少子化に関して論じている書籍でも「少子化って深刻な問題だよ」と連呼する割には、統計的な数字の増減ばかりに言及し、具体的な記述が乏しく、具体的にどんなことが起こり得るのかイメージしにくいものが多い印象がある。 また、詳しく論じていても、ある特定の分野に起こる問題を深堀りするだけで、全体的な包括的な問題を多角的に論じることはない。 たとえば、介護がテーマなら「介護×少子化問題」、医療がテーマなら「医療×少子化問題」、保育がテーマなら「保育×少子化問題」、仕事がテーマなら「仕事×少子化問題」のように、1つのテーマに留まり、その他のテーマと関連付けて解説するものは少ない印象がある。 その点、本書は、人口減少と少子化・高齢化によって起こる問題を具体的に、様々な分野を多方面から解説する。たとえば、大学の運営や労働者、介護、空き家、輸血用血液、結婚など様々なことに少子化が影響を及ぼすことを説明してくれる