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ブックマーク / geopoli.exblog.jp (15)

  • トルコのクーデターはなぜ失敗したのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はどんよりとした曇り空です。まだ梅雨は明けないのでしょうか。 さて、今回のトルコでのクーデター未遂事件に関して、デビュー作で『クーデター入門』を書いているブログでも同じみのルトワックが、さっそくフォーリン・ポリシー誌に興味深い記事を掲載しておりましたので、その要訳を。 === トルコのクーデターはなぜ失敗したのか by エドワード・ルトワック 「軍事クーデター成功のためのルール」の第2条は、実行に参加しない機動部隊(これには当然だが戦闘機の飛行大隊なども含む)は、動員不可能の状態にしておくか、介入してくるには遠すぎる場所に置いておくべきである、というものだ(サウジアラビアの陸軍の部隊が首都から遥か離れた場所に配置されているのは、まさにそのような理由からだ)。 ところが今回のトルコのクーデター計画者たちは、実行に参加しない(戦車、ヘリ、そして戦闘機)部隊を活動不能にしておくこ

    トルコのクーデターはなぜ失敗したのか | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2016/07/18
    "トルコのイスラム化にしか興味のないエルドアンの党の支持者たちは、民主的な原則や法的義務というものに価値を見出していないようであり"
  • ジンバブエで殺されたライオンと西洋人の偽善 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は穏やかに晴れまして、一週間前くらいのピークの時に比べると、さすがに暑さは和らいでいるような気がします。 さて、アメリカの歯医者のハンティングの餌になってしまったジンバブエの有名なライオンのセシルについて、世界から怒りの反応があるということはすでにご存知の方も多いと思います。 この件に関しまして、先日の放送の有料部分(http://www.nicovideo.jp/watch/1439611159)でも触れたように、その地元のジンバブエ出身のアメリカの大学院生が、このような世界のライオンへの嘆きは偽善であると舌鋒するどく批判した記事がありましたので、その要約を。 === ジンバブエではライオンのために泣きません By グッドウェル・ヌゾウ 15-8/4 NY Times http://www.nytimes.com/2015/08/05/opinion/in-zimbabw

    ジンバブエで殺されたライオンと西洋人の偽善 | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2015/08/18
    "われわれジンバブエの人間は、なぜアメリカ人がアフリカの人間ではなくアフリカの動物にそこまで気にかけるのか理解できずに嘆いている。"
  • 日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れましたが、夕方から曇り始めました。寒さは少し柔いだような。 さて、遅ればせながら、いわゆる「ISISクソコラグランプリ」案件について、海外で最初にネット上で評価した英文記事を要約してみたいと思います。 掲載されているのはアメリカのマイナーなニュースサイトなのですが、日のネットユーザーたちの勇気ある行動(?)を絶賛しております。 すでにネット上ではこの記事の一部が訳されているようですが、ここではちょっと長めにご紹介します。 この記事については今夜の生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv205843016)でも詳しく解説してみたいと思っております。 === ISISのプロパガンダにたいする日のくだらない反応は、アメリカ政府が達成できなかったことを達成してしまった。 by E.A. ウェイス ISISは日から人質解放の身代金として2

    日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている? | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2015/01/29
    思想を笑いのめすことによる無化について。
  • ISISに「悪」というレッテル貼りはやめておけ | 地政学を英国で学んだ

    今日の目黒は朝から小雨が降っております。 さて、久しぶりに記事の要約を。オバマ政権の使っている言葉についての議論です。 === 「悪」というラベルづけの問題:ISISを「ガン」と呼んでしまうことのモラル・ハザード By マイケル・ボイル ●ISISによるアメリカのジャーナリスト、ジェームス・フォーリー氏の「首切り処刑」は、世界中からこの反乱グループとその恐ろしい手段に対する非難を巻き起こしているが、これは当然であろう。 ●ところがこれは同時に、911の連続テロの直後のパニック状態の中でアルカイダを示す際に使われた道徳判断を含んだ言葉を復活させることにもつながった。 ●ブッシュ前大統領が「テロとの戦争」を「悪を行う者」たちに対するキャンペーンであると表現したことは有名だが、奇妙なことに、オバマ大統領もISISのことを、中東に広がる「21世紀に存在してはいけないガン細胞」であると表現している。

    ISISに「悪」というレッテル貼りはやめておけ | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2014/08/27
    "ISISを、単なる「アルカイダ式の悪である」として描き出してしまうと、これらの違いや、ISISの戦略や、資金源、支持基盤などの違いから目を外らせることになってしまう。"
  • サッカー日本代表の分析担当者が知る「パラドックス」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から曇っておりまして、なんだかハッキリしない天気です。 さて、ルトワックの戦略理論の核心にある「逆説的論理」というものについてここ数回のエントリーで少し触れてみましたが、先日の日経新聞の記事に、このロジックを体験的にわかっていると思われる人物の興味深いコメントが載っておりましたので紹介します。 その人物とは、日サッカー日本代表のアシスタントコーチを務めている和田一郎氏。 この人は主に日本代表の対戦相手のデータを集めて情報分析するという「分析担当」の任務をになっている人なのですが、要するに相手チームの弱みや穴を見つけ、これをA代表のチームに伝えるインテリジェンス機関的なことをやっている人です。 この人が先日の日経新聞のコラムで以下のように紹介されておりました。 === 2001年に代表スタッフに加わった分析のスペシャリスト。ワールドカップ(W杯)日韓大会のトルシエ監督か

    サッカー日本代表の分析担当者が知る「パラドックス」 | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2014/05/28
    ストロングポイントの周囲にウィークポイントがあるっていう言説は、近年はスポーツマンガ辺りで頻繁に眼にする印象。
  • 浅田真央の戦略の失敗 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝からよく晴れております。朝方は気温も低かったのですが、昼前にはすっかり春の予感に。 さて、スポーツに関するネタとして、日人にはない視点で書かれたものを発見しましたので、参考までにその記事の要約を。 著者は、以前からキム・ヨナ選手を絶賛しているバイアスのかかったスポーツジャーナリストみたいで、この記事では浅田選手に関してけっこう厳しいことを書いております。 === 浅田真央の頑固さがメダルのチャンスを台無しにした BYジャック・ギャラガー ●人生の中では、時として自分自身が自分にとっての「最悪の敵」になることがある。アドバイスを受け入れず、聞きたくないことを聞かないようにして、現実を無視する時が、まさにそのような場合だ。 ●嫌いなことや恐怖、それに望まないことに直面して、このようなパターンの陥ってしまうと、人は大抵大きな失望に直面することになる。 ●そしてこの典型的な例が

    浅田真央の戦略の失敗 | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2014/02/26
    3Aへのこだわりがマオをユニークな存在たらしめたとも言えるので、それと金メダルを両立するプログラムがどの程度ありえたのか。元コラムの指摘は妥当なのだが、マオ側とは戦略目的が異なるんだろう。
  • 「歴史家」はなぜズルいのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はまたまた朝から快晴でした。晴れましたが、とにかく午前中は冷えましたね。 さて、最近感じていることを一つ。 地政学をはじめとする、いわゆる「戦略」という分野のことを研究してつくづく感じるのは、(軍事・戦略系の)「歴史家」ってズルい、ということ。 なぜこのようなことを言うと、なぜかここ数ヶ月の内に立て続けに、自分のことを「歴史家」だという(とくに軍事系)の人々の話を、勉強会や講演などで偶然聞くことになったからです。 たしかに彼らの話を聞いて、私もその豊富な知識には当に関心させられたのですが、何度か聞いているうちに、なんというか違和感を感じたわけです。 はじめはその違和感の理由がよくわからなかったのですが、最近になって気づいたのは、彼らが共通して「神の視点」から物事を語っているような雰囲気を醸しだしているということ。 なぜかというと、彼らはすでにその当時を生きていた人とは違って

    「歴史家」はなぜズルいのか | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2013/12/06
    後出しの批評がそういった傲慢な見方を持ちやすいことは、むしろ歴史学徒こそよく知っている。歴史書で歴史を描写する際に筆致を抑えるのか、それとも自己の見識を見せびらかすのか、そういった違いではないかなあ。
  • 尖閣/デモ問題についての「解釈」の違い | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は晴れているんですが雲が多めで不安定そうな雰囲気が。 さて、尖閣問題に端を発する中国におけるデモや日の人や資産にたいする破壊・テロ行為が行われておりますが、これをちょっと冷静な目で簡単に分析してみようかと。 まずこの分析を行う前に参考になるのが、「冷戦」の原因についての、英語圏の分析の解釈の違いです。 「なぜ日中間の紛争に冷戦の分析なんだ!」と“違和感”を感じる人もいるかもしれないのでまずお断りしておかなければならないのですが、「冷戦」(the Cold War)というのは、その当時の世界中の知識人を巻き込んで悩ませた大問題であり、その原因(誰がその紛争を始めたのか)については、当然ですが現在でも歴史家の間ではひとつの大きな学問分野として確立されているほど。 そして当時の世界の政治学者たちは、自分たちの頭脳を最大限発揮して考えた末に、かなり単純ではありますが、冷戦の原因につ

    尖閣/デモ問題についての「解釈」の違い | 地政学を英国で学んだ
  • 「思考停止」はカッコいい? | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部はまたしても曇り時々雨の寒い一日でした。なかなか春はきませんねぇ。 昨日に引き続いて「思考停止」について語りたいのですが、その前に面白かったジョークを一つ。 私はこっちではほとんどテレビは見ておらず、夜10時からのBBCのニュースを40分ほど見るだけなのですが、昨日の夜はなぜだかその後のコメディーショーを見てしまい、そこで面白いジョークを聞きました。 その時のコメディアンはアメリカのジョージア州出身(?)の黒人だったのですが、映画「バットマン・リターンズ」の副題としてついていた、“To Conquer Fear, You Have To Become Fear Itself”という言葉についてしゃべっておりました。 この言葉を直訳すれば、 「恐怖を克服するためには、恐怖そのものにならなければいけない!」 みたいな感じだと思うんですが、アメリカでこれがどう受取られているかと

    「思考停止」はカッコいい? | 地政学を英国で学んだ
    rajendra
    rajendra 2010/02/16
    雑念にとらわれず、逡巡を振り払い、そのうえで「成功」した純粋まっすぐ君は、好かれる。
  • なぜアフガニスタンから兵を減らしてはダメなのか | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部は午前中雲が多かったのですが午後からはすっかり晴れました。また午後七時くらいまで外でキャッチボールできるくらい明るいです。 そろそろ時差ぼけもなんとなく解消してきた感じで、ようやくこちらに帰って来た実感もわいてきたのですが、今日はなんと近所に大型スーパーの出張所のような小さな店が出来ていることを発見しました。 この場所は近所の交差点の角にあり、いままで売れないパーティー用品を売っていた店だったのですが、いつの間にかテスコのエクスプレスになっていました。 試しに中に入ってみましたが、なかなか品揃えもよく、私がよく使うタウンセンター(イギリスの「ダウンタウン」のこと)のセインズベリーに代わって活用できそうな場所であることを確認しました。 さて、今日はまたアフガニスタンネタで。 オバマ大統領は国連やG-20の場でアフガニスタンに関する話題にほとんど触れなかったようですが、イギリ

    なぜアフガニスタンから兵を減らしてはダメなのか | 地政学を英国で学んだ
  • 鳩山の「ファンタジー・アイランド」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の東京はよく晴れました。しかしさすがに夜にもなると肌寒いかんじになってきました。 さて、色々と出てきた鳩山論文関連の論説記事の中でも面白かったものを一つ紹介します。 鳩山論文がNYタイムズに載ってからけっこう大きな反響があるわけですが、私が読んだなかで一番鋭いと思ったのは以下のものでした。 ==== Hatoyama's Fantasy Island Tim Kelly, 08.30.09, 06:00 PM EDT Japan's leader-in-waiting has a delusional vision for his country and its relationship with the rest of A Yukio Hatoyama dreams of an Asian union, a utopia free of rapacious American capi

    鳩山の「ファンタジー・アイランド」 | 地政学を英国で学んだ
  • 地政学を英国で学ぶ : リアリスト同士の会話

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は朝から小雨が降っており、たまにどしゃぶりになったりしてかなりの荒れ模様です。 さて、この前またパブでドクターコース生同士の会話があったのでその話を少し。 毎週水曜日の午後はわたしたちコースメイトにとって「語り・情報交換の時間」でありまして、学校のそばのパブでこのような安全保障・戦略学関連の会話をしているのはたしかに思いっきり浮いてしまうのですが、それでも楽しくてやめられません。 彼らと会話していて以前からよく実感するの「お互いリアリスト同士だと、会話がとてもしやすい」という事実です。 たとえば以前ここで紹介したアメリカ人の三人は日に核武装をすすめていることは皆さんもご存知でしょうが、なぜ彼らとこういう会話ができるかというと、それは我々がお互いに変なヒューマニズムのような感情的な話には触れず、ひたすら「パワーと国

    rajendra
    rajendra 2007/12/11
    "つまり彼らのいいところは、どんな相手も倫理的に優越をつけるのではなく、「俺たちのほうが正しい」という偽善的なことは決して言わないところですね。"
  • 地政学を英国で学ぶ : コンテクストがすべてだ

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は曇ったり晴れたり雨が降ったりと、とても忙しい一日でした。それほど気温は低いとはいえないのですが、風がけっこう強かったですね。 さて、二週間ほど前にうちの学校にイギリス海軍少将が講演に来たので、その時の講演の様子を。 この少将、なんとイギリス海軍の戦略を練る部門のトップでありまして、最近戦略学に力を入れているうちの学校に来て「The Intellectual Component of Fighting Power」という題名の講演をしました。 パワーポイントでブリーフィングをするというのは、最近の軍隊ではビジネス同様に必須事項になっているようで、この人も例外ではなく、とにかくブリーフィングがうまい。 基的にどの講演に行ってもそうですが、うまい人は最初の講演の最初の一分でうまいジョークを言うんですね。この少将の場合

  • 地政学を英国で学ぶ : 「神」の概念の違い

    ↑リアリズムと地政学↑ イギリスでの留学生活を実況生中継。今日のイギリス南部は久しぶりに朝から快晴でして、しかもこれほど雲がなくすっきり晴れているのは久しぶりです。気温も25度くらいまで上がり、久しぶりに夏を感じました。 そういえばちょっと前にアメリカ南北戦争歴史家のジェームス・マクファーソンが何かの賞をとったというニュースを聞きました。 この人は南北戦争にかけては右にでるものがいないほどの、いわば冷戦でいうところのジョン・ルイス・ギャディスみたいな立場の人ですが、私も図書館で彼のをちょっと読んだことがあるので、何か感慨深いものがありました。 昨日の夜はうちの町で行われている野外コンサートの一日目だったのですが、夜遅くまでコンサートの音が聞こえてきました。かなり遠いところでやっているはずなんですが、コンサートのノイズというは届くんですよね(苦笑 さて、こっちに来てから常に気なっている「

    rajendra
    rajendra 2007/10/13
    "だから西洋社会では自分の宗教のほうが正しいというのはひとまず置いておいて、とりあえず争うのなら法律で、ということになっているのかも知れません。"
  • 地政学を英国で学ぶ : なぜ平和がよいのか

    今日のイギリス南部は相変わらず曇りがちの空。朝方にはけっこう雨が降ってました。 さて、「平和が大切だ!」、「平和はすばらしい!」という話は国際関係を勉強していると当たり前のように出てくることです。 もちろん私も平和の大切さを認識していることでは普通の人間と変わりないのですが、こういう学問(戦略学/リアリズム/地政学)を研究していると、どうも他の人と考え方がやや違ってくる部分もあります。 ミアシャイマーなどでもそうなんですが、彼らのようなリアリスト達というのは、そもそも「平和」という概念そのものの考え方からして、根的に私たちのような一般人とまったく違う考え方をします。 まずわかりやすいところでは、「平和というのは戦争戦争の間の、単なる小休止である」という見方。 これは戦略学をやっている人々に多いのですが、当然のように私の先生もこういう過激な見方をします。 この理由づけなんですが、人類の歴

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