京都市教育委員会は28日までに、文化勲章受章者で京都大名誉教授だった文学者の故桑原武夫氏の遺族が寄贈した蔵書約1万冊を2015年に誤って廃棄していたと発表した。蔵書の管理を担当していた元右京中央図書館副館長の女性職員(57)を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。 市教委によると、蔵書はフランスや中国、日本の文学・芸術に関する文献など約1万400冊。桑原氏が亡くなった1988年、市に寄贈され、09年4月から市内の向島図書館で保管していた。 向島図書館を改修する際、寄贈の経緯を知らない職員から廃棄すべきかどうか相談された女性職員が「一時保管する場所が確保できない」などと考え、廃棄を了承。15年12月、全て廃棄された。 女性職員は寄贈の経緯を把握していたが、上司に相談せず、遺族の意向も確認しなかった。今年2月、蔵書に関し利用者から右京中央図書館に問い合わせがあり、誤廃棄が発覚した。〔共同〕
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