世界で最も言論の自由があるとされる英国で、言論不自由の問題が浮上している。英政府の平等人権委員会委員長を務めていたトレバー・フィリップス氏(61)が「人種問題の議論を封印していた」と告白したためだ。反移民勢力の伸長やイスラム過激派の問題の根が、そこにあるという。同氏は「英国をひどく傷つけた」とわびたが、今度は危険人物として逆に批判されている。 フィリップス氏は、20年以上にわたり放送ジャーナリストとして活躍した後、ブレア労働党政権の「ニュー・レイバー(新しい労働党)」政策で目玉の一つだった人種の平等問題を2003年から12年まで担当した。ブレア政権は、多民族・多文化国家への転換を図り、04年から移民の受け入れを自由化した。 問題となったのは、3月16日付のデーリー・メール紙に掲載された「私たちが話すことを許されない人種についての爆発的な真実」と題する同氏の寄稿だ。他紙やテレビなどでも報じら