業務用食材卸売市場サイトのMマート(村橋孝嶺社長)が10月、個人向け少量のネット卸事業を独特のビジネスモデルで本格開始し、新風を巻き起こしつつある。その真髄は、既存勢力に対するアンチテーゼと言える仕組みにある。 Mマートは食材卸業界では知る人ぞ知る企業である。現在、同サイトを通じて食材を仕入れているのは飲食業、ホテル、旅館、スーパーなど。買い手登録社数は13万社にものぼる。今も毎月600社以上のペースで増えている。 還暦を過ぎてからの起業 同社は数々の飲食業経営に携わってきた村橋孝嶺氏が2000年に創業した。1936年生まれの村橋氏は当時64歳。還暦を過ぎてからのネット事業立ち上げある。大学生の創業など若年層による起業が一般的なネットの世界では型破りだった。 なぜ、創業したのか。それは家庭の事情から高校を中退後、長年にわたる飲食業経営で得た「仕入れのむずかしさ」という実体験に基づいている。
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