都内の病院で乳腺腫瘍の摘出手術を執刀した外科医が、術後の女性患者の胸をなめるなどとしたとして準強制わいせつ罪に問われている事件の差戻控訴審が9月18日、東京高裁(齊藤啓昭裁判長、横山泰造裁判官、佐藤弘規裁判官)で始まった。 無罪→実刑→破棄差し戻し、そして… 外科医は一貫して無実を訴えている。一審の東京地裁(大川隆男裁判長、内山裕史裁判官、上田佳子裁判官)は、「麻酔覚醒時のせん妄に陥っていた可能性は十分ある」とし、女性患者Aさんが「せん妄に伴う性的幻覚」を体験した相応の可能性があるなどとして、外科医を無罪とした。 検察側が控訴。二審の東京高裁(朝山芳史裁判長、伊藤敏孝裁判官、高森宣裕裁判官)は、Aさんの証言が「具体的」「生々しい」「一貫している」などとして、せん妄の影響を否定し、一審判決を破棄して、懲役2年の実刑判決を下した。 これに対し最高裁(三浦守裁判長、菅野博之裁判官、草野耕一裁判官