中国から日本に持ち込まれた二枚貝、カワヒバリガイが、淡水魚を衰弱させる寄生虫を広げていることが、滋賀県立大の調査で分かった。淀川、宇治川水系を皮切りに、淡水魚の宝庫である琵琶湖にまで侵入していた。この貝は旺盛な繁殖力で、水力発電や農業用の水路をふさぐ被害も出している。3月17日から盛岡市で開催される日本生態学会で発表される。 カワヒバリガイは90年以降、輸入シジミに紛れて日本に持ち込まれた。琵琶湖では92年に見つかり、利根川や霞ケ浦などにも広がった。環境省は06年、特定外来生物に指定して、駆除を進めている。 貝から見つかった寄生虫は、中国のナマズ腹口吸虫(ふっこうきゅうちゅう)。貝の中で分裂して増えると、冬に水中を漂い、コイ科の魚に寄生する。この魚を食べたビワコオオナマズなどの体内で産卵する。寄生された魚は目やひれから出血し衰弱する。えさをとれずに死んだり、天敵に食べられやすくなったり