ただ、従量課金をベースとしたクラウド事業は、製品を販売した際に一括して売り上げが立つビジネスモデルではないので、クラウドへシフトすればするほど、一定期間は売り上げも利益も落ち込む。そしてその一定期間を乗り越えるためには、クラウドの仕組みづくりに投じた先行投資も含めて、採算点を越える顧客数を確保する必要がある。 そこから先、顧客数を増やしていければ、ストックビジネスとして安定した収益基盤を築けるが、逆に顧客数を確保できないと、いつまでたっても赤字状態が続く事態になる。 そう考えると、平野氏が語った「売り上げ増加率1.4倍、利益増加率1.5倍」という数値は、筆者には疑問に映ったが、高橋氏にその点を問うたところ、「クラウドへいち早くシフトしたパートナーはすでに数年経過しており、着実に顧客を獲得して収益を上げている」として、調査結果は実態を表しているとのことだ。