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ブックマーク / www.ele-king.net (24)

  • 第10回 ビジホで混ぜる「1のこな」──映画『パラサイト』と家父長制 | ele-king

    ※このコラムには映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレが含まれています。 1 洗面台の蛇口で水を汲む。小さいプラスチックのひしゃくは開けたときからべこっと折れていて、指でへこみを戻してから使った。足でドアを開け、こぼさないように気をつけながら水を「1のこな」の上に落とす。付属のおもちゃみたいなスプーンでよくかき回し、まとまってきたら淡い青色をした「2のこな」を加えた。1枚写真を撮ってから、さらにかき混ぜる。 粘りけがじゅうぶんになったら、となりのトレイに「3のこな」を入れる。これはトッピング用のラムネだ。左で作ったとろろ芋状のものを右のラムネにつけてべる。それがねるねるねるねである。口に入れる。ガムと同じソーダ味がする。 「うまい」 そう口に出しながら隣を見ると、親友が別の友達と通話しながら通信対戦でゲームをプレイしていた。いわく「こうしないと勝てない」らしい。私はほとんど対戦ゲーム

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    rgfx 2020/06/11
  • 第6回 笑う流浪者、あるいはルッキズムに抗うための破壊 | ele-king

    「女の子」の手で「女の子」を再定義・再肯定するムーヴメントが地を這いながら立ち上がってきた。今まで家父長制社会にジャッジされ、引き裂かれ、苛まれてきた「かわいい」/「女の子」が、シシガミの首のようにようやく一つの身体へ取り戻される。数多の「私」たちが主体的に「かわいい」を掴み取り、「女の子って最高」と叫ぶ。真夏の海辺で着せられた真っ白いワンピースに染み込んだ血が乾き、ピンク色のフラッグになる。よい潮流だ、すばらしい、もっと激しくなれ。もっと燃えろ、全部塗りつぶせ。 ……このフェミニズムの一ストリームを心から応援している一方で、(私/俺/わし/自分/?)は常に輪の外側にいた。別に「あの子たちが仲間に入れてくれない」と拗ねて見せたいわけではない。(私/俺/わし/自分/?)自身が「かわいい」にも「女の子」にもピンときていなかったのだ。 そもそも「女の子」というたった三文字の背後に、長大な違和感が

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    rgfx 2020/06/10
  • interview with tofubeats 走る・走る・走る  | ──トーフビーツ、インタヴュー | ele-king

    トーフビーツ、この男は当に走り続けている。2009年の“しらきや”で笑わせ、2012年の“水星”ではヒップホップ・ビートのうえに切ない夢を描いた若者は、それからほぼ毎年のように作品を作っては出している。思春期にSNS文化に親しんだほとんど最初のほうの世代のひとりとして、シンプルなメロディを持った彼の音楽(主にヒップホップとハウスかる成るダンス・ミュージック)にはネット・レーベルの古参〈Maltine〉と同じように、非日常ではなく、日々の営みのなかにこそインターネットが存在する世代への感覚的なアピールがあったのだろうけれど、それと同時に、トーフビーツの汗をかいている感じ、自分の人生を一生懸命に生きている姿にも共感があったのだと思う。がむしゃらさは、彼の切ない夢の音楽と並列して、つねにある。この実直な思い、熱さこそ、大人たちから失われてしまいがちなものだ。トーフビーツの音楽を聴いていると、ぼ

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    rgfx 2018/09/28
  • 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から | ele-king

    三匹の子ぶたのその先 「三匹の子ぶた」は誰もが一度は話を聞いたり、で読んだりしたことのある有名な昔話である。どうやらイギリスの話らしい。一人目の子ぶたはワラで、二人目の子ぶたは木材で家を作るが、彼らを狙うオオカミにどちらも吹き飛ばされてしまう。しかし、最後の子ぶたが作ったレンガの家にはオオカミもなすすべがない。オオカミは煙突からの侵入を試みるのだが、煙突の下で沸かしておいた熱湯で茹でられ、反撃をらう。──そんな話のプロットはおそらく誰もが覚えているだろう。 私はこの昔話が特に好きだったわけでもないのだが、二年前にこのお話の発祥の地であるイギリスで、とある「三匹の子ぶた」絵を見てから、妙にこの話が気になるようになった。この話のポイントはなぜ三匹の子ぶた、すなわち、三人の未成年者が自らで家を建てねばならなくなるのかというところにある。我々が普段目にするバージョンではそのポイントはぼかして

    子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から | ele-king
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    rgfx 2017/09/05
    「その答えは「愛」ではなくて「尊厳」だったと言っている。底辺託児所にあったアナキズム、あのアナキズムは尊厳そのものだった、と。」
  • 松本 哉 | ele-king

    明日はどっちだ? こっちこっち。 思えば、あれは6年前。当時、ユリシーズという音楽誌があり、そこの編集者さんから原稿依頼のメールをいただいたとき、彼女はこう書いていたのだった。 「ブログの文章を拝読し、素人の乱みたいだと思いました」 あの頃わたしは日で起きていることなどまるで追っておらず、首相の名前すら知らなかったぐらい(またよく変わってたんだ)で、好き勝手に英国で見聞きすることをブログで書いていただけだったから、「素人の乱って何?」と思った。 で、彼らの情報をネット検索して思ったのは、ひゃあー、なんか英国的。ということだった。「鍋闘争」だの「くさや闘争」だの、はなから人をなめたような闘争は、まるでモンティパイソンみたいじゃないか。「鍋」とか「くさや」とかは英国にはないでしょ、だからパイソンなわけがない。ダッせえ。とかおっしゃる輩は、横文字で書かれたものはすべてクールかと思って、一見する

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    rgfx 2016/11/15
  • THIS IS JAPAN──英国保育士が見た日本 | ele-king

    貧乏人は日をほろぼす まいった。あいもかわらず、カネがない。さいきん、たくさん文章を書かせていただいたおかげで、年収が200万になり、やばいオレ、ブルジョアかもしれないとおもっていたのだが、ぜんぜんそうではなかった。この年収になると、急に税金があがって、所得税だの、住民税だのを、50万くらいとられるのだ。それに国民年金や国民健康保険をあわせると、80万、90万くらいぶんどられたことになる。収奪だ。けっきょく、手元にのこるのは、100万ちょい。しょうじき、年収100万で親の扶養にはいっていたほうが、生活的にはだんぜんらくだった気がする。はたらけど、はたらけど、カネはなし。こりゃもう、はたらけない。 というかこれ、わたしがまだ実家暮らしだからいいものの、都内で一人暮らしだったら、死ぬレベルなんじゃないだろうか。やったぜ、金持ちになったとおもって、一日三ちゃんとべたり、を借りるんじゃなく

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    rgfx 2016/09/18
  • R.I.P. 横田進 | ele-king

    テクノ/ハウス/エレクトロニカのプロデューサーとして国内外に多くのファンを持つ横田進が、3月27日、長い病気療養のすえ永眠したことが最近わかった。音楽関係者との接点を持たなかったご遺族が、先日、遺品整理中に見つけた関係者からの手紙を頼りに報告があった。54歳だった。 横田進は、ハウス・ミュージックに触発されて、90年代初頭から格的な音楽活動をはじめている。初期の作品、1993年にドイツの〈ハートハウス〉からリリースされたFrankfurt-Tokio-Connection名義の12インチ・シングルは、都内の輸入盤店でも話題になった。当時勢いのあったジャーマン・トランスの重要レーベルからのリリースだったということもある。が、何よりも、無名の日人がいきなり海外のレーベルから作品を出すことがまだ珍しかった時代のことだった。いまや音楽は世界に開かれている──そんなオプティミスティックな気配がア

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    rgfx 2015/07/14
  • 第26回:JE SUIS 移民 | ele-king

    なかなか慌ただしい年の初めだった。 昨年末から、連合いの姉たちと交代でアイルランドの姑の介護をしていて、正月はわたしの番だったので姑と一緒に新年を迎えたのだが、帰国した数日後に姑が他界した。で、またアイルランドにUターンすることになったのである。 姑はアイルランドの田舎の小さな村に住んでいた。夫が亡くなるまではロンドンに住んでいたが、未亡人になるとすぐアイルランドに戻った。「黒い肌や茶色い肌の強盗だらけ」のロンドンは大嫌いだったそうで、そんな彼女だから、連合いが東洋人の嫁を貰ったときもネガティヴな反応を示した。姑と舅がロンドンに渡ったのは1950年代で、英国では「犬と黒人とアイルランド人はお断り」などと言われた時代だ。アイリッシュ労働者の家庭も差別されたんだろうが、姑は有色人を自分たちのさらに下に位置する者と思っていた。アイルランドの緑の大地を愛した姑は、ロンドンの喧噪や地下鉄や細い路地を

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    rgfx 2015/02/02
    つらさだ
  • 第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king

    夏休みにうちの息子を初めてフットボール・コースに通わせた。 これはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCという地域のクラブが運営している小学生向けのコースで、夏休みとかイースター休みとかには必ずやっているのだが、働く親には送り迎えがたいへん不便な時間帯に行われているので、これまでうちの息子は通えなかったのである。 が、今年はどうにか送り迎えの都合がつくことになり、フットボール狂のうちの息子は喜び勇んでコースに行ったのだが、初日からどんよりした顔つきで帰って来た。 「どうしたの」 「ジャパーンはシットだって言われた」 ああ。と思った。グラウンドに彼を送って行ったときに、それはちょっと思ったのである。子供たちのほとんどは、ブライトン・アンド・ホーヴのキットを着ていた。地元クラブ運営のコースなので当前である。少数派として、チェルシーやマンUなどの定番人気クラブのキットを着ている少年たちもいた

    第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king
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    rgfx 2014/12/19
    駄目、つーかlameか。
  • 第23回:ソーシャル・レイシズム | ele-king

    「ソーリダリティ、フォエーーヴァー、ソーリダリティ、フォエーーヴァー」 という1915年に書かれた労働者のアンセムで『Pride』は始まる。 『Pride』という英国映画は、炭鉱労働者が一年にわたってストライキを繰り広げた84年から85年を舞台にしている。ストで収入がなくなった炭鉱労働者とその家族を経済的に支援するためにロンドンの同性愛者グループが立ち上がり、GLSM(Gays and Lesbians Support Minors)という組織を結成して炭鉱コミュニティーに資金を送り続けるというストーリーで、英国の中高年はみんな知っている実話でもある。 ************* 少し前、職場でちょっとした事件があった。 というか、地元のメディアに報道されたりしたので、「ちょっとした」という表現は適切でないかもしれない。 保育士という仕事には怖い側面がある。 子供からあることないこと言われ

    第23回:ソーシャル・レイシズム | ele-king
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    rgfx 2014/10/10
    ラベルによる先入観で評価を歪めることが、どれだけいけないことか。社会を毀損するか。
  • 第20回:ヤジとDVとジョン・レノン | ele-king

    先日、通勤バスの中で新聞を広げていると祖国の話題が出ていた。東京都議会で女性議員に対して性差別的なヤジが飛び、国内で大きな話題になっているという。『ガーディアン』紙のその記事は、日男女平等指数ランキングで常に下位にランクされている国であることを指摘し、ジェンダー問題の後進国だと書いていた。まあ、ありがちな「東洋は遅れてる」目線の批判的な内容である。 こういう記事が出ると、「女性が強い英国では絶対にあり得ない」「アンビリーバブル」みたいなことを英国在住日人の皆さんがまた盛んに言い出すんだろうな。と思った。わたしも10年前ならそう思っていた。 が、今はそうは思わない。 ****** BBC3で『Murdered By My Boyfriend』というドラマが放送されてちょっとした話題になった。「恋人に殺された」というタイトルの当該ドラマは、パートナーの青年にDVを受け続けて最後には亡くな

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    rgfx 2014/07/02
    “英国では階級による女たちの分業がはっきりと出来上がっているようにも見えた。ミドルクラスの女たちは外で働き、下層の女たちは生活保護を貰いながら子供を産み増やす。”
  • 第19回:ウヨクとモリッシーとサヨク | ele-king

    「俺、UKIP支持に回るかも」 と隣家の息子が漏らしていたというのは数カ月前に書いた話だ。 リベラルでお洒落なゲイ街にはレインボウ・フラッグがはためいているが、貧民街の家々には聖ジョージの旗が掲げてあり、それはまるで、もはや「自分はイングリッシュである」ということしか誇るものがなくなった白屑(ホワイト・トラッシュ)の最後の砦のようだ。と書いたのは一昨年の話だ。 つまり、ずっと前から予感はあった。 5月23日のEU議会選(地方選とセットで行われた地域もある。ブライトンはEU議会選オンリーだった)が近づくと、それは一気に明らかになった。貧民街の家々の窓に右翼政党「UKIP」支持のステッカーが貼られ始めたのだ。だいたい貧民街では選挙前に政党のステッカー貼ってる人なんていなかった。ミドルクラスなエリアに行くと緑の党や労働党のステッカーが貼られていて、玄関先にフラワーバスケットが下がっているようなお

    第19回:ウヨクとモリッシーとサヨク | ele-king
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    rgfx 2014/06/03
    「人々がそうした妥協しない何かを右翼の中に見たような気になっているからかも」片輪の資本主義を「威勢よく」ぶん殴ってくれる誰か、なんだろうなあ。威勢の良さだけじゃダメなんだが。
  • 第18回:移民ポルノ | ele-king

    4月前半は日に帰省していた。 中国方面から飛来するというPM2.5の影響で、霧深い英国かと見まがうほど白く煙った福岡の街はなんとも不気味だった。大気を舞う微小粒子物質のため、まったく遠くの山が見えない。晴れているのに空が青くない。というのは、灰色の空の国に住む人間からしても気色が悪い。免疫のない人間はてきめんにやられるのだろう。咳が止まらない&偏頭痛で体調が悪いので早く英国に帰りたかったというのは今回が初めてだ。 近所のてんぷら屋で飲んでいて反中思想のおっさんに絡まれた時にも、歴史やモラル、マナーといったようなことを云々と並べておられたが、ほんなことを延々と愚図るより、今の福岡なら「中国PM2.5を飛来させやがるので嫌いだ」と言ったほうがよっぽど切実である。 「いやー、けど日だって高度成長期にはいろいろ飛ばしてたんだろうし」 と言うと、酔ったおっさんは言った。 「いや、日の場合は風

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    rgfx 2014/05/02
    「アンダークラスとは、キャピタリズムの犠牲者ではない。最初からキャピタリズムに参加させてもらえなかった層なのだ。」人間とは。また、国民とは。
  • 第17回:淫らなほどキャピタリスト。の時代 | ele-king

    のフットボールクラブのサポーターが「Japanese Only」と書かれた横断幕をスタジアムに掲げて問題になったという。 日韓共同開催W杯のときに日に行った英国人にその話をすると、「あのときも日の飲店には『Japanese Only』と書いた紙を貼っている店があった」という。あの「Japanese Only」も、当時UKではちょっとした話題になった。日人の排外主義は甚だしいと憤った人もいた。が、実際には日の飲店には英語を喋れる店員が少なく、海外発行のクレジットカードやデビッドカードが使えないから、会計時に揉め事になるとややこしいと思った飲店主たちが「Japanese Only」の札を掲げていた。という日側の理由が説明されると、なんとなく辺境の国ふしぎ話になって終わった。 が、今回の「Japanese Only」はちょっと違う。そもそも、Jリーグなんてのは、発足当時を知る

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    rgfx 2014/03/29
  • 貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回

    今年の英国は、年頭からC4の『Benefits Street』という番組が大きな話題になった。 これは生活保護受給者が多く居住するバーミンガムのジェイムズ・ターナー・ストリートの住人を追ったドキュメンタリーである。が、ブロークン・ブリテンは英国では目新しくも何ともない問題なので、個人的には「なんで今さら」と思った。日人のわたしでさえ何年も前からあの世界について書いてきた(その結果、まで出た)のだ。UKのアンダークラスは今世紀初頭から議論され尽くしてきたネタである。 が、この番組で英国は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。デイヴィッド・キャメロン首相から『ザ・サン』紙まで、国中がこの番組について語っていた。よく考えてみれば、一部のコメディや映画を除き、あの世界を取り上げた映像は存在しなかったのである。 なるほど。アンダークラスは当に英国の蜂の巣だった。というか、パンドラの箱だったのであ

    貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回
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    rgfx 2014/02/27
    メイロマさんならこれ知ってるよ http://goo.gl/BblBHs / pornと聞いてJAVしか思い浮かばないですか…センセーショナルに扇情するものをpornと呼ぶんですよ。 / だから「希望は、戦争」なんてのがウケる>HOPE
  • 第15回:キャピタリズムと鐘の音 | ele-king

    なんで年頭になるとわたしは左翼の人になるのだろう。 昨年の正月は紅白の「ヨイトマケの歌」を見ながら、日の労働者階級について考えていた。で、今年はケン・ローチ監督のドキュメンタリー『The Spirit Of 45』のDVDを見ていたのだが、この作品はケン・ローチが昨年11月に発足させた新左翼政党レフト・ユニティーのコテコテのプロパガンダ映像である。一部メディアには酷評されたが、しかしこれを見ると、英国には社会主義国だったとしか言いようのない時代があったのだとわかる。 タイトルで謳われている1945年とは終戦の年だ。 日が降伏を宣言し、マッカーサーが神奈川県に降り立った年である。 一方、戦勝国の英国では、国を勝利に導いたチャーチルの保守党が選挙でなぜか大敗し、労働党政権が誕生した年だった。 保守党政権下の1930年代は貧富の差が極端に拡大した時代だったという。「貧民の子供はよく死んだ」と

    第15回:キャピタリズムと鐘の音 | ele-king
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    rgfx 2014/01/15
    「キャピタリズムはアナキズムだ:政治が計画を行わず(…)自然淘汰されて行くという行き当たりばったりのDOG-EAT-DOGな思想は、たしかにアナーキーであり、究極の無政府主義とも言える。」
  • 第13回:『Last Summer』の名残り(1) 時計じかけのアラセヴ | ele-king

    10月はずっとイタリアのオトラントという街にいた。 ブライトンの保育士がなんでイタリア南部のリゾート地に滞在していたのかといと、それはなんとも数奇な経緯であったのだが、要するにうちの坊主である。夏休み中、彼がイタリア人のお兄さんとSKYPEする機会があった。そのとき、坊主にラモーンズのTシャツを着せていたのがまず間違いであった。イタリア人のお兄さんは、「あ、ラモーンズのTシャツ着てる」とか言って、やたらウケていたのである。しかも、息子の野郎ときたら、貧民街の暇こいてるガキにありがちなフットボール・ギークぶりを発揮して、プレミア・リーグやセリエAについて、くだんのお兄さんと楽しげに話し込んでいた。 だいたいうちの坊主はずぶの素人である。学芸会に出たことはあっても、演技の経験など無いのである。だのに、SKYPEで「直訳:ポジティヴなエネルギーを感じた(意訳:ウマが合った)」というだけで、自分の

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    rgfx 2013/11/18
  • 第8回:墓に唾をかけるな | ele-king

    その日、わたしは街の裏通りにある小さなパブで、仕事帰りに人と会う約束をしていた。 そこは薄暗く古いパブで、流行のワインなどを飲ませる小奇麗なパブではない。窓際には年季の入ったスヌーカー・テーブルがあり、カウンター上方のフラット・スクリーンではない分厚いテレビはいつもフットボールの試合を映している。が、その日、パブに着いてみれば、なぜかテレビはBBCニュースを映していた。 「え。サッチャー、死んだの?」 と吃驚しているわたしの背後から入って来た、塗装業者らしいペンキで汚れたバギー・ジーンズのおっさんは、テレビに映し出された「Baroness Thatcher Died」のヘッドラインを読むなり、おもむろに両手でガッツ・ポーズを取った。 「YES!!」 PCの前に座って仕事をしている階級の人びとはもっと早く訃報を知ったのだろうが、ブルーカラーの労働者が彼女の死を知ったのは夕方だったのである。ん

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    rgfx 2013/04/16
  • 第7回:仮想レイシズム。現実レイシズム | ele-king

    職場では月1回の頻度でインハウス・トレーニング(職場内研修)というのがあり、さまざまなテーマの研修(という名の夜間残業)がある。 んで、このテの研修でわたしがもっとも恐れているのが「ワークショップ」と呼ばれる形態のものである。この「ワークショップ」は、演劇的色彩が濃く、要するに、例えば「保護者との関係構築」というテーマでワークショップがあったとしよう。すると、ある者は保護者の役を、またある者は「良い保育士」または「悪い保育士」の役を演じさせられるわけであり、それでなくとも人一倍ノリの悪い東洋人のおばはんであるわたしなどは、いったいどうしてこの人たちはこんなことをするのか、シェイクスピアの国だからなのか。と呆れることも度々で、実に疲労困憊する研修なのである。 ほんで。先日もそういうのがあった。 研修のタイトルは「EAL(English as an additional language)」。

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    rgfx 2013/03/22
  • 第6回:アナキーな、あまりにアナキーな(現実) | ele-king

    「ローマ教皇がやめるんだってさ」とわたしが言うと、 「そら、よっぽどヤバイことが明るみに出るんだろうな。これから」と連合いは言った。 先週、アイリッシュ系のご家庭では、わりとこういう会話が交わされたのではないだろうか。 「聞いた? 教皇のニュース」とわたしが言うと、 「まるで『Father Ted』のネタみたいだよね。リタイアした教皇が、プールサイドに寝そべって、ビキニ姿の女の子たちを回りにはべらせてたりしそう、あの番組だったら」 と、あるダブリン出身の女性は言った。 『Father Ted』というのは、英国C4が誇るカルト・コメディであり、アイルランドに住むカトリック聖職者たちの日常を辛らつにおちょくったシットコムだ。90年代に制作された番組だが、実に先鋭的で、あれを見ていると、あの国の聖職者たちはみなアイリッシュ・マフィアのようである。 その内容があまりに過激なため、当初アイルランドで

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