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ブックマーク / realsound.jp (15)

  • 『哀れなるものたち』が映し出す“現在”の問題 奇妙な物語と過激な描写を通して伝えること

    作における女性への抑圧が、最も強烈なかたちで象徴されるのが、「女子割礼」とも呼ばれる、“陰核の強制切除”だ。これは、主にアフリカや中東などで、いまだに風習となっている地域があることで、以前より人権侵害であると国際的な場で指摘されている問題である。これもまた、批判に対して“地域の独自性”、“多様性や歴史の尊重”などを盾にして批判の声を押しとどめようとする構図があるが、それを受けなければならない女性の立場になってみれば、暴力的な行為だと言わざるを得ない。 このように作は、過激に見えるシーンを連続させながらも、主に女性と自由意志、性的行為にまつわる社会のさまざまな問題を、急激に成長していくベラの目線から描くことで、女性が女性として権利を勝ち取っていく姿を描いているということが理解できる。そして彼女は、最終的にさまざまなものを客観的にとらえる知性を獲得したことで、より俯瞰した視点から“自由意志

    『哀れなるものたち』が映し出す“現在”の問題 奇妙な物語と過激な描写を通して伝えること
  • ChatGPTは史上最高の小説家になりうるーーSF作家 樋口恭介が考える、生成AIの知性

    樋口恭介『構造素子』(早川書房) 文章、画像、音楽、動画など幅広い分野の生成AIがあるなか、とりわけ昨今注目が集まっているのはChatGPTだ。インターネット上の大量のテキストデータを学習した、いわゆる大規模言語モデル(LLM)で、ユーザーがチャットで質問や指示を投げかけると、高精度の回答をまるで人間であるかのように返してくれる。 『構造素子』(早川書房)や『未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉』(筑摩書房)などの著作で知られるSF作家・批評家の樋口恭介氏は、そんなChatGPTを「リスペクトをしている」と語る。SF的な発想をもとに新たな価値や事業を模索するメソッド「SFプロトタイピング」のアイデアをもらったり、小説や批評の執筆時に利用したりしているという。ChatGPTはどのような点が画期的なのか。これからの時代に、作家、批評家、クリエ

    ChatGPTは史上最高の小説家になりうるーーSF作家 樋口恭介が考える、生成AIの知性
    ron1003
    ron1003 2023/09/24
  • 坂本龍一はラップとどのように向き合ってきたか 荏開津広氏に聞く“音楽”とは異なる捉え方

    龍一が、3月28日に逝去した。イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)としての活躍はもちろん、ソロでも数々の名作を生み出してきた彼について、各メディアで様々な功績が語られている。映画『戦場のメリークリスマス』メインテーマ「Merry Christmas, Mr. Lawrence」に代表される名劇伴から、忌野清志郎との「い・け・な・いルージュマジック」といったポップスのプロデュースまで幅広い音楽を手がけてきた坂。長きにわたる活動において、様々な気鋭アーティストとのコラボや新たな音楽ジャンルを取り入れてきた。その中で韓国のMC Sniperを迎えた「undercooled」などラッパー/ヒップホップアーティストとコラボした楽曲はメッセージ性が強いものが多いように思う。坂はこれまで、ラップ/ヒップホップにどのように取り組んできたのか。ライター/DJの荏開津広氏に話を聞いた。 坂は自

    坂本龍一はラップとどのように向き合ってきたか 荏開津広氏に聞く“音楽”とは異なる捉え方
  • 『BLUE GIANT』がアニメーション映画化された意義 ジャズの演奏シーンに込められたもの

    音楽、青春を描いたアニメーション映画として、ひとつ次元の異なる作品が完成したという印象だ。石塚真一の漫画を原作に、“音”と“動き”を新たに表現した劇場アニメーション『BLUE GIANT』は、アニメファン以外にも、多くの観客を惹きつける力のある仕上がりとなっている。 ここでは、そんな作が映画化された意義や、達成したものを考えながら、日映画、アニメーションがジャズを題材にすることについて考えていきたい。 「オレは世界一のジャズプレイヤーになる」と志し、仙台の広瀬川の河川敷で、日々テナーサックスを吹き続けてきた高校生、宮大(みやもと・だい)。その夢を格的に始動させるため、卒業後に東京にやってきた彼が、同郷の玉田俊二(たまだ・しゅんじ)や、若手ピアニストの沢辺雪折(さわべ・ゆきのり)とともに18歳の若手バンド「JASS」を結成し、日有数のジャズクラブでの演奏を目指すというのが、作の

    『BLUE GIANT』がアニメーション映画化された意義 ジャズの演奏シーンに込められたもの
  • Ochunism、新曲「Hemoglobin」リリース&MVプレミア公開 MV公開前にはインスタライブも

    情報は、10月24日に大阪 Music Club JANUSにて行われた新世代バンドグループ3組によるスリーマンライブ『HAVE A DREAM』出演時、ステージ上でメンバーから発表されたもの。楽曲はOchunismのTwitterやInstagramのオフィシャルアカウントからデモ音源の段階で一部公開されていた楽曲で、この日のライブでリリース目前にしていち早く披露された。作詞はボーカルの凪渡、作曲は凪渡とギターのちゅーそんの共作。また、10月26日のMV公開直前にはインスタライブも行われる。 今作のMVはメンバーだけで撮影、編集を行った作品。公開前後にはSNSなどを通じて制作秘話などを様々な形で発信する予定となっている。 凪渡楽曲コメント 最近は音楽制作に頭を使いすぎていたので、ここで一旦初心に帰って、感覚的な側面から制作を進めました。とにかく自分達が「気持ちいい」と感じるような要素

    Ochunism、新曲「Hemoglobin」リリース&MVプレミア公開 MV公開前にはインスタライブも
  • 藤井風、いよいよ世界に見つかる アルバム曲「死ぬのがいいわ」世界各国でバイラルヒットの理由

    藤井風の楽曲「死ぬのがいいわ」が現在、世界中でバズを巻き起こしている。同曲は、2020年にリリースされた1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の収録曲。シングル曲でもなければMVもない、いわゆるアルバム曲の一つである。 9月7日時点でこの曲は、Spotifyのグローバルデイリーバイラルチャートで最高4位を記録。各国のデイリーバイラルチャートではタイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、エジプト、カナダ、フランスなど17カ国で1位、さらに65カ国のデイリーバイラルチャートTop100以内にランクインを果たすなど、世界中のバイラルチャートを席巻している。 最初に火が付いたのはタイであった。7月下旬にTikTokでこの曲を使った動画が流行り始め、そのまま東南アジアへと波及。TikTokなどのSNSを介してアジア以外の世界各国にも広がりを見せていった。Spotifyでの再生回

    藤井風、いよいよ世界に見つかる アルバム曲「死ぬのがいいわ」世界各国でバイラルヒットの理由
  • アニメ『プラネテス』は一生の財産にもなりうる作品だ Eテレでの再放送開始に寄せて

    テレビアニメ『プラネテス』がNHK Eテレにて1月9日より、毎週日曜19時から再放送される。今でもアニメファンから絶賛の声が寄せられ、名作と呼び声高い作品が全国に再放送されることは、放送時から毎週楽しみにしていたファンである筆者としてもとても喜ばしい。今回は『プラネテス』が高く評価される理由について簡単に紹介していきたい。 『プラネテス』は、幸村誠による1999年から2004年にかけて連載された全4巻の同名の漫画作品が原作。2003年にテレビアニメとしてが放送された。監督は『スクライド』や、今作の後に『コードギアス 反逆のルルーシュ』や、また2022年には『ONE PIECE FILM RED』の監督を務めることも発表されている谷口悟朗が務めている。制作スタジオはガンダムなどのロボットアクションの印象も強いサンライズが務めており、ロボットバトルのない作品の制作を担当したことも話題を集めた

    アニメ『プラネテス』は一生の財産にもなりうる作品だ Eテレでの再放送開始に寄せて
  • 「名前」で客が呼べない外国映画 『DUNE/デューン』の不発が突きつけるもの

  • シティポップ(再)入門:山下達郎『FOR YOU』 揺るぎない最高傑作、シティポップのアイコンとして位置づけられる所以

    シティポップ(再)入門:山下達郎『FOR YOU』 揺るぎない最高傑作、シティポップのアイコンとして位置づけられる所以 日国内で生まれた“シティポップ”と呼ばれる音楽が世界的に注目を集めるようになって久しい。それぞれの作品が評価されたり、認知されるまでの過程は千差万別だ。特に楽曲単位で言えば、カバーバージョンが大量に生まれミーム化するといったインターネットカルチャー特有の広がり方で再評価されるケースが次々登場している。オリジナル作品にたどり着かずとも曲を楽しむことが可能となったことで、それらがどのようなバックボーンを持ち、どのようにして世に生み出されたのかといった情報があまり知られていない場合も少なくない。 そこで、リアルサウンドではライター栗斉氏による連載『シティポップ(再)入門』をスタートした。当時の状況を紐解きつつ、それぞれの作品がなぜ名曲・名盤となったのかを今一度掘り下げていく

    シティポップ(再)入門:山下達郎『FOR YOU』 揺るぎない最高傑作、シティポップのアイコンとして位置づけられる所以
    ron1003
    ron1003 2021/09/05
    “SPARKLE”
  • インターネット史上最大規模? 80億を超えるパスワードが流出か

    セキュリティメディア『CyberNews』は、ハッカーフォーラムに80億を超えるパスワードが流出したと報じた。これが事実であれば、インターネット史上最大規模となる。 2009年には、ハッカーがソーシャルアプリ「RockYou」のサーバーをハッキングし、3200万以上のパスワードを盗み出す事件が発生。同アプリは当時、パスワードを暗号化しないまま平文で保存していたとして大きな批判を浴びた。今回の流出も平文で保存されていたものが攻撃されたと見られることから、「RockYou21」と称されている。 ハッカーがフォーラムに投稿したデータは、100GBにものぼる超巨大なテキストファイルだ。そしてコメント欄で「パスワードは6〜20文字の範囲で、ASCII文字(アスキー文字)を使用したもののみ収集した」と述べ、リストには820億のパスワードが含まれると主張した。しかし『CyberNews』の調査によると、

    インターネット史上最大規模? 80億を超えるパスワードが流出か
  • 椎名林檎が西加奈子に“J-POP職人”の顔を明かす「本当に好きな音楽とは乖離してる」

    番組後半では、椎名の最新作『日出処』のレコーディングスタジオを舞台に二人がトークを繰り広げた。西が「リミットがあるからできるところがある?」と質問をすると、椎名は「無かったら永遠に提出しないし売らないんじゃないかな。自分の中の完成形に到達したことが一回もない、到達したらやめちゃうんじゃないか」と語り、続けて「あんまりオタマジャクシ(音符)を思い浮かべないようにしてる。全部の可能性が出尽くしてると思ったら終わりだから」と、計算して作品を作ることからあえて離れていると明かした。 そんな椎名について、西は「職人さんみたいやなって思った。すごいシャイだし、表に出たくて出てるタイプじゃない。でも何万人の人に一斉に発信しているっていう自分をどう思ってる?」と核心をついた疑問をぶつけた。椎名はこの質問に「『J-POP職人』って自分で思ってるし、当はすっごい好きな音楽ってこういうのじゃないから、(好きな

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  • 『キューブリックに魅せられた男』が映し出す、キューブリックとその作品に人生を捧げた男の生き様

    キューブリックが亡くなったのは1999年3月7日。遺作『アイズ ワイド シャット』がアメリカで公開されたのは同年7月16日。日公開はその2週後。当時、人気絶頂(今も大人気だが)だったトム・クルーズ&ニコール・キッドマン(元)夫が予定を大幅に上回る長期間の撮影によって作品に拘束され続けたことでも大きな話題となっていたが、キューブリック死去の第一報と共に届けられたのは「『アイズ ワイド シャット』の撮影も編集も終わっている」という情報だった。我々ファンはキューブリックの死去に悲しみながらも、数ヶ月後に12年ぶりの新作が観られることにワクワクせずにはいられなかった。 しかし、撮影と編集が終わっているからといって、作品がそのままキューブリックの思い描いていた通りに上映されるとは限らない。何しろ、キューブリックは自身の作品の日語字幕まで詳しくチェックすることで知られていた(『アイズ ワイド シ

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  • 映画『ボヘミアン・ラプソディ』だけでは語り尽くせない、クイーンというバンドの功績と足跡

    ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック) 11月9日に公開され、国内映画興行ランキングで1位を独走するなど大ヒットを記録している『ボヘミアン・ラプソディ』。クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの半生をドラマティックに描いたこの作品が、単にクイーンやブリティッシュロックの熱心なファンだけにアピールするような内容だったら、これほどのヒットにはならなかったろう。それはフレディという特異な生い立ちとキャラクターを持った稀なるカリスマ・スターの光も影も過不足なく描き、様々なエピソードを(時に多少の映画的演出=事実の改変や誇張はあれど)無駄なく効率的に配列し、伏線も残らず回収した脚の巧みさ、クライマックスの『ライヴ・エイド』の完全再現も含めた時代考証の正確さ、そして主にライブシーンを中心としたダイナミックな演出の見事さなど、いくつもの要因がある。 とはいえ、フレディというカリ

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』だけでは語り尽くせない、クイーンというバンドの功績と足跡
  • Amazon Echoはどう賢くなる?  「スキル」人気ランキングから見えるAlexaの未来

    昨年11月にAmazonから販売されたスマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズ。声による操作で毎日の天気の確認、音楽の再生、商品の購入やキャンセルなどを行うことができるこの製品はスマートスピーカーの先駆け的存在だ。Google HomeやLINEによるClova Friends、Clova WAVEなど国内外で多くの競合製品がひしめく中、Echoの特徴とも言えるのが「スキル」を追加することでどんどん賢くなっていくこと。先日、Amazonからそんなスキルストアの人気ランキングが発表された。(参考:「Amazon Alexa スキル」 2017年12月の人気ランキングを発表)今回は同ランキングからEchoの未来を考えてみたい。 1位:radiko.jp スマホアプリでもお馴染みのIPサイマルラジオサービス・radiko.jpがスキルランキング堂々の第一位。必要最低限のボタンと内部ス

    Amazon Echoはどう賢くなる?  「スキル」人気ランキングから見えるAlexaの未来
  • 横山健が語る、Hi-STANDARDの新たなロマン「ハイスタじゃないと得られないものを体験したい」

    Hi-STANDARDが16年ぶりとなるシングル『ANOTHER STARTING LINE』を10月5日、一切の事前告知なしでリリースした。その店着日となる4日にはSNSを通じたファンによる拡散が一気に広まり、多くのメディアでも取り上げられ大きな反響を呼んだ。そして12月7日には、カバーシングル『Vintage & New, Gift Shits』をリリース。2011年の『AIR JAM 2011』開催からの活動再開以降、新しいHi-STANDARDになるためにスタジオに集まっていた3人。その中で横山健は新しい音源を出したいという気持ちがメンバーの誰よりも強かったと話す。今回行ったHi-STANDARD・横山健へのインタビューでは、16年ぶりの新作リリースまでの経緯と、その中で横山が考えてきたHi-STANDARDという存在について大いに語ってもらった。(編集部) 「新曲を作ることに、も

    横山健が語る、Hi-STANDARDの新たなロマン「ハイスタじゃないと得られないものを体験したい」
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