息子の誕生日が近づくこの頃になると、恐ろしい思い出がよみがえる。麻酔の効いていない帝王切開手術だ。 稀にみるへっぽこ妊婦だった私は、妊娠期間の半分を入院し、8ヶ月目に帝王切開で出産することになりました。 地元の病院だったので、手術室の看護師さんが中学の部活の後輩だったりして、とても恥ずかしい思いをしました。 「先輩!お久しぶりです!Fです!」と彼女が笑顔で声をかけてくれた時は、私はお腹をさっくり切られる前の、黄色い液体をぬりぬり塗られている最中だった。 世の奥様は「友達でも冷蔵庫の中身を見られるなんて絶対に嫌よねー。勝手に開けるのやめて欲しいわー」なんてことを言うけれど、お腹の中を見られるよりずっとマシだと思う。気が済むまで見せてあげてはどうかしら。 手術もFさんにとっては日常なんだろうな、すごいな。看護師さんになったんだな…としみじみしていたら、「先生、私の先輩なんですっ」と先生たちにも