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ブックマーク / www.nikkei-science.com (13)

  • STAP細胞 見えてきた実態 |日経サイエンス

    遺伝子解析が示した,名が体を表さないSTAP実験の杜撰さ 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方晴子研究ユニットリーダーらが作ったとされる「STAP細胞」の中身が明らかになってきた。早くから論文への疑義を指摘していた理研統合生命医科学研究センター(IMS)の遠藤高帆上級研究員は9月22日,STAP細胞などの遺伝子配列データを解析した結果を,日分子生物学会の欧文誌Genes to Cellsに発表した。また10月1日,報道陣の合同取材に応じた。 遠藤氏の解析によれば,遺伝子解析実験に用いられた細胞は,同じ名前で論文に出てきても,その中身は実験によってまちまちだ。ある実験に使われた「STAP細胞」は多能性を持つ培養細胞だが,別の実験に用いられた「STAP細胞」には多能性がほとんどない。またある実験の「FI幹細胞」は2種類の細胞の混合で,別の実験の「FI幹細胞」は1種類だ

    STAP細胞 見えてきた実態 |日経サイエンス
  • フレームと筋交い(問題)

    田の字形のフレームを前に大工が難しい顔をしている。よく見るとフレームは少し歪んでいるようだ。 「なんだ?そりゃ」とセイウチが大工の背に声をかけた。大工はセイウチを振り返って,「ああ,今度もチェス王室からの依頼で格子状のフレームを作れというんだ。ただし,使わないときには小さく折りたためるようにという注文だ。それで試作したのがこれさ」。 「フレーム枠の一つ一つは同じ長さの細い金属板で作ることにして,その端同士をビスでつないで,そこを関節にして自由に曲げられるようにした。ほら,こんな風にさ」と言って,大工は田の字形のフレームを曲げて見せる。 「もちろん,実際に使うときは,こんなにグニャグニャでは具合が悪いから,×字形の筋交いを格子マスに入れて,固定しようというわけさ。こんな風にね」 「そこまではいい。ところが,チェス王室のやつら,予算が限られているので,使う筋交いの数をなるべく少なくしろというの

    フレームと筋交い(問題)
  • 「はやぶさ2」姿現す〜日経サイエンス2013年3月号より

    探査機「はやぶさ」の後継機は,より始原的な小惑星を訪れ 表層のほか内部のサンプルも採取,複数の小型探査ロボットを着陸させる 小惑星の塵を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」。その後継として開発中の「はやぶさ2」の機体が12月26日,宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで公開され,固まりつつあるプロジェクトの詳細も報告された。順調に進めば機体完成は2014年夏の予定だ。同年12月にH2Aロケットで打ち上げ,18年6月に目標の小惑星に到達する。 公開されたのは機体体と太陽電池パドルなど。それらを組み上げ,打ち上げ時に探査機が受ける振動を模擬した試験が行われていた。サイズは「はやぶさ」とほぼ同じだが,高さが15cmほど高く,打ち上げ時の重量は約90kg重くなって約600kgになる。5月にはその他の機器も機体に組み込んだ試験が始まるという。 「はやぶさ2」は2006年に検討が始まり,1

    「はやぶさ2」姿現す〜日経サイエンス2013年3月号より
  • 特集:量子ゲーム理論

    人間社会はパラドックスに満ちている。民意をくみ取るための選挙は有権者の好み以上に制度設計に結果が左右され,個人にとって合理的な行動はしばしば全体の利益を損なう。だがこうしたパラドックスも,量子力学的な選択が可能なら解決できることがある。実行可能な選択肢が広がり,より豊かになるからだ。 量子力学では「イエス」と「ノー」だけでなく,「イエスとノーをある確率で混ぜ合わせる」,「全員の選択肢を連動させる」といった選択が可能だ。そうした選択を考慮したとき,集団の行動とその結果がどう変わるかを調べるのが「量子ゲーム理論」だ。 量子力学はこれまでも,「量子もつれ」などの奇妙な現象を使って,実行可能な計算操作の幅を広げた量子コンピューターや,絶対破れない量子暗号などの新技術を生み出してきた。だが,これらと人間の意志決定には根的な違いがある。量子情報技術は量子現象がはっきりと表れる光子や電子などのミクロな

    特集:量子ゲーム理論
  • ノーベル物理学賞 量子力学の基礎実験の最高峰 光子/イオンの状態を操り、測る|日経サイエンス

    10/17訂正)以下でご紹介したアロシュ教授の実験は,論文として発表されていないことがわかりました。学会で出た話ですが,将来計画として紹介されたものである可能性が高いです。お詫びして訂正します。 2012年のノーベル物理学賞は,米国立標準技術研究所のワインランド(David Wineland)博士と,フランスの高等師範学校/コレージュ・ド・フランスのアロシュ(Serge Haroche)教授に授与されることになりました。 2人は量子力学の基礎実験における,押しも押されもせぬトップランナーです。ワインランド博士は空中に並べたイオンの列,アロシュ教授は共振器の中に閉じ込めた原子と光子を使った実験システムを構築。これを使って量子力学の根幹に関わる実験を次々にやってのけ,量子コンピューターや超精密時計など,量子現象を直接に利用するまったく新しい技術への足がかりを築きました。 光子やイオンなどのミク

    ノーベル物理学賞 量子力学の基礎実験の最高峰 光子/イオンの状態を操り、測る|日経サイエンス
  • メンテナンスのお知らせ

  • 高次元格子国での造園(問題)|日経サイエンス

    アリスが芋虫探偵局に行ってみると,チェシャが来ており,助手役のグリフォンとなにやら議論に夢中だ。 「あれ,チェシャさん,全身とも,同じ場所にいるなんて珍しいですね」 「お,キミか。うん,ちゃんと考え事をするとなると,頭と胴体がつながっていないと,今ひとつ血の巡りが悪いようなんだ。いや,この前,無限モグラ国の造園工事の話をしただろう(2012年8月号)。あの件は一応落着したのだが,それを聞きつけて,3次元格子国の連中が同じことをしようと計画して,俺のところに相談が来たんだよ。あの国はどの方向にも立方体がぎっしり敷き詰められた構造をしていて,『立方芝』を植えようというわけだ」 「3次元格子国? 立方芝?」 アリスがキョトンとしていると,そばで水煙管をふかしていた芋虫が,少しえらそうな顔で口を挟む。 「キミのような地面にへばりついている種族には想像がつかないかもしれないが,東西方向,南北方向

    高次元格子国での造園(問題)|日経サイエンス
  • 発毛研究,徐々に進展〜日経サイエンス2012年8月号より

    時間はかかりそうだが,新たな芽が出てきた 米国の男性の40%以上は18歳から49歳の間に男性型脱毛症の兆候を示す。だが,このグループの男性のゲノムを調べた研究では遺伝的な原因を突き止められなかったため,根的な治癒は難しそうだ。 しかし,男性型脱毛症(アンドロゲン性脱毛症ともいう)の治療法がやがて登場するかもしれない。最近の研究は3つのタイプに分かれる。1つは3月にScience誌に報告されたもので,男性型脱毛症の男性ではプロスタグランジンD2(PD2)という化学物質の血中濃度が高いことをペンシルベニア大学のコサレリ(George Cotsarelis)のチームが突き止めた。マウスでPD2受容体を阻害したところ,毛が成長し続けることが確認された。この阻害薬は局所に塗布できるとコサレリはいう。 彼は新たに毛を生やす研究も進めている。マウスに傷をつけると,治癒の過程で新たな毛包が生じることに研

    発毛研究,徐々に進展〜日経サイエンス2012年8月号より
  • 外村彰先生を悼む

    午前7時。寝ぼけ眼で立ち上げたパソコンでメールを一読した途端、衝撃で目が覚めました。外村彰先生が、未明に亡くなったとの知らせでした。70歳でした。 ゲージ場の存在を示すアハラノフ・ボーム効果の実験で知られる外村先生に初めて直接お会いしたのは、昨年8月のまだ暑いころでした。弊誌の特集企画「世界を変えた日の頭脳:外村彰 ゲージ場の証拠を撮る」(2011年11月号)にご登場頂くためでした。 埼玉県の鳩山にある中央研究所に向かう道すがら、外村先生が手術を受けてずっと自宅療養を続けてこられ、この日が職場復帰の初日であると聞きました。そうした状況で見知らぬ記者からの取材を受けて下さったことに驚きましたが、以前に私が書いた、先生の友人で共同研究者でもあるアハラノフ(Yakir Aharnov)博士の記事を読んで興味を持って下さったと伺いました。 実際にお会いすると、これまで会見などでお見かけしていた時

    外村彰先生を悼む
  • ボストーク湖の呼び声〜日経サイエンス2012年5月号より

    南極の氷底湖から何が見つかるだろうか? 東南極氷床の中央部,厚い氷の下に,長さ約250km・幅約50kmの水の塊が埋もれている。「ボストーク湖」として知られる氷下の湖だ。氷上にはその名前の由来となったボストーク基地(1957年にソ連が建設,現在はロシアが運営)がある。そこは南極の標準からいっても過酷な場所で,ここで観測された−89℃という気温は地球上での最低記録だとされる。 同基地で14年前から,古代の氷の層をうがって1つの穴が少しずつ掘られてきた。氷下に大量の水が存在している可能性が1950年代から60年代に浮上した。この可能性が地中レーダー探査によって後に確認され,5400km3の水をたたえたボストーク湖が氷下4kmほどのところに存在することがわかった。 この氷底湖が地上の環境から隔絶されてきたのは明らかだ。湖水そのものが南極の厚い氷の変化に伴って徐々に入れ替わるとはいえ,それには優に

    ボストーク湖の呼び声〜日経サイエンス2012年5月号より
  • ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証

    「小澤の不等式」。数学者の小澤正直・名古屋大学教授が2003年に提唱した,ハイゼンベルクの不確定性原理を修正する式です。小澤教授は30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきましたが,このたびついに,ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されました。15日(英国時間)付のNature Physics電子版に掲載されます。 小澤の式とはどんなものでしょうか? まず,物理の教科書をおさらいすると,1927年にハイゼンベルクが提唱した不確定性原理の式は,こんな形をしています。 εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ) εqは測定する物体の位置の誤差,ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れです。もし位置が誤差ゼロで測定できたら運動量の乱れは無限大になり,測定してもめちゃくちゃな値がランダ

    ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証
  • 量子ホール効果と超伝導の深い関係

    S.キベルソン(カリフォルニア大学ロサンゼルス校) D.-H. リー(カリフォルニア大学バークレー校) S.-C. チャン(スタンフォード大学) 「量子ホール効果」と「超伝導」が,実は奥深いところで密接に関係しているというわくわくするような事実が明らかになった。 量子ホール効果は,極低温の状態で2次元界面に閉じ込められた電子が起こす現象で,磁場を強くしていくとき,電流と直角方向の電圧(ホール電圧)が,連続的ではなく階段状に増えていく。この驚くべきところは,物質中の電圧変化というマクロな現象であるのに,階段状の電圧値が,プランク定数や素電荷という物理学の基定数で説明できることだ。この発見には1985年のノーベル賞が贈られた。 一方の超伝導も,基的には極低温での現象であり,電子というミクロな存在が,マクロなスケールにおいて,ある種の秩序状態を生み出した現象といえる。1987年には高温超伝導

    量子ホール効果と超伝導の深い関係
  • 物理定数は変化する?|日経サイエンス

    決して変わらないもの,それを物理学者は自然定数と呼ぶ。光速cやニュートンの重力定数G,電子の質量meなどの定数は,宇宙のいたるところで常に同じ値をとるとされている。物理学の理論は定数をもとに構築され,私たちの宇宙の構造は定数を用いて定義されている。物理学は,定数をより精密に測定することで進歩してきた。 しかし驚くべきことに,いかなる定数の予測も証明も,いまだに成功したためしがない。ただひとつ一貫しているのは,その値の多くがたとえわずかでも違うと,生物などの複雑な構造は存在できなくなるということだ。定数を説明しようとする試みは,自然を完璧に統一的に記述する「万物の理論(究極理論)」を構築しようとする取り組みを後押しする力となってきた。物理学者は究極理論を用いれば,それぞれの自然定数が特定の値をとる理由を論理的に示せるだろうと期待してきた。究極理論が一見気まぐれな世界の根底にある秩序を明らかに

    物理定数は変化する?|日経サイエンス
    saitamanodoruji
    saitamanodoruji 2008/12/09
    水素原子の基底状態で電子の速度が c/137 なんだっけか
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