ファーストサーバ社データ消失事故の教訓(1)クラウドだから新しいリスクが生まれたわけではない-葛山 弘輝弁護士 2012.07.11 ファーストサーバの事件は、まだ全容の把握がなされていない状況だが、5千を超える企業・団体などが被害を受けており、その中には事業の根幹に係わる損害を受けたところもあるという。ファーストサーバも親会社であるヤフーとともに、一定の賠償に応じるとのメッセージを発しているが、すべての被害者がそれに応じるとは限らず、最終的に法廷で争う事態は避けられないと考えられる。 そこで、まずは今回の件を法律家の立場から見るとどのような問題があり、または問題とは言えないのかを弁護士の葛山弘輝氏(ひかり総合法律事務所)にうかがった。氏は経済産業省にも出向経験があり、クラウドに関しての法的知見だけでなく、行政側の動向にも詳しい。その立場からクラウドが抱える法的問題の本質を明らかにしていた