諦めるように、視線を絵本に戻した子供。3才くらいだろうか。この年になれば、子供には子供の世界が完成している。大人はそれに気付かない。背中越しにでは、絵本に興味があるのかどうかさえ、わからない。子供とずっと接している大人は、生命を守る者として常に気を張っておかなくてはいけない。だから、子供の視線の先にあるものについて、いちいち確認してられない。こういうことは、直接責任が伴わない。僕のような、意味や秩序の側にいない人間が、気付いてあげるべきことなのだと思う。 こないだ、妹が子供を連れて実家にやってきた。生まれて1年半くらい経っていたが、多忙に任せてまだ会っていなかったので、会うことにした。僕からすると、姪っ子。女の子だ。彼女は、絵本のようなオールドメディアにあまり興味がないらしい。普段も絵本よりも、iPhoneやiPadなどのニューメディアに興味を示すそうだ。試しにiPhoneで彼女を撮影して