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ブックマーク / www.ele-king.net (17)

  • トータス『ザ・カタストロフィスト』を読み解くための10枚+ | ele-king

    トータスによる約7年ぶり7作めのニュー・アルバム『ザ・カタストロフィスト』。多様な音楽性を折衷し、ひとつの時代を築きつつ20年にわたって飽くことなき実験を繰り返してきたバンドによる新作──ヨ・ラ・テンゴのジョージア・ハブリーが歌い、デヴィッド・エセックスのカヴァーまで登場する作を“読み解く”ために聴いておきたいアルバムを約10枚ご紹介。 Tortoise - Tortoise (Thrill Jockey 1994) Amazon 記念すべきファースト・アルバム。「亀」というロックバンドらしからぬ名を冠した彼らの歩みはここからはじまった。ジョン・マッケンタイアの出自であるハードコアやダグ・マッカムな叙情的なメロディが生々しくも未分化まま、乾いた熱量と共に封じ込められている。ポストパンク的ともいえるダビーな処理や電子音への耽溺に加え、サウンドのポスト・プロダクション的実験も行われており、9

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  • ノエル・ギャラガー問題 (そして彼が優れている理由) | ele-king

    私はノエル・ギャラガーには我慢がならない。 私はかれこれもう30年近く彼のことを嫌ってきたが、自分でもそのことが少し引っかかっている。長い間、尋常ではないほどの成功を収め、愛されるソングライターとして活躍し続けているということは、彼は実際、仕事ができるのだろう。かなり個人的なことになってしまうが、これほど長期にわたって、自分がひとりのミュージシャンを嫌ってきた理由を自分でも知りたいのだ。 1990年代半ばのティーンエイジャーだった私にとって、その理由は極めて単純だった。ブラーとオアシスのどちらかを選ばなければならないような状況で、私はブラー派だった。それでも、『NME』のジャーナリストたち──当時、いまの自分より若かったであろうライターたち──の安っぽい挑発で形成された見解に、大人、しかも中年になってまで引きずられるべきではないだろう。私も少しは成長しているはずだし、大人になるべきだよね?

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  • R.I.P. 鮎川誠 | ele-king

    連日レジェンド級のアーティストたちの訃報が続き、堪えるなと思っていたところへまたひとり……シーナ&ロケッツの、そして日を代表するロックンロール・ギタリストの鮎川誠が1月29日午前5時47分(シーナ!)に亡くなった。享年74歳。日中のロックンロール・ファンがいま、悲しみに暮れている。 昨年5月に膵臓がんで余命5ヶ月を宣告されてからも「一でも多くライヴをしたい」とツアーを続け、近年ではもっともライヴの多い一年になったという。最後までロックとライヴにこだわった生涯だった。 11月にはシーナ&ロケッツ45周年ワンマンを新宿ロフトで行った。ライヴ中にウィルコ・ジョンソンの訃報が入り、「ウィルコの分までロックするぜぃ!」と叫ぶ姿がYouTubeに投稿されている。 そんなウィルコ・ジョンソンやイギー・ポップといった鮎川とも交流のあったアーティストたちと同様に、鮎川はパンク以前とパンク以後、メジャー

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  • Wild Style | ele-king

  • ele-king vol.18 | ele-king

    昔からよく言われることだが、Jポップからは背景が見えない。見えないのが日の風景だと言われてしまえばそれまでだが、風景らしい風景がないかわりに内面ばかりが語られる音楽を聴き続けるというのは、どこか息苦しい。セックス・ピストルズにはロンドンの下町の匂いがあったし、ザ・スミスからはマンチェスター郊外の街並みが幻視できた。レゲエからはキングストンの熱気が伝播し、シカゴ・ハウスやデトロイト・テクノは街の知られる1面をレポートした。ブリアルのダブステップからもブレア以降の寂しい郊外が一緒に聴こえた。ヒップホップやグライムにいたっては、それが見えない作品を探す方が困難だろう。(ここで言う背景/背後とは、東京や湘南や札幌など、ただ地名を言うことではない。社会や歴史的背後という言葉に置換しうるものの意味で使っている) 今日の日の新しいヒップホップ、KOHHやBAD HOPからは背景も一緒に聴こえる。KO

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  • 宇多田ヒカル | ele-king

    情愛の濃さを一方的に注いでいる状態、全身的に包んでいて、相手に負担をかけさせない慈愛のようなもの、それを注ぐ心の核になっていて、その人自身を生かしているものを煩悩(ぼんのう)というのです。……愛という言葉はなんとなく、わたくしどもの風土から出て来た感じがしませず、翻訳くさくて使いにくいのでございますが、情愛と申したほうがしっくりいたします。そのような情愛をほとんど無意識なほどに深く一人の人間にかけて、相手が三つ四つの子どもに対しても注ぐのも煩悩じゃと。石牟礼道子「名残りの世」 ポップ・ミュージックにおける「わたし(I)」と「あなた(YOU)」をめぐる歌は、たいてい「ラヴ・ソング」とくくられがちなのだけれど、そこでの「愛」はセックスの欲望をふくんだ恋愛関係だけに限られるものではけしてなくて、セクシャルな欲望よりももっと大きく、深く、強い感情もそう呼ばれる。慈愛……なんていえば聞こえはいいけれ

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  • チエミのムード民謡 | ele-king

    ミイは、にやにやしていいました。 「あんたのことで、おそろしいことをきいたわ。あんた、じぶんのご先祖を、戸だなから追いだしたんだってね。あんたたち、にているそうじゃないの。」 「えい、やかましい。」と、ムーミントロールはどなりました。 トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の冬(1957)』山室静 訳 美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみの「三人娘」が主演した1956年制作の映画『ロマンス娘』の中で「女学生」江利チエミは痩せるために始めた柔道がめきめき上達して男を投げ飛ばしたり、3人で応募したデパートのバイト先で1人だけ風呂ガマ売り場に配属されたり、お呼ばれした豪邸でウィスキー飲んで泥酔した挙句に森繁久彌(詐欺師役)に猛アタックしたり、と露骨なまでのオチ要員でしたが、それぞれのボーイフレンドと自転車に乗りながら変わるばんこに持ち歌を披露するラストシーンでは“黒田節(~酒は呑め呑め)”を熱唱したりと、3

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  • Aphex Twin | ele-king

    五野井郁夫/Ikuo J. Gonoï 1979年、東京都生まれ。国際政治学者・政治哲学者。著書に『「デモ」とは何か――変貌する直接民主主義』(NHK出版)など。世界中のフェスや美術展、流行の研究と批評も行っている。去年は新語・流行語大賞を受賞。 若山忠毅/Tadataka Wakayama 1980年生まれ。写真家。 主な展示 第10回写真「1_WALL」展 / 銀座 ガーディアンガーデン(2014)。テクノ・ハウス全般に造詣が深い。 https://twitter.com/t_waka1980 https://www.facebook.com/waqayama.tadataqa https://rcc.recruit.co.jp/gg/exhibition/gg_wall_ph_201403/gg_wall_ph_201403.html ■Aphex Twinにいつ、どのようにして出会

    Aphex Twin | ele-king
  • Aphex Twin | ele-king

    彼の前に道は無し、とは言わないが、彼のうしろに道ができたのは事実だろう。エイフェックス・ツインとは、ポップにおける重要な分岐点である。クラフトワークやNYのガラージ・ハウスは理解できたとしても、92年のコースティック・ウィンドウの諸作や160bpmのハードコア・アシッドの「Digeridoo」、青いレーベル面にTHE APHEX TWINというスタンプが押されただけの12インチに関してはさっぱりだった、という人は少なくなかった。いや、その前にそんなものチェックもしてないか。ディスコの文脈では到底聴けたものではなかったろうし、一種の権威たちから評価されなかったものの代表格が、シカゴのアシッド・ハウス、デトロイトのUR、UKのジャングル(あるいはガバ)、そしてエイフェックス・ツインなのである。 ことAFXに関しては、公に聴かせる音質としては掟破りなまでに歪んだTR606とTB303、それまでの

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  • 子どものころ、星が輝けばこの暗闇を後にできると思っていた...... | ele-king

    Home > Columns > Opinion > 子どものころ、星が輝けばこの暗闇を後にできると思っていた......- ――ニューヨークにおける同性婚の合法化について 〈パラダイス・ガラージ〉は、たくさんの、当にたくさんの人たちのこうした思い出の中心だった。閉鎖10年以上経った今日も、〈ガラージ〉は聖なる場所として敬意をもって語られる。彼らは、そこは避難所であり、箱船であり、教会であり、寺院であり、家だったと言う。命を救われた、ストリートから足を洗うきっかけになった、生きる目的を与えられたと多くの人が口にする。こうした言葉でディスコを表現するのは奇妙に思えるかもしれないが、私たちは実際にひとつの部族のようだったし、部族の人々が何千年もやってきたことを、私たちも行っていたのだ。共に踊り、祝福することを通してコミュニティを築いた。古代の先祖たちのように、ドラムを叩き、顔にペイントし、月

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  • Syro | ele-king

    ひとつには、UKのテクノが面白くなっているという背景もあるのだろう。テセラ、アコード、ラッカー、アクトレス、アントールド、スペシャル・リクエスト、アンディ・ストット、ダムデイク・ステア……等々、そしてここにベテラン勢も加わると。 もちろん、彼は変わってはいない。アルバム・タイトルの『Syro(サイロ)』、いつものロゴマーク、エイフェックス・ツインの音楽に意味はない。曲名から極力物語性をはぎ取ってきたのも、彼の特徴である。“ Analog Bubblebath”、“Xtal”、“Tha”、“Quoth”、“Quino - Phec”……『アンビエント・ワークスvol.2』では、唯一の既発曲である“Blue Calx”以外は、綺麗なまでに曲名がない。 ご存じのように、公表されているアートワークには、曲名と制作費用の内訳、そして、リチャード・D・ジェイムスのバイオが掲載されているが、よく読めばわ

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  • Jazz The New Chapter | ele-king

    書は、2000年代以降のジャズを積極的に紹介した音楽ガイドである。監修をつとめた柳樂光隆は、『クロスビート』の最終号に「ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズのファミリー・ツリー」という記事を書いているが、書はその記事をさらに展開しただと言える。ジャズの新しい潮流をフォローした内容なので、最近のジャズに明るくない人などは、ぜひ新しい音楽と出会ってほしいと思う。僕自身も、聴いていない盤はこれから順々に聴きたいと思っている。しかし書の意義はそのようなディスクガイド的側面だけにとどまらない。書は、単なる音楽紹介以上に意欲的で挑発的で批評的だ。 重要なミュージシャンとしては、やはりロバート・グラスパーが挙がる。グラスパーは、『Black Radio』シリーズがヒップホップなど一部のクラブ・ミュージックのファンに支持されている一方、ジャズ・リスナーからは批判も多く、それ自体挑発的な存在で

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  • 「ハウスは、ディスコの復讐なんだよ」 | ele-king

    Home > Columns > 「ハウスは、ディスコの復讐なんだよ」- ──フランキー・ナックルズの功績、そしてハウス・ミュージックは文化をいかに変えたか フランキー・ナックルズが亡くなったというニュースが私たちのもとに飛び込んで、あらためて彼の功績を振り返り、彼の曲を聴きなおすたびに、とにかく悲しいという気持ちばかりが溢れて仕方がない。直前のマイアミでDJした際の動画には、クラウドに愛され、名前をコールされる最高の瞬間が残されていた。(Frankie Knuckles || Def Mix @ The Vagabond || Miami || March 2014 )そこでプレイされていたのは「僕が居なくなってから、君は僕の愛を恋しくなるはずだよ」と歌うルー・ロウルズ“You'll Never Find Another Love Like Mine”を原曲にした彼の未発売音源……。彼は

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  • TECHNO defintive 初音ミク・ヴァージョン(後編) | ele-king

    みんなサイボーグ 『D.o.A.』、ポルノ、初音ミク YouTube(=海)の向こうの初音ミク 音楽カルチャーの敷居 「コンセプチュアル」ではない、コンセプトを 音楽とルーツの関係 いま、なぜ『増殖』なのか みんなサイボーグ もう若い子にとっては音楽は何らかの付帯情報、映像だったり、写真やイラストだったり、サンプリング・コラージュだったり、そういった情報要素が混ざった集合体として捉えられていくのかもしれませんね。(佐々木) サンプリング自体、90年代から00年代のある時期まで、厳しい著作権の監視下によって表に出れなかったんですけれど、ネットの普及とともに、サンプリング文化自体がまた盛り返しているのも面白いですね。(野田) 野田:ダークスターという、ダブステップ・シーンから登場したバンドが2009年に出したシングルに“エイディズ・ガール・イズ・ア・コンピュータ(エイディの彼女はコンピュータ)

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  • interview with Washed Out | ele-king

    態度ははっきりしている。音楽にできる最良の行為、それは現実を忘れさせること。アドルノ以来、「醜い現実を酷くないかのように見えなくしてしまうのは実にけしからん」と、延々と批判されてきた大衆音楽の特性をアーネスト・グリーンは肯定する。まやかしであっても夢を選ぶ、そう思いたくなるときもたしかにある。現実が酷ければ酷いときほど、ダンス・カルチャーが燃え上がるように。 現実直視音楽にも最高につまらないものがあるように、現実逃避音楽は誰にでも作れるわけではない。テクが要るし、スキルも、コンセプトも、時代を見る目も要る。フランク・オーシャンのように、ドリーミーな音楽が現実を軽視した浮ついたものであるとも限らない。時代と向き合うことでしかドリーミーな音楽は威力を発揮しないとも言える。 夢作りの確信犯、ウォッシュト・アウトの新作『パラコズム』は、あなたを騙すことができるのだろうか。以下の取材から、彼は何を目

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  • Tame Impala | ele-king

    彼らのはじめてのEPが出たころ、クリスタル・アントラーズやオール・ザ・セインツなど〈タッチ・アンド・ゴー〉の最後を飾ったアーティストたちも同じようなヴィンテージ・サイケを展開し、ウッデン・シップスのデビュー作のリリースによってドゥンエンらへの関心も再度高まりつつあったところへ、南アフリカからブラック・ジャックスが出てきてカオッシーなエネルギーを吹き込むなど、スペーシーなジャム・バンドやガレージ・サイケの系統は、ちょっとした盛り上がりをみせていた。 エレクトロなイメージが定着していた〈モジュラー〉が、テイム・インパラのような音をリリースするというめぐりあわせにも時代の見えざる手を感じ、すくなからずときめきもした。あのEP『テイム・インパラ』の薄いスリーヴを手にしながら「キタな」とか「零サイケと呼ぼう」とか「13thリヴァイヴァルとかもこい」などと思っていたのが懐かしい......もはやくるも

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    REVIEWS ENDON - Fall of Spring Aug 26,24 UP いまアヴァン・メタルがキている。3人編成となったエンドン初のアルバムを倉諒が紹介する。 Gastr del Sol - We Have Dozens of Titles Aug 22,24 UP ガスター・デル・ソルの解散から25年後の未発表曲集。ジム・オルークとデイヴィッド・グラプスがあらたに息を吹き込んだ90年代の実験、100分を超えるこれは、素晴らしい音の旅だ。 DJ Ramon Sucesso - Sexta dos Crias Aug 20,24 UP ZULI - Lambda Aug 02,24 UP Zach Bryan - The Great American Bar Scene Jul 31,24 UP Loula Yorke - speak, thou vast and vene

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    rodori
    rodori 2012/10/19
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