年賀はがきなどの過剰ノルマや自爆営業、「局長カレンダー問題」など多くの闇を抱える郵便局 (C)tamayura39/stock.adobe.com 配達員によって捨てられた大量の郵便物。手段を選ばない保険営業や相次ぐ横領や詐欺――2007年の民営化以来17年、2万4000局、従業員30万人超の巨大組織で何が起きていたのか。調査報道大賞など数々の賞で顕彰された西日本新聞記者が、6年以上をかけた独自取材で疲弊する現場からそれを招いた「病原」まで浮き彫りにしたのが、『ブラック郵便局』だ。郵便局をめぐる調査報道で双璧を成し、『郵便局の裏組織 「全特」 ―― 権力と支配構造』などの著書がある朝日新聞・藤田知也記者が自身の取材体験を踏まえて書評を寄せてくれた。 *** 取材の蓄積があぶりだすもの 西日本新聞を読んでいなければ、知ることのできないファクトがここ数年、確かにあった。日本郵政グループと郵便局
グローバル・スタートアップ・キャンパスの予定地となっている、渋谷区と目黒区にまたがる国有地周辺。写真右上の空き地が予定地=東京都渋谷区で3日 4日に衆院を通過した2025年度予算の修正案は、歳入減への対応として、特定の事業に複数年度分の資金を積む「基金」の国庫返納分を財源に充てる措置をとった。ところが、複数の政府関係者が「なくなっても誰も困らない」と突き放すほど問題視されていた基金が丸々残った。なぜか。 返納、岸田氏ら強く反対 「必要あるんですか、この基金。先行的な取り組み、海外の一流大学と連携してやっていくという話、1ミリも進んでない」。2月6日の衆院予算委員会で立憲民主党の本庄知史議員がやり玉に挙げたのは、スタートアップ育成のための政府構想「グローバル・スタートアップ・キャンパス」実現に向けた基金だ。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)など世界規模の機関と連携し、人工知能(AI)など
ドキュメンタリー映像作家の大島新氏 ©文藝春秋 トラブルにつながる流れにはフジテレビ社員のA氏の関与が指摘されており、A氏の上には港浩一氏(前社長)がいて、港氏が出世した背景にもフジテレビの接待文化があったのではないかという指摘があるからだ。港氏の上には絶対的な日枝久氏がいる。つまりフジテレビ問題とは絶望的な権力勾配についても問われているのである。 この構図を頭に入れて動画での大島監督の言葉を紹介しよう。監督は日枝体制の象徴として、 「1点指摘したかったのが、そんなに大きく報じられたり疑問視されていませんでしたが、安倍晋三元総理の国葬がありましたよね。国葬の会場の中の司会ってフジテレビのアナウンサーがやっているんですよ」 と語り始めた。MCを務めた文藝春秋PLUS編集長は「ああ、そうだったんですか」という反応だったから、フジのアナウンサーが国葬の司会を務めたことは今となってはこれぐらいの認
国民に様々な不安をもたらしたマイナ保険証。拙速な推進を疑問視する声が相次ぐ中、約9000億円に及ぶ導入コストは一体、どこに消えたのか。ITベンダーや大手広告代理店、デジタル相が絡み合う利権の正体を解明する! ▶︎資格確認書5.5億円増 システム改修367億円 ▶︎平デジタル相がNTT迎賓館で3度接待を受けていた ▶︎障害連発 富士通は自民に1.6億円献金で700億円受注 港区・麻布十番のビルの一角にある会員制レストラン「KNOX(ノックス)」。NTTグループの幹部が接待に利用する“迎賓館”だ。ここに1人の政治家が初めて姿を現したのは、2019年2月18日のことだった。 当時、マイナンバー事業の受注に力を入れていたNTTグループ。IT政策通で知られる政治家に振舞われたのは、最上級の5万円コースだった。奇しくも当日は、彼の52歳の誕生日直前。小誌が入手していたKNOXの内部資料には〈お客様希望
国民民主党の浜口誠政調会長が関係する三つの政治団体が提出した政治資金収支報告書。「全トヨタ政治に参加する会」から計1億円の寄付を受けた=2024年11月29日午後2時35分、藤田剛撮影 連合傘下の主要な労働組合や関連政治団体が、自ら擁立・支援する立憲民主党と国民民主党の参院議員に対し、2023年に計約2億4000万円を寄付したことが、29日に総務省が公表した政治資金収支報告書で明らかになった。寄付額は国民民主の議員が計1億6482万円で、立憲議員の計7400万円を上回った。 自民党の「政治とカネ」の問題を受けた政治改革を巡っては、立憲が企業・団体献金の禁止を主張しているのに対し、国民民主は慎重姿勢を示し、野党間で対応が割れている。また、労組による直接寄付ではなく、関連政治団体を通じて寄付した場合は企業・団体献金とみなされず、規制の「抜け道」になるとの指摘も出ている。 連合傘下の労組は、主に
情報の利用における注意事項 シリーズ「自民支えた企業の半世紀」の報道で使用するデータは、官報を元にTansaが集計しました。約16万件ある全データのうち、単体で合計献金額の多い約500社を特定。これらについて社名変更・合併および子会社を以下の基準に基づき、統合しました。 ・最新の有価証券報告書に記載されている主要な子会社 ・最新の有価証券報告書の沿革に記載されている主要な合併および社名変更 ・有価証券報告書の提出がない場合、当該企業の公式ホームページの情報 ・その他複数の補助資料を確認し、同一である可能性が高いと判断できる場合 官報に記載の社名表記が完全に一致し、判別が困難なケースもあります。その場合は補助資料で確認した上で判断がつくもののみ統合しました。正しいデータになるよう精査していますが、官報掲載時に表記揺れや誤字脱字が確認できるものもあり、誤りや脱落がある可能性があります。 誤りに
東京都にある五輪選手村(中央区、現晴海フラッグ)や神宮外苑再開発(新宿区、港区)などの大型再開発を主導する三井不動産グループ2社に、都局長ら幹部14人が天下りしていたことがわかりました。いずれも小池百合子知事が肝煎りで進める事業です。14人のうち8人が再開発事業を所管する都市整備局の元幹部で、元局長2人が含まれます。癒着の根深さを裏付けています。 三井不動産には都市整備局(旧都市計画局)元局長ら12人、三井不動産レジデンシャルに2人が天下りしていました。局長級は「特任参与」、部課長級が「参与」「参事」などの役職で受け入れています。 元局長2人は都を退職後、都関連法人の社長・理事長を経て、石原慎太郎知事時代に三井不動産に“渡り”ました。都市整備局元建築指導事務所長は22年、三井系2社にかけもち天下りしていました。 五輪選手村用地は、三井不動産レジデンシャルを代表企業とする大手不動産11社に都
4日の参院予算委員会では、自衛隊の戦車やミサイル生産を受注する三菱重工業が自民党に政治献金し、経営幹部が政策に影響を与える防衛省の有識者会議のメンバーを務めていることを巡って、質疑が繰り広げられた。立憲民主党の辻元清美氏は、利害関係者を有識者会議に入れるのは控えた方がいいと追及。岸田文雄首相は「寄付によって左右されるものではないと考えている」と述べ、問題ないとの認識を示した。(川田篤志) 辻元氏は、防衛省、自衛隊の元幹部や大学教授ら計17人で構成する「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」のメンバーに三菱重工の宮永俊一会長を選んだ政府の対応を問題視。「防衛省と利害関係者じゃないか。企業のためにも利害関係者は入れない方が良い」と指摘した。首相は「実際に防衛産業に関わっている方から意見を聞くのは不自然ではない」と主張した。 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議 2022年12月に閣議決定した国
安倍派の池田佳隆衆院議員の逮捕などに関して、取材に応じる岸田文雄首相=1月7日午後、首相官邸 この記事の写真をすべて見る 集会への動員、党員集め、パーティー券購入。自民党の裏金問題で、政党と企業の関係が改めて注目されている。「昔も今も当たり前」という声の一方で変化も起きつつある。AERA 2024年1月29日号より。 【写真】強制捜査の夜にもパーティーを開いていた女性議員はこちら * * * 都内のある大手民間企業で働く40代の女性は、昨年、管理職になった。大学卒業後、順調にキャリアを重ねてきた。「ついに私も管理職か」と感慨深かったという。 新しい肩書になって数日後のことだ。女性は、オフィスの自席にふらりとやってきた総務部の若い男性社員から「これ、お願いします」と書類を渡されたという。 簡単なアンケートを求めるような、気楽な口調だったが、やや太字で印字された「自民党入党のお願い」という
田中泰延 @hironobutnk 【報道について】 本日発売の週刊誌で、154年前から93年前にかけて、私が配偶者ではない二十数名の女性に五十数名の婚外子を妊娠させ出産させたという報道がありました。当時傷つけてしまったA子さんB子さんC子さんD子さんE子さんF子さんG子さんH子さんI子さんJ子さんK子さんL子さんM子さんN子さんO子さんP子さんQ子さんR子さんS子さんT子さんU子さんV子さんW子さんX子さんY子さんZ子さんにとても申し訳なく思います。記事には事実と異なる部分もありますが、自分の未熟さを深く反省しています。A子さんB子さんC子さんD子さんE子さんF子さんG子さんH子さんI子さんJ子さんK子さんL子さんM子さんN子さんO子さんP子さんQ子さんR子さんS子さんT子さんU子さんV子さんW子さんX子さんY子さんZ子さんには何の落ち度もありません。私に対する様々なご意見は真摯に受け止
10月31日の参院予算委員会で立憲民主の蓮舫議員は「全ての基金事業を洗い直せば数兆円規模で返納させることができるのではないか」と指摘(PHOTO:共同通信) 国が積み立てた「基金」の残高がとんでもない額になっている。’22年度末の時点で、総額は約16兆6000億円だ。 【なぜ!?】河野大臣が絶賛…! 3000人の村に「10億円の交付金」… なぜ、基金の残高はこれほどまで膨らんだのか。こんな大金が使われずにたまっているなら、政府肝いりの「異次元の少子化対策」にあててはどうなのか。そもそも、国の基金は何のためにあるのか。 行政改革推進会議や財政制度等審議会の委員などを務める慶応大学経済学部の土居丈朗教授は、次のように説明する。 「基金は経済対策などの多年度にわたる事業に使うためにあり、独立行政法人や公益法人など省庁とは別の外郭団体につくられます。 国の予算は年度内に使い切るのが原則で、たとえば
国会議員が関係する政治団体の2021年分の政治資金収支報告書を調べたところ、430人の国会議員が代表を務める433の政党支部が、少なくとも1万2千の企業・団体から計約34億円の献金を受けていたことがわかった。総額の9割が自民の支部だった。企業・団体から政治家個人側への献金は癒着を防ぐため禁止されているが、政党支部への献金は規制外で「ルールの穴」だとの指摘がある。 【画像】企業団体献金のイメージ 朝日新聞はデータサイエンスの専門企業と協力し、公表済みのうち最新の21年分の報告書を調べた。対象としたのは、参院選直後の昨年8月時点で国会議員だった約700人について、総務相か、各都道府県の選挙管理委員会が公表した全報告書。人工知能(AI)の技術も用いながら、計約2万枚の政党支部の報告書を画像解析し、議員が代表を務める政党支部が企業・団体から献金を受け取っていたケースを抽出して内訳を整理した。記者に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く