3. 副作用 冪等、安全、キャッシャブルのセクションに入る前に、まず「副作用」について解説します。 2014 年 6 月に廃止された RFC-2616 の「9.1 安全と冪等メソッド」のセクション では、「副作用(side effects)」という表現が使用されてきましたが、多くの方は、この「副作用」のことを、「リソースの状態の変化」と解釈されてきたことと思います。[ 1 ] 特に関数型プログラミングにおいては頻出する表現ですが、ソフトウェア工学的にも コンピューターの論理的な状態を変化させ、以降の結果に影響を与えること [ 2 ] とされています。 しかし、HTTP の「冪等と安全」の解釈の混乱を招いてきた要因 [ 3 ] の一つのは、この「副作用」の表現方法が適切ではなかった、ということではないでしょうか。 以下では、その理由について解説しますが、その必要のない方はこのセクションはスキ