5年に1度の公的年金に関する財政検証の結果が、8月下旬に公表された。経済前提が楽観的だという批判があるが、現在の給付財源を現在の現役層の賃金に求める賦課方式の下では、経済が明るければ現役層の生活水準を向上させながら年金も潤沢にできるが、経済が暗ければ両者とも低迷せざるを得ない。その際、現役層と年金受給者のバランスは経済の振れ幅ほど広がるわけではなく、経済前提は皆で豊かになるか皆で貧しくなるかという違いにすぎない。 現役層と年金受給者のバランスは、所得代替率という指標で測定されている。具体的には、「夫が平均賃金で40年間働いたサラリーマンであり、妻が40年間専業主婦である場合の夫婦合計の年金額」の「現役世代男子の平均手取り収入額」に対する比率で見ようということになっている。これが次回の財政検証までに50%を下回ると見込まれる場合には、年金制度を抜本的に見直す旨が法律に規定されている。 201
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