本作における女性への抑圧が、最も強烈なかたちで象徴されるのが、「女子割礼」とも呼ばれる、“陰核の強制切除”だ。これは、主にアフリカや中東などで、いまだに風習となっている地域があることで、以前より人権侵害であると国際的な場で指摘されている問題である。これもまた、批判に対して“地域の独自性”、“多様性や歴史の尊重”などを盾にして批判の声を押しとどめようとする構図があるが、それを受けなければならない女性の立場になってみれば、暴力的な行為だと言わざるを得ない。 このように本作は、過激に見えるシーンを連続させながらも、主に女性と自由意志、性的行為にまつわる社会のさまざまな問題を、急激に成長していくベラの目線から描くことで、女性が女性として権利を勝ち取っていく姿を描いているということが理解できる。そして彼女は、最終的にさまざまなものを客観的にとらえる知性を獲得したことで、より俯瞰した視点から“自由意志