つい最近まで、社会保障の議論では「2025年問題」ということが現実の問題として頻繁にとりあげられた。これは「団塊の世代が75歳に到達する2022年から2025年にかけて、社会保障費が急増する」という話だ。 だが、2025年を翌年に控えた今(2024年)、このフレーズを見かける機会はほとんどない。「2025年にかけて社会保障費が急増する」という話が錯覚や思い込みでしかないことが、実際のデータから明らかになったからだ(なぜこのような錯覚が生じたのかという点については、2018年に公表された下記レポートをご覧ください。 「190兆円の社会保障費をどのようにとらえるか-「2025年問題」の虚像と実像」(ニッセイ基礎研)[https://www.nli-research.co.jp/files/topics/58888_ext_18_0.pdf?site=nli])。 このような経緯があるにもかかわ