人見仁さん。身を切るようなビル風にも「栃木の寒さはこんなもんじゃない」。 後ろは東電を守る警察の輸送車。=26日夕、東電前 写真:田中撮影= 「原発事故の風化」に抗議して栃木県の椎茸農家の男性が今夕から東電前で無期限のハンストに入った。 ハンガーストライキを始めたのは、栃木県那須塩原市で原木椎茸を栽培する人見仁さん(43歳)。 那須塩原の椎茸は東電福島第一原発の爆発事故により放射能汚染されたため、去年2月から出荷停止となっている。人見さんは毎年原木3,000本に椎茸を着床させて栽培していた。 だが栃木県の原木が汚染されたため、人見さんは椎茸栽培自体が出来なくなった。 「東電と補償交渉すると“農協を通して下さい”“自治体を通して下さい”といった趣旨の回答が返ってくるだけ」。人見さんは無念そうに語る。 だが人見さんが本当に怒っているのは東電に対してではない。行政に対してでもない。人見さんが憂い