この数ヶ月ずっとかかりきりになっていた本の刊行にようやく見通しが立って、あとはイラストカットの確認や、献本先のとりまとめなどといった仕上げの作業に入っています。 表向きは、大きな仕事を終え、祝杯のひとつをあげても文句はいわれない、多少は自慢をしてもよいタイミングなのかもしれません。 しかし、ふと気をぬくとそれはやってきます。「お前はなにかをしたつもりかもしれないが、なにを勘違いしているんだ」という心のささやきです。 「だってお前は、偽物じゃないか」 自分がほんとうは詐欺師という感覚 プレゼンテーションを上手にこなしたり本が出版できたりすると、その直後あたりからやってくるのが、そうした悪魔の声です。それは私がどのように言われると一番つらくて、痛くて、ダメージを受けるのかを知っていて、的確に急所に毒を注ぎ込みます。 「この本に新しさなんてどこにもないし、これはたいした仕事でもない」 「全力でや
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