはいないとは思いますが、一応お断りを。 起:YouTubeで人気を集めるコンテンツの傾向 webmasterはそれほどYouTubeを積極的に活用しているわけではないので、あくまでマスメディアで報じられたような事例に限られますが、話題となった動画としては次のようなものがありました。 NTV・スッキリ!!における山本圭一さんの不祥事を受けての極楽とんぼの相方・加藤浩次さんの号泣 NTV・24時間テレビにおけるアンガールズ100kmマ
■ [economy]サラ金にノーベル平和賞を! #これまでの関連エントリについては、グレーゾーン金利撤廃(出資法上限金利引下げ)問題indexをご覧ください。 今回は上限金利問題そのものというより、周辺の話題です。タイトルは半分は冗談ですが、半分はそうとばかりも言い切れない真面目な話で、というのもグラミン銀行とその創立者であるムハンマド・ユヌスがノーベル平和賞を受賞したからです。 #47thさんのエントリとほぼ同じ趣旨ですが、よりブレイクダウンした形で(=長ったらしく(笑))書いてます。なお、情報の非対称性その他について触れていないがため片手落ちであることは承知しておりますが(経済学的なそのあたりの考察については、47thさんの別のエントリのコメント欄にポストされた大竹先生の東洋経済論説(経済誌に経済学の議論さんによる2006年10月11日 03:22のもの)がよくまとまっていると思いま
■ [government][economy]日本の財政の維持可能性再論 一昨日に書いた「日本の財政の維持可能性試算‐バランスシートアプローチ」について、Dan Kogaiさんから次のように勘違いであるとのお叱りをいただいてしまいました。 本議論には「プロ」も参戦してきた。http://bewaad.com/20061006.html#p01ということで、毎年0.8%ずつ収入を増加させることができるなら、債務超過は解消できるのです。ここでも同様の勘違いが見られる。我々が論じているのは、国家財政が破綻するか否か、では実はない。日本という家、若者という家族が破綻するか否かなのだ。それに比べたら国家財政なんぞ鼻くそのようなものだ。日本国民のために国家財政があるのではなく、国家財政のために日本国民があるというのであれば話は別だが。そして若者達は、年寄り達が若者は国家財政のためにあるのであり、若者た
債務超過だ、破綻している! と見えますがさにあらず、国には毎年度税収があり、それは徴税権を有しているからですが、その評価が欠落しています。これをどのように評価すればよいか、ファイナンスの考え方を持ち込めば、永続して毎期生じるキャッシュフローの現在価値は次の算式で求めることができます。 PV=C/r PVとは現在価値(Present Value)、Cはキャッシュフロー、rは割引率(平たく言えば金利)を表しますが、今年度予算での税収見積り45.9兆円・・・だと端数が鬱陶しいので45兆円、国債金利を2%として計算してみれば、 PV=45/0.02=2,250兆円 ということになりますから、2,000兆円弱の資産超過となってめでたし、めでたし。 ・・・なんてバカなことがあるはずもなく、なぜなら将来の支出もまた同様に現在価値化して組み込む必要があるからです。税収と同じく今年度予算の一般会計歳出から、
就業人口統計なので総人口とは異なりますが、ソースを当たるのが面倒(失礼)なので大差ないだろうと割り切って使うなら、農業人口は8,320×0.45=3,744から9,828×0.23=2260になったことになり、人口比で見れば約6割に減少したということになります。6割に人口が減って収入が4倍であるなら、一人当たり収入は6.67倍ということで、同時期の一人当たり名目GNPの伸び率7倍に満たない程度にしか伸びていないのです。小作料の負担がなくなったから得だというのも短絡的な話で、農地保有の機会費用が小作料よりも高かったのであれば、むしろ小作人でいた方がよかったということになるわけですし。 #これは農業に甘い推計ですので(例えば、(1)世帯数は減少していないという前提に結果的になっている、(2)就業人口はベビーブーマーの労働市場参加により総人口以上に増えていることの影響を除いている、等)、実際には
■ [economy][book]バーバラ・エーレンライク「ニッケル・アンド・ダイムド」 非常に不幸な本です。それなりに豊かな文人が正体を隠して低賃金労働に従事し、衣食住もその範囲内で賄い、でも実際には蓄えに頼ってしまいましたという枠組みは、昨年出版されたポリー・トインビー「ハードワーク」に極めて似通っていて、どうしても二番煎じの印象を持ってしまいます。原書は本書が2001年、「ハードワーク」が2003年出版ですから、本来は逆だというのに。 #なお、Granta Books社によるイギリス版にはポリー・トインビーがintroductionを寄せているとのことで、そちらも訳してもらえればうれしかったのですが。 その内容についても、「すべて幸福な家庭は互に似かよっているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸の趣きを異にしているものである」とのトルストイの名言に反し、低賃金労働者の不幸は互いに似通ってい
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