和歌山県発注工事をめぐる談合事件で大阪地検特捜部に逮捕されたゴルフ場経営会社元代表、井山義一容疑者(56)=所得税法違反容疑で再逮捕=から、朝日新聞大阪本社社会部の男性記者(41)が餞別(せんべつ)や出産祝いとして計15万円を受け取っていたことがわかった。 社内調査によると、記者は井山容疑者と取材で知り合い、02年と04年の2回、井山容疑者が代表をつとめていたゴルフ場施設で、転勤祝いと子どもの出産祝いとして祝儀袋を渡された。固辞したものの押し切られたため、機会をみつけて返却するつもりで封を切らないまま、仕事用のかばんに入れて保管していた。「取材先の一人として、元代表との関係を維持したいと考え、返したいと強く言い出せなかった」と話している。 餞別は封筒のへりの部分が擦り切れており、そこから本社で中身を確認したところ、10万円が入っていた。封筒の厚みから、記者は「数万円程度」と思い込んでいた。