これはすごい! 個人的には「ゲーデル・エッシャー・バッハ」や「皇帝の新しい心」に匹敵するくらいの本だと思っている。ライプニッツ礼讃ということでひいき目に見ているところはあるにしても、本書で言及されていることは、最高にセンス・オブ・ワンダーだ。 数学、そしてデジタル哲学をテーマにしているんだけれども、冒頭からカフカの「掟の門」である。ここでまずガツンとやられる。それから、不完全性原理→プログラム停止問題→ディオファントス方程式→LISP→DNA……と展開してゆき、これらが抽象的には同型の問題であるということを明らかになってゆく。 本書でのコアとなってくる考え方がアルゴリズム情報量というものである。これは、ある数字列を生成する最短のプログラムを考えることで、その数字列の情報量を定義するというものだ。0.123だったら、簡単にはputs("0.123")みたいにベタで書いてしまう方法もある。でも