ブックマーク / akanisin.hatenablog.com (49)

  • 諸葛亮はいつから東南の風を呼ばなくなったのだろうか - 三国与太噺

    このあいだ『吉川三国志』の諸葛亮の論文を書いたとき、ひとつどうしてもわからないことがあった。 孔明は、それに対して、こういうことをいっている。 「むかし、若年の頃、異人に会うて、八門遁甲の天書で伝授されました。それには風伯雨師を祈る秘法が書いてある。もしいま都督が東南の風をおのぞみならば、わたくしが畢生の心血をそそいで、その天書に依って風を祈ってみますが――」と。 だが、これは孔明の心中に、べつな自信のあることだった。毎年冬十一月ともなれば、潮流と南国の気温の関係から、季節はずれな南風が吹いて、一日二日のあいだ冬を忘れることがある。その変調を後世の天文学語で貿易風という。 ところが、今年に限って、まだその貿易風がやってこない。孔明は長らく隆中に住んでいたので年々つぶさに気象に細心な注意を払っていた。一年といえどもまだそれのなかった年はなかった。――で、どうしても今年もやがて間近にその現象が

    諸葛亮はいつから東南の風を呼ばなくなったのだろうか - 三国与太噺
    sampaguita
    sampaguita 2018/10/09
    "現代の作品ではほとんどの場合、「諸葛亮は風を"呼んだ"のではなく、風が吹くことを"読んで"いた」と説明" "この説明って一体誰が初めに言い出したんだろう?"
  • 柿沼陽平『劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』』 - 三国与太噺 season3

    このブログを見返してみると、あんまり僕はのレビューとかをやってこなかったみたいなんだけど、でもやっぱりこのについてはひとつ書いておかなきゃなって思う。 正直に言って、"あの"柿沼先生が書く三国志のってことで期待していたものとはまったくの別方向のだったのだけど、その別方向で大いに勉強させていただいただった。 想像とは違っていたけどいいだった、ってのが僕のだいたいの感想です。 まずなにより僕がいいと思ったのは、――の中身とは直接関係ないことで申し訳ないけど、渡邉義浩先生のじゃないということそれだけで、まずいいだと思った。いや渡邉先生で悪いことなんてこれっぽちもないのだけれど、でもたまには、渡邉先生以外の三国志のだって読んでみたいと思うじゃないですか。 改めて言うことでもないけれど、三国志というテーマは(あるいは歴史学や文学という分野そのものが)、見る角度によってまるでいろん

    柿沼陽平『劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』』 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2018/08/28
    "想像とは違っていたけどいい本だった"
  • 「銅雀台(邦題:曹操暗殺 三国志外伝)」を観た - 三国与太噺 season3

    三国志だったらなんでもおもしろいおもしろい言う僕なんですけど、この「曹操暗殺」ばかりは...正直わかんなかったです。 時は建安二十四年暮れ。 滅亡間近の漢王朝を舞台に、董承の乱・伏皇后の乱・吉の乱という3つの暗殺劇をモチーフにしたオリジナルストーリーが展開されます。 はたして、曹操の命を狙う黒幕は誰か? 伏皇后が? 献帝か? それとも曹丕か? そもそも曹操とは、当に斃すべき悪なのだろうか? そんな登場人物それぞれの思惑が絡み合う中から、少しずつ真実が紐解かれていくストーリー展開が作の一番の見どころだと思うんですけど……。いかんせん、三国志を知ってる人にはどうしたって黒幕が分かっちゃうんですよね。 まあ原典がある以上それは避けられないことですし、そういう縛りがある中でもなんとか工夫をしている様子は脚から窺えます。中盤まで曹丕が糸を引いているかのようなミスリードをしていることもそのひと

    「銅雀台(邦題:曹操暗殺 三国志外伝)」を観た - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2017/07/03
    "今じゃ悪者曹操を探す方がよっぽど大変"
  • 「関雲長(邦題:KAN-WOO 関羽 三国志英傑伝)」を観た - 三国与太噺 season3

    関羽を主人公に、『三国志演義』の一幕である「五関斬六将」をクローズアップしたアクション映画です。 面白かった。 いや「レッドクリフ」でも「三国之見龍卸甲」でも僕いっつも「面白かった」しか言ってないですけど、これも当に面白かった。見どころがたくさんありました。 見どころのひとつ目は、言わずもがなですけどアクションシーンです。 と言っても僕は中国映画ニュービーですし、アクションのことは全然わかんないですし。ドニー・イェンも初めて知ったくらい。 だから、どこがどうすごいかはもちろんわかんないんですけど、ただただ圧倒されました。そんな動きさせちゃうんだって、ただびっくりしてました。 僕的なベストバウトは、やっぱ五関の初っぱなを務めた孔秀戦です。こんな強い孔秀見たことない。でももちろん、五関のどれも面白かったです。どうしてもワンパターンになりがちな5つの戦いをきっちり差別化してました。 そう、孔秀

    「関雲長(邦題:KAN-WOO 関羽 三国志英傑伝)」を観た - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2017/03/31
    "「五関斬六将」をクローズアップしたアクション映画" "今どき曹操をただの悪役にするってのは中国でも流行らないんだろうなって"
  • 私は、このマンガとは、一切関係ありません。偶然ここへ来て、書き込みしています - 三国与太噺 season3

    マンガでわかる三国志 (池田書店のマンガでわかるシリーズ) 作者: 袴田郁一,渡邉義浩,山佳輝,サイドランチ出版社/メーカー: 池田書店発売日: 2016/11/24メディア: 単行この商品を含むブログ (5件) を見る 演義のあらすじを紹介するわかりやすいマンガパートと、それを解説するわかりにくい文パートの二段構成になってます。だいたい3:7くらいです。 そしてけっこう珍しいことに、正史ではなく演義の解説をメインにしたです。 正史をひも解く概説書の多さに比べると、昨今の演義の扱いは淋しい限りです。三国志の流れをざっくり紹介するのに使われるか、「演義では×××××となっているが、それは誤りで、史実では……」とかゆうありがちな枕詞に使われるか、そんなものです。三国志好きなら演義くらいだいたい知ってるだろうって思われてるのか、深く掘り下げる意味がいまいちわかりづらいのか。 演義をじっく

    私は、このマンガとは、一切関係ありません。偶然ここへ来て、書き込みしています - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2016/11/29
    "正史をひも解く概説書の多さに比べると、昨今の演義の扱いは淋しい限り"
  • 「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その3 - 三国与太噺 season3

    第3話「曹操、善人を誤殺す」 ◆呂伯奢事件 前話の終盤から話の前半まで、かなり尺を取ってましたね。 呂伯奢事件は、曹操の生涯の4つの汚点のひとつであり、これをどう描き、どう説明するかが、曹操を主軸にする物語にとっての大きな課題だと思います*1。 また演義では、この事件は曹操が奸雄としての性を露わにする最初の場面です。それまでは一貫して能臣として描かれてきた曹操が、ここで初めて、倒すべき奸雄であると読者に示されるのです。 で、演義をベースにしつつ曹操に焦点を当てた作。 事件のあらましはほとんど演義に沿ってますけど、曹操の描き方はだいぶ違ってました。もちろん、演義の有名な「私が天下を裏切ろうとも、天下に私を裏切らせはしない」などの"奸雄らしい"セリフは作でもちゃんと残されています。「乱世では強者だけが仁義を語ることができるのだ」って言葉もいかにも奸雄然としています。 ただ一方で、呂伯奢

    「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その3 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2016/11/24
    "呂伯奢事件" "本作の曹操は強いて奸雄を演じているように"
  • 「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その2 - 三国与太噺 season3

    第2話「曹操、亡命す」 ◆呂布と貂蝉の出会い 曹操が王允秘蔵の七星刀を使用したことから、董卓が王允を暗殺計画の黒幕かと疑う ⇒命を受けた呂布が王允邸に乗り込み、思いがけず貂蝉と出会う ⇒貂蝉は父の無罪を呂布に釈明 ⇒王允邸にちゃんと七星刀(実は偽物)があったため、呂布も疑いを解く という流れで、作では演義より一足早く、呂布と貂蝉を接触させています。演義にはない、作のオリジナルストーリーですね。 貂蝉は、言わずもがな架空の人物ですけど、彼女をどう扱うか、そしてどういうキャラクターとして描くかでその作品の性格が決まると言っても過言ではない、重要な人物です。 僕の見るところ、貂蝉のキャラクターはだいたい次の三要素の比重で決まります。漢に対する想い、義父たる王允に対する想い、呂布(あるいはほかの男性)に対する想いです。 たとえば演義の貂蝉ですと、漢や王允に対しては厚く忠と孝をそそぐ一方で、呂布

    「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その2 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2016/11/11
    "貂蝉のキャラクターはだいたい次の三要素" "漢に対する想い、義父たる王允に対する想い、呂布(あるいはほかの男性)に対する想い" / 吉川・横山ではあっさり死なせていたよなぁ。
  • 「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その1 - 三国与太噺 season3

    第1話「曹操、刀を献ず」 ◆黄巾の乱 ……がこのドラマではないんですね。「三国志」の幕開けといえば黄巾の乱ってイメージが完全に固定されてるんで、初めて知ったときはちょっと驚きました。 カットされた理由は何なんだったんでしょう? 尺の都合? それとも、劉備ではなく曹操を物語の主軸にするためでしょうか。作のガオ・シーシー監督は、曹操を第一の主人公にしたかったとも聞きます。 現代の三国志ドラマだと黄巾の乱はどういう描かれ方をするのか、興味あったんですけどね。 演義だと悪鬼羅刹のような黄巾賊ですけど、近現代の中国だと黄巾の乱は農民蜂起であると見なされ、わりに好意的に評価されているそうですので。 ◆王允 破天荒な曹操の真意をただひとり見抜き、しかもその曹操から一取るかのような不敵さも。なかなかひと癖ありそうな硬骨漢に描かれてますね。 王允は、もちろん演義では董卓を討った忠臣として非常に評価が高い

    「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その1 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2016/10/26
    黄巾の乱は描かれていないらしい。
  • 典韋の短戟 - 三国与太噺 season3

    典韋の「双鉄戟」とは別の隠し武器、原作三国志演義だと短戟って書いてるけど、使用方法的には短刀っぽい。敵兵目がけて数十投げてるし。立間先生の注釈だと短い槍、日で言う手裏剣に近いって書かれてるね。ゴツい身体して手裏剣使えるとか悪来さん万能すぎ\(^o^)/— 坂和丸@歴史酒場銅雀台 (@kazumaru359) 2015, 6月 19 馬軍隊裏、一將踴出、乃典韋也。手挺雙鐵戟、大叫、主公勿憂。飛身下馬、插住雙戟、取短戟十數枝、挾在手中、顧從人曰、賊來十歩乃呼我。遂放開脚歩、冒箭前行。……韋乃飛戟刺之、一戟一人墜馬、並無虚發、立殺十數人、衆皆奔走。 ――『三国志演義』第十一回 劉皇叔北海救孔融 呂温侯濮陽破曹操 騎馬の隊から一人の大将が躍り出た。これぞ典韋。手に二の鉄の戟をひっさげ、 「殿、ご案じあるな」 と一声、ひらりと地面に下り立ち、戟を両の小脇にはさんで、短戟(短い槍。わが国の手裡

    典韋の短戟 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2015/06/29
    単に狙いが正確というだけでなく、普通なら投げないような武器を投げて使う典韋はすごい、という話かもしれないと。
  • 曹操の玄孫 - 三国与太噺 season3

    さっき新漢籍全文を使っててたまたま見つけたやつです。 曹侯村 魏武帝玄孫曹叔良所居、今相公橋左王宅園是也。 ―『重修曹谿通志』卷一 山川形勢第一 古蹟 山初未有名、因魏武玄孫曹叔良避地居此、以姓名村。而水自東遶山、而西經村下、故稱曹溪。 ―『重修曹谿通志』卷一 建制規模第二 『曹谿通志』に曰く、むかしこの地に曹操の玄孫である曹叔良が遷り住んできたことから、これになんで村を「曹侯村」と名付けた。さらに東の山から西へ村に流れる川があったので、これを「曹溪」と名付けた、と。 へー、、、 曹叔良って誰なんでしょうね。というかどこなんでしょうこれ。 ちょっと眺めてみた感じですと、『曹谿通志』とは、禅宗の高僧である大鑑禅師慧能が住まわった曹渓宝林寺に関する地理志みたいです。そして曹渓は現在の広東省韶関市曲江区(後漢の荊州桂陽郡曲江県)にあるようです。⇒wikipedia「慧能」 慧能とは、「中国禅宗(

    曹操の玄孫 - 三国与太噺 season3
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    sampaguita 2015/05/08
    "むかしこの地に曹操の玄孫である曹叔良が遷り住んできたことから、これになんで村を「曹侯村」と名付けた"
  • 平成26年のまとめ - 三国与太噺 season3

    今年はあんまブログ書けなかったっすねぇ、、、 来年も、どうぞよろしくお願いします。 『三国志研究』九号に、袴田郁一「『全相平話三國志』人物事典」を投稿しました。 また三国志学会 第九回 京都大会(9/13)にて、「吉川英治『三國志』における人物形象 −「三絶」を中心に」という研究発表をしました。 という風にすっかり演義屋さんになってましたけど、ようやく自分来の専攻となる「両晉における爵制の再編と展開」を『論叢 アジアの文化と思想』に投稿しました。掲載していただける予定です。 ・吉川英治『三国志』(平成25年)(2/14) 現在、没後70年が経って著作権が切れたことにより、新潮文庫から吉川英治の作品が次々と再刊されています。その嚆矢となったのが『三国志』と『宮武蔵』でした。やはり吉川英治の儲かる代表作といえばこの二作品なんだなあって再確認でした。 ・京都大興寺、日最古の関帝像か(2/2

    平成26年のまとめ - 三国与太噺 season3
  • 呂玲綺にまつわる略年表【暫定版】 - 三国与太噺 season3

    先日の関銀屏に続き、呂布の娘であるという呂玲綺の足跡も追っていきます。 相変わらず各種メディア方面の三国志には弱いので、いろいろ教えてくださると幸せです。 2003.6 コーエーの歴史シュミレーションゲーム「三國志戦記2」が発売される。 作では、呂玲綺なる呂布の娘が登場する。 呂布の娘をクローズアップしたのは、おそらく作が初めてでは? 2004.9 コーエーのシュミレーションゲーム「三国志Ⅸwith パワーアップキット」のPS2版が発売。 旧版に比べ、呂玲綺が追加された。 2005.10 SEGAのアーケードカードゲーム「三国志大戦」がver1.1にバージョンアップ。 新カードとして、【203】SR呂姫が追加された。 2006.3 コーエーの歴史シュミレーションゲーム「三国志11」が発売される。 作ではデフォルトで呂玲綺が登場する。 2006.5 アーケードカードゲーム「三国志大戦2

    呂玲綺にまつわる略年表【暫定版】 - 三国与太噺 season3
  • 公孫瓚の娘 - 三国与太噺 season3

    最近、「さんぱず」とかの三国志ゲーで、「公孫瓚の娘」ってのを見かけます。 実際にプレイしてないんで詳しいことはわかんないんすけど、はて公孫瓚に娘がいたっけ? 攻略wikiを見ると、どうやらこうゆう設定らしいんですけど。 公孫女 公孫瓚の娘。公孫瓚の義弟である大商人・楽何当の息子に嫁いだ。父譲りの騎兵術で白馬を自在に操り、その姿は息を飲むほどの美しさだったという。 ‐三国志大戦TCGwiki 公孫姫 公孫サンの娘。父親讓りの美貌と馬術の才に恵まれる。父親の義兄弟で、彼の軍閥を北匈貿易で支えた大商人‧楽何当の息子に嫁いだ。 ‐三国志パズル大戦 攻略wiki 大商人楽何当は知ってます。 けど、たしかこいつは…。 英雄記曰、……所寵遇驕恣者、類多庸兒、若故卜數師劉緯臺・販虵李移子・賈人樂何當等三人。與之定兄弟之誓、自號為伯、謂三人者為仲叔季。富皆巨億、或取其女以配己子。 英雄記に曰く、(公孫瓚が)

    公孫瓚の娘 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2014/12/08
    あのアプリは最近、その手の人物が増えてきたような気がする。曹操の娘たちとか、関索ハーレムとか。
  • シーボルトが見た関羽? - 三国与太噺 season3

    関羽を求めてネットをうろついていたら、こんな画像を見つけました。 http://www.lib.pref.fukuoka.jp/hp/gallery/nippon/kg/n2-305k.html *1 まごうことなき関羽ですね… これはなんなのか。 さっきのサイトのトップページがこちらなんですけど、 http://www.lib.pref.fukuoka.jp/hp/gallery/nippon/nippon-top.html どうやらあれは、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト著『日』の図版のひとつらしいです。 あの、シーボルト事件で有名なドイツ人医師、シーボルトですって(゚д゚ )アラ! ってことはこれはかのシーボルトが見た関帝像というわけですか。 じゃあ、それはどこの関帝像なんでしょう。 サイトによるとこの図は「崇福寺関帝堂の内部」だそうで、また図像下部にあるドイツ語?の解説文

    シーボルトが見た関羽? - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2014/09/25
    TempelやSofukuとおぼしき文字列は見えるけれど、崇福寺の関帝像とは違うように見えると。
  • 日本最古、京都大興寺の関帝像について - 三国与太噺 season3

    *1 以前にブログに書いた京都大興寺の関帝像を、先日の三国志学会の折に見てきました。 通常は非公開なのだそうですが、NPO三国志フォーラムの清岡さんや教団さんがツアーを企画し、お寺さんとの交渉をしてくださったんで、スムーズに拝観できました。 それにお寺さんが大変親切な方でして、快く拝観を許可したくださった上、これまた貴重なお話をたくさん教えてくださいました。 皆さま当にありがとうございました。 さてその関帝像、とにかく興味深い点がたくさんあり、僕もいろいろ考えてみました。 まず、いただいたパンフレットよりその解説文を紹介します。 関帝像は、三国志演義の関羽その人であり、関帝聖君ともいいます。中央には玉座に坐す関羽、左右の脇士は子の関平と関與(周倉)です。像高さは約八寸でいずれも玉眼入りの彩色木造です。 作年代および作者は不詳ですが、関帝と刻まれた額には、南宋武幹謹書とあります。縁起に尊氏

    日本最古、京都大興寺の関帝像について - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2014/09/24
    江戸時代には関帝像と認識されていたようだけど、一般的な関羽のイメージとは違うと。
  • 『全相平話三國志』人物事典 - 三国与太噺 season3

    去年のお正月、『三国志平話』に登場する全人物の紹介を書きました。 http://d.hatena.ne.jp/AkaNisin+z-s-h/ それがひょんなことから、今年の『三国志研究』九号に載してもらうことになりました。 袴田郁一「『全相平話三國志』人物事典」ってやつです。 しかしブログで書いたやつはさすがにメモに毛が生えた程度のもんですので、ちょっとでも毛並みが良くなるようあれこれ手を加えました。先行する『平話』研究をなるだけ網羅し、それに新しく「雑劇」との比較を添えました。 「雑劇」は、元代に流行した音楽劇です。その中には三国志を題材としたものも結構あり、しかも十あまりの台が現存しています*1。 同じ時代に成立した『三国志平話』とは三国志観で共通するところもあり、物語として断片的な『平話』の不足を「雑劇」で補完することもある程度は可能です。そのため『平話』を読むためには必須の資料な

    『全相平話三國志』人物事典 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2014/09/10
    "去年のお正月、『三国志平話』に登場する全人物の紹介を書きました" "それがひょんなことから、今年の『三国志研究』九号に載してもらうことになりました"
  • 張飛廟の馬斉 - 三国与太噺 season3

    こないだツイッターって知ったネタです。 ・魂太郎三国志遺跡の1人旅 現在でも中国には各地に張飛の廟が残っているらしく、こちらの方はそのうち閬中の張飛廟に行かれたとのこと。 で、関帝廟に関平と周倉がいるように、張飛廟にも従臣がいたそうなのですが、、、 まずは入り口に名も無い武将で飾られ、その奥に張紹・雷同・呉班・張遵の4人の人形があって、その奥に神仏っぽくてあんまり似合わない(張飛さんスイマセン)張飛の像が。その両側に張苞と馬斉(誰?いやマジで)の人形があった。 いやマジで誰?(゚д゚) この馬斉、最初わかんなすぎてオリキャラかと思ったほどです。一応、実在はするにはするのですが、 ⇒wikipedia−「馬斉」 でも『三国志』楊戯伝が引く『季漢輔臣賛』にちょこっと記述があるだけ*1の人で、もちろん『演義』にも出てきません。 張飛との接点は、張飛が巴西太守だったときに功曹になり、のち推挙を受け

    張飛廟の馬斉 - 三国与太噺 season3
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    sampaguita 2014/08/25
    関羽なら関平と周倉、けど張飛となると。
  • 宮城谷昌光『三国志読本』への批判 「新しい三国志」について - 三国与太噺 season3

    先週、宮城谷昌光の『三国志読』をめぐって、ツイッターでもろもろの意見が飛び交いました。ひろおさんから始まり、僕がいついたことで広まった話の様子は、ひろおさんの方でまとめられております。 http://3guozhi.jp/l/tn.html その中で、議論が飛び火したきっかけが以下のツイートでした。 「これはなかなか怖いことなのです。読者はみな『三国演義』こそが『三国志』だと思っていますから。逆に私の書くほうが嘘だと思われるかもしれない。連載が始まったころは、三国志ファンをすべて敵にまわすのではないか、という恐怖感さえ抱いたほどです」(宮城谷昌光『三国志読』)— にゃも (@AkaNisin) June 13, 2014 これに対して、三国志ファンが正史と演義の区別を知らないかのような認識は古いとの批判が起こり、また一方では演義の再評価をする声も挙がりました。いずれもその通りだと思い

    宮城谷昌光『三国志読本』への批判 「新しい三国志」について - 三国与太噺 season3
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    sampaguita 2014/06/19
    岩波の『完訳 三国志』(演義の訳)だったかなぁ。ちゃんと訳してくれと読者から抗議があって、話を聞いたら吉川英治氏の『三国志』との比較だったとか何とか。
  • 『建康実録』と乾隆帝と関公 - 三国与太噺 season3

    「関忠義」という三字は忠義将軍関羽ということなんだろうか。初めて聞く。 #建康実録— 六合 (@Rieg__Goh) 2014, 5月 19 これ見て(゚д゚)ハッとなりました。 どう見ても、乾隆帝のせいだと。 『清史稿』卷八十四 禮志三 關聖帝君にこんな一条があります。 乾隆三十三年、以壯繆原諡、未孚定論、更命神勇、加號靈佑。…… 四十一年、詔言、關帝力扶炎漢、志節懍然。陳壽撰志、多存私見。正史存諡、猶寓譏評、曷由傳信。今方録四庫書、改曰忠義。武英殿可刊此旨傳末、用彰大公。 関羽は景耀三(260)年、劉禅から「壯繆侯」と諡されていますが、後世にはこれが悪諡なのではという議論が起こりました。理由はけっこう複雑なのでおいときますが、とにかくその議論を受けた乾隆帝は、詔して関羽の諡号を「忠義侯」と改めるよう命じたのです。時に清代、関帝信仰の最盛期であります。 そして乾隆帝がすごいのは、単に諡号

    『建康実録』と乾隆帝と関公 - 三国与太噺 season3
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    sampaguita 2014/06/02
    後に変更された事実を記載するべきなのに、最初からそうであったように書き換えさせてしまったと。
  • 王甫と関羽 - 三国与太噺 season3

    去年『吉川三国志』人物事典を作ったとき、えらい驚いたこと。 この人、王甫の話です。 王甫といえば、 ・関羽配下として樊城の戦いに従い、 ・呂蒙の策で荊州が陥落すると周倉と共に麦城に籠城し、 ・関羽が討死したため城壁から身を投げて自害した と、いう人物だと思ってました。 が、これが全部『演義』の創作。 正史の王甫は、『三国志』楊戯伝の『季漢輔臣賛』で僅かに記述される程度の人物で、それによれば夷陵の戦いで敗死したとあります。関羽との関わりはまったくなし*1。 さすがに『演義』での活躍全部が正史由来だとは言わずとも、一文字二文字程度は関羽との接点があるもんだと思い込んでいました。まさかゼロだったとは。お恥ずかしい。 僕がこんな思い込みをしていた理由にはふたつあります。 ひとつは正史準拠って言われる『蒼天航路』でも王甫が関羽配下だったから。 いまひとつは、『演義』で荊州の関羽配下として登場する人物

    王甫と関羽 - 三国与太噺 season3
    sampaguita
    sampaguita 2014/04/30
    "一文字二文字程度は関羽との接点があるもんだと思い込んでいました。まさかゼロだったとは"