令和の世では真面目に働いても、昭和の主流だった「中流家庭」になるのが難しくなっている。NHKスペシャル取材班は「『“中流危機”を超えて』という番組を制作するに当たって取材を重ねたところ、住宅ローンが返せずに自宅を手放した4人家族など、中流からこぼれ落ちてしまう人たちの苦しい状況が浮かび上がってきた」という――。 ※本稿は、NHKスペシャル取材班『中流危機』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。 かろうじて過半数が「中流の暮らし」をできている現在 今回、NHKは、政府系の研究機関「労働政策研究・研修機構」(JILPT)と共同で、全国の20代から60代の男女を対象にインターネットで調査を行い5370人から回答を得た。まず、「イメージする“中流の暮らし”」について複数回答で聞いたところ、回答者のおよそ6割が「正社員」「持ち家」「自家用車」などを挙げた。そのうえで「イメージする“中流の暮ら