2019年7月17日、テルアビブで温かく迎えられた移住者たち。その多くが、フランスからの移住者だ。(Photograph by William Daniels) ナショジオの写真家になった女性たち 100年の軌跡 写真35点 ナショジオの写真家になった女性たち 100年の軌跡 写真35点 フランスのパリで育ったエステル・コスカスさん(30歳)は、平穏な毎日を送っていた。自宅は、パリ郊外の町サルセルにある『リトル・エルサレム』の中心地にあり、近くにはユダヤ教の戒律に従ったコーシャ食を出すレストランや、ヘブライ語が書かれた店の看板が目につく。ユダヤ人とアラブ人が隣り合わせで暮らし、小さな摩擦は時折起こるものの、ユダヤ人であるコスカスさんが身の危険を感じたことはなかった。 だが、それが変わったのは、2014年夏のこと。親パレスチナのデモ隊が暴徒化して、ユダヤ人の住む地域を襲撃する事件が発生した。