教員の時間外労働に残業代が支払われていないのは違法だとして、埼玉県内の市立小学校の男性教員(59)が9月25日、約242万円の未払い賃金の支払いを求めて、さいたま地裁に提訴した。 平日の仕事終わり、中高生でにぎわう埼玉県内のファミレスで原告の田中さん(仮名)に話を聞いた。「ここにも教え子たちがいるかもしれませんね。皆成長していて、声をかけられて気づくことも多いんですけどね」。教員歴約38年という田中さんは、今年度で定年退職を迎える。 これまでも教員の時間外労働への残業代を求めた裁判があり、教員側が敗訴してきたことは知っている。今回の提訴にあたっても、複数の弁護士に「勝てないだろう」と言われた。それでも「次の世代に無賃残業を引き継いではいけない」との思いから、現役教員最後の年に訴訟を起こすことを決めた。 「教員は残業が無賃なんです。公務員の中でも、なぜ教師だけ仲間はずれなのでしょうか。この現
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