Blue あなたとわたしの本 173 学校での問題であれ、 職場での問題であれ、 家庭、 家族の問題であれ、 「もう無理だ! だれか助けてくれ! もう どうすることもできない! 助けてくれ! 頼むから だれか助けてくれ!」 と、 涙とともに 叫び、 叫び、 叫ぶが、 叫べども、 叫べども、 だれも助けには 来ず、 沈黙のなか、 ぽつんと、 ひとりで、 存在している。 そのうち、 涙も枯れ、 声も出なくなり、 頭はからっぽになり、 心もからっぽになり、 なんの欲もなくなり、 からっぽの なにかになったまま、 ぽつんと、 やっぱり、 一人で、 存在している。 そして、 気がつけば、 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 と、 ただ ただ、 念仏を、 声もない声で── 唱えつづけている。 願いも すでにない。 祈りでもない。 なんのためでもなく、 何者でもない、 からっぽの なにかと なった