システム再構築のプロジェクトに一度でもたずさわった経験のあるITエンジニアであれば,移行の難しさを誰もが知っているであろう。純粋な新規のシステム開発であれば,移行は考慮する必要はないし,あったとしてもCSVやテキストデータの取り込み程度の場合が多い。しかし,現実のシステム開発の現場では,新規案件よりも既存システムの陳腐化対応としての再構築案件の方がはるかに多い。この再構築には必ず「システム構築の最大の難関」といわれる移行が立ちはだかる。この移行を成功させない限り,新システムの運用を開始することはできないので,避けて通るわけにはいかない。 ただし,RFPを作成する段階で移行に関する要求事項の詳細が分かるわけではない。移行に関する計画は現行システムと新システムの両方の仕様や構造を理解していないと立案することはできない。従って,要件定義,基本設計そして詳細設計と作業を進めていきながら,移行計画を