フーテン老人世直し録(712) 葉月某日 岸田総理は22日、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出を巡って関係閣僚会議を開き、気象条件に支障がなければ24日から放出を始めると決めた。 その中で岸田総理は、国の内外で計画への理解が一定程度進んでいることを理由に挙げたが、しかし決定からわずか2日で実行に移すのは、内外からの反発が高まらないうちに既成事実化してしまおうとする意図があるようにも見える。 つまり岸田総理は、IAEA(国際原子力機関)から「安全基準に合致している」とお墨付きをもらったことで国際社会の理解は広がり、また国内漁業者の代表から「理解は進んでいる」との言質を得たことで放出を決定した。だが拙速とも思えるやり方が逆に反対論に光を当てることもあり得る。 岸田総理は会議で「廃炉および処理水の放出を安全に終える事や、処理水の処分に伴う風評への影響やなりわいの継続に対する不安に対処す