原因は分かっていたはずなのに… 平成最後の連載原稿だ。今回は、筆者自身の個人史を織り込みながら、平成時代の日本経済を振り返ってみたい思う。 本コラムで何度も指摘しているように、景気については、国内のマクロ経済政策(金融政策と財政政策)と外的要因(リーマンショックなど)で説明することができる。 なんといっても、平成の経済を特徴付けているのは「デフレ」である。デフレは、GDPデフレータなど一般物価の低下が継続する状態と定義されるが、まさに、日本は平成にデフレに陥った。GDPデフレータを見れば、90年以降日本の伸びが鈍化し、95年以降マイナスになっているのがわかる。世界中でこんなことが起きているのは日本だけだった。