日本国内で米兵が罪を犯した際の扱いなどを定めた法務省の資料について国立国会図書館が閲覧を禁じたのは違法として、ジャーナリストの斎藤貴男氏が16日、国を相手取り、資料の閲覧と110万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。 訴えによると、閲覧禁止となったのは「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」(72年法務省作成)。米兵の犯罪について、重要な案件以外は日本が裁判権を放棄する内容などが記されているという。 「他国との信頼関係が損なわれる恐れがある」という法務省の申し出を受けて、図書館側は08年6月に閲覧を禁止していた。斎藤氏は提訴後「権力が求めれば資料が出ないのでは困る」と話した。【銭場裕司】 ▽国立国会図書館の話 訴状を受け取っていないのでコメントできない。