Jパワー(電源開発)が青森県大間町に建設中の大間原子力発電所を巡り、北海道函館市の住民らが同社と国に建設差し止めや損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、函館地裁であり、浅岡千香子裁判長は住民側の請求を棄却した。住民側は控訴する方針。 同原発は、使用済み核燃料から抽出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う「フルMOX」を計画。現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査を受けている途中だ。 判決では「運転開始のめどが立っておらず、重大事故が発生する具体的な危険性を直ちに認めることは困難だ」と指摘。「裁判所が規制委による審査や処分を待たずに安全性について判断することは相当ではない」とも述べた。 さらに、裁判所の判断は規制委の審査基準などに不合理な点がないかという観点でなされるべきだとしたうえで、合理性が裁判の争点の一つだった新規制基準について「不合理な点があると
朝市でズワイガニを品定めしたり、市電が走る港町を背景に自撮りしたり。中華圏の旧正月「春節」を迎えた2月中旬、北海道函館市はアジアを中心とした外国人観光客であふれていた。函館駅近くの居酒屋店員は「今では、海外客がいなくなったら店は成り立たない」と笑う。 そんな観光の街、函館市は2014年4月、津軽海峡を挟んだ大間原発(大間町)の建設差し止めを求め、国と電源開発を相手取って訴訟を起こした。大間原発から同市までは最短で23キロ。東京電力福島第一原発事故後、原発30キロ圏内の自治体は避難計画の策定が求められるようになり、大間原発が稼働すれば函館市も計画を立てなければならない。これに対し、市防災担当の井本剛志課長は、原発で重大事故が起きた事態を想定した住民避難の計画が立てられないことを、提訴理由のひとつに挙げる。 海岸部の道路は津波で浸水の恐れがあることを考えれば、「市民約26万人が避難する道路は、
冷たい海風が肌を刺す大間港。昨年10月、東北電力東通原発の30キロ圏内から集まってきた「避難者」は、緊張した面持ちでバスを降り、北海道・函館行きフェリーの乗船口に急いだ。 東通原発で重大事故が発生したと想定し、地元自治体など約90機関、約1500人が参加した県原子力防災訓練。むつ市大畑町の住民23人は、多くの住民避難を可能にするためとして避難計画に盛り込まれた定期フェリーを使った訓練に初めて臨んだ。 各地区に設けられた一時集合場所からバスに乗り込み、途中の教育施設で下車して放射性物質の汚染検査を受けてから、再びバスで大間港の函館行きフェリー乗り場に向かった。県の計画では、1時間半の船旅を経て函館市に着いた後、今度は青森行きフェリーに乗り換え、青森港を経由して黒石市などの避難所に向かう。集合場所から10時間以上かかる計算だ。 参加した上野町内会の和田栄…
青函トンネルの開業30周年に合わせ、JR北海道は10日、道内を訪れる観光客への感謝と更なる誘客を願って観光キャンペーンを展開した。函館駅など道南と青森の計4駅で、ご当地キャラクターが出迎えたり観光パンフレットや記念品を配ったりした。 新函館北斗駅では、地元の観光関係者らが横断幕を広げて新幹線の乗客を大歓迎。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋線も開業30周年を迎えることから、同線宇多津駅の駅長も駆けつけて出発イベントを盛り上げた。 新函館北斗駅では青函トンネルの建設の様子を伝えるパネル展もあり、19年間にわたり掘削工事に従事した福島町の角谷(かどや)敏雄さん(82)が解説。異常出水や高温多湿と闘いながら「先進導坑」を掘り進めた難工事を紹介し、「梅干しや酢を口に含んで頑張った。あれから30年……。事故で犠牲になった仲間を思うと感無量です」と話した。(阿部浩明)
本州と北海道を結ぶ青函トンネルが開業して、13日で30年になる。2016年3月からは北海道新幹線が走り始め、津軽海峡の風景は様変わりした。人とモノが行き交う海底の「大動脈」は、老朽化にあらがいながら、新幹線の高速化や通話環境の改善に挑む。 かつて海峡を行き来した青函連絡船が開業したのが明治41(1908)年3月7日。110年にあたる7日午前10時、第1船が出港した時刻に合わせ、函館市のふ頭に係留されている引退した「摩周丸」の汽笛が鳴らされ、湾内に響いた。 連絡船廃止で輸送の主役となった青函トンネルは、88年の開業時には輸送人員が300万人を超えたが、その後は100万人台に低迷。だが、16年度は新幹線開業で200万人台を回復し、息を吹き返した。 青森県では17年の外国人宿…
津軽海峡の向こうに下北半島を望む斜面には、3ヘクタールのブドウ畑が広がっていた。北海道南部の北斗市文月。昨年9月に訪れると、ブドウの木の下にはクローバーなどの草がびっしり生えて、コオロギの鳴き声が響いていた。 「除草剤や化学合成農薬は使いません。土を無力化するので」。そう語るのは佐々木賢(39)…
函館、国内初のコミュニティ放送局25年 函館市にある国内初のコミュニティ放送局=キーワード=「FMいるか」(80・7メガヘルツ、宮脇寛生局長)が、開局25周年を迎えた。函館山ロープウェイが運営し、地域に寄り添ったきめ細かな情報を提供し続けてきた。とりわけ力を発揮するのは、災害時の緊急放送だ。 2004年9月、台風18号による暴風と高波が道内を襲い、死者・行方不明者が9人にのぼった。「FMいるか」のチーフディレクター斉藤正樹さん(42)は、この時を忘れられない。 台風接近の段階から災害放送の態勢をとり、スタッフが泊まり込みで気象情報などを流した。だが放送が一時中断してしまった。暴風雨によって、函館山山頂にある通信機が停電したのだ。当時入社6年目だった斉藤さんは同僚と2人で倒木をかき分けながら山頂に登って自家発電機を稼働させ、燃料を補充しながら山頂で2晩過ごした。 「台風18号は、FMいるかに
北海道八雲町のJR函館線八雲駅で、停車した特急列車のドア1カ所が開かず、少なくとも乗客2人が降りられなかったことがわかった。JR北海道によると、ドアが凍結していたためとみられる。 同社によると、特急は札幌発函館行きのスーパー北斗24号(7両編成)。19日午後10時半ごろ、八雲駅に到着し、車掌がドアの開閉ボタンを押したが、7両目のドア1カ所が開かなかった。同駅を発車後、乗客2人から「ドアが開かず、降りられなかった」と申告があり、次の停車駅の森駅(森町)で目的地向けにタクシーを手配した。 車掌は、ドアが開いたことを示すランプが点灯していたことから、異常に気づかなかったという。凍結が原因とみられるドアの異常は年1回程度あるといい、同社広報部は「車掌が目視で全車両のドアの開閉を確認するのは難しい」と説明している。(戸谷明裕)
身近な「なぜ」を本などを手がかりに探究してまとめる「図書館を使った調べる学習コンクール」の表彰式が先月18日、函館市中央図書館であった。多彩なテーマに迫った力作ぞろいで、丹羽秀人館長は「興味を持って調べればもっといろんなことが発見できる」と新たな挑戦を期待した。 中央図書館は、子どもたちに知的好奇心や洞察力を育んでもらおうと今年初めて「小学生の部」でコンクールを開催した。函館市や近郊の小学校24校から計49作品の応募があり、22作品が入賞した。 道教大付属函館小2年、佐藤由希菜さんの「みんなでたべよう おいしいかきごおり」は、大好きなかき氷をきっかけに氷の世界に関心を広げた作品。透明な氷を作る実験をしたり、五稜郭の外堀で生産した天然氷が外国船で運ばれ、横浜で売り出された歴史を調べたりした。 青柳小3年の松石悠生くんは…
てんでんこ 皇室と震災・第3部10 マグニチュード7・8で、死者・行方不明者230人を出した1993年7月12日発生の北海道南西沖地震。震源に近い奥尻島では、最大29メートルに達した津波や火災などで198人の死者・行方不明者が出た。 対岸の江差町内の檜山支庁(当時)で働いていた渡部和正(わたなべかずまさ)さん(69)は、同町の公宅で震災に遭い、すぐさま庁舎へ駆けつけた。管内の自治体から被害状況の報告を受けたが、奥尻町だけはしばらく連絡がつかなかった。 翌午前3~4時ごろ、島の青苗地区で火災が起きていると知った。地震と津波、大火災。町長だった故・越森幸夫(こしもりゆきお)さんは「奥尻は終わったと思った」と後日語ったという。 発生から16日目の同月27日、天皇、皇后両陛下は奥尻島を訪れることになる。 「安全面は大丈夫なのか」…
北海道函館市大船町にある「渡島管内さけ・ます増殖事業協会」の大船ふ化場で25日朝、腹を裂かれた大量のサケが捨てられているのを職員が見つけた。同協会が26日に明らかにした。 同協会によると、太平洋から大船川を遡上(そじょう)したサケが集まる捕獲場から96匹の雌サケが鋭い刃物のようなもので腹を切り裂かれ、近くの大船川に捨てられていた。盗まれた卵は77キロはあったとみられ、被害額は約60万円に上るという。24日夕方に職員が見回ったときには異常はなかった。 同協会が管理する八雲町の遊楽部(ゆうらっぷ)川の捕獲場でも9日朝に雌サケ25匹の卵20キロ(約15万円)が被害に遭ったという。同協会の柳元孝二専務理事は「道南のサケの遡上はこれから最盛期を迎えるので心配だ」と話している。 岩内町でも24日に約170匹の雌サケが鋭い刃物のようなもので腹を切り裂かれ、卵が抜き取られる被害が判明し、岩内署が窃盗事件と
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