日米首脳会談後の共同記者会見を終え、会場を出るトランプ米大統領(左)と安倍晋三首相=東京・元赤坂の迎賓館で2017年11月6日、高本耕太撮影 安倍晋三首相を支持する人々は一種の「ファンタジー」を信じている--。そう分析するのは、著書「永続敗戦論」で知られる政治学者の白井聡さん(40)だ。安倍政治の今を読み解いてもらった。【石塚孝志】 対米従属どこまで 米国に支配されているとの事実から目を背け、自発的に従属を続ける戦後日本の姿を「永続敗戦」というキーワードで論じてきた白井さん。4月には「国体論 菊と星条旗」(集英社新書)を著し、戦後日本が、天皇(菊)に代わって米国(星条旗)を頂点とする「国体」構造を抱えていると指摘した。 その問題が顕著に表れているのが、沖縄の米軍基地だ。冷戦時には日本の防衛のためだとされた基地の存在理由は「自由世界の防衛」「中国の脅威」などと変遷していく。それはなぜなのか。