タグ

ブックマーク / www.ik-law-office.com (44)

  • 管理監督者52 年収約1100万円の従業員の管理監督者性(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。 今日は、年収約1100万円の従業員の管理監督者性に関する裁判例を見てみましょう。 スター・ジャパン事件(東京地裁令和3年7月14日・労判ジャーナル117号42頁) 【事案の概要】 件は、Y社と労働契約を締結して就労している従業員Xが、Y社に対し、平成28年6月から令和元年11月までの期間における時間外労働、深夜労働及び休日労働に対する割増賃金の不払がある旨を主張して、Y社に対し、労働契約に基づき、未払割増賃金等の支払を求めるとともに、労働基準法114条に基づき、付加金等の支払を求めた事案である。 【裁判所の判断】 未払割増賃金請求認容 付加金等請求棄却 【判例のポイント】 1 Xの管理監督者性について、経営上重要な事項の決定、採用、人事考課、業務の割当て、労働時間の管理のいずれについてもXの権原や影響力は限定的なものであったといわざる

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2022/03/01
    "Xの待遇について、給与が年収1080万円ないし1170万2220円と比較的高額であることを考慮しても、Xが管理監督者に該当するとは認められない。"
  • 賃金221 タイムカードの代行打刻と降格・懲戒解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、タイムカードの代行打刻と降格・懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。 ディーエイチシー事件(東京地裁令和3年6月23日・労判ジャーナル117号52頁) 【事案の概要】 件は、Y社の従業員であったXが、Y社に対し、①平成30年5月1日付けでされた降格の懲戒処分及びその後にされた減給、並びに、同年7月2日付けでされた懲戒解雇がいずれも無効であるとして、雇用契約に基づき、件減給前の賃金月額124万円で計算した同年7月支給分の未払賃金残額3万4571円、同月額で計算した同年8月支給分からXがY社を定年退職となる令和元年11月20日までの未払賃金合計1984万円(124万円×16か月=1984万円)、平成30年12月及び令和元年6月に208万円ずつ支給されるはずであった未払賞与合計416万円、及び、上記各元に対する各支払期日の翌日から同年11月25日ま

  • セクハラ・パワハラ65 パワハラの調査過程に違法が認められた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、幼稚園の園長のパワハラ行為は否定されたが、被告の調査過程に違法が認められた事案を見ていきましょう。 京丹後市事件(京都地裁令和3年5月27日・労経速2462号15頁) 【事案の概要】 件は、Y市に任用され,幼稚園の教諭として勤務していたXが、①平成27年度に勤務していたa幼稚園のB園長からパワーハラスメントに当たる言動等を受けたこと、②Y市が、上記パワハラについて適切な調査を怠ったこと、③上記パワハラの証拠としてY市に提出したXの日記のコピーを、Xの承諾なく、Y市職員によって複製され、また、市長以外の者に閲覧され、さらに、地方公務員災害補償基金京都支部及びB園長に交付されるなどしたこと、④Y市職員に対し、同日記のコピーの返還を求めたが、返還してもらえなかったことにより、うつ病を発症し、又はうつ病が悪化したなどと主張して、安全配慮義務違反による債務不履行又は国

  • 労働時間75 通勤時間、朝礼時間、休憩時間の労働時間性(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。 今日は、未払賃金等支払請求と通勤時間等の労働時間性に関する裁判例を見てみましょう。 オーイング事件(福井地裁令和3年3月10日・労判ジャーナル112号54頁) 【事案の概要】 件は、Y社と雇用契約を締結して労務を提供していたXら12名が、Y社に対し、雇用契約に基づく賃金支払請求権に基づいて、未払賃金等の支払を求めるとともに、付加金請求権に基づいて、付加金等の支払を求め、さらに、不法行為に損害賠償請求権に基づいて、それぞれ100万円等の支払を求めた事案である。 【裁判所の判断】 未払賃金請求一部認容 損害賠償請求棄却 【判例のポイント】 1 各集合場所と高浜発電所の間のY社社有車の移動時間については、Xらは、他の従業員を乗せて社有車の運転を行う場合もあったとはいえ、社有車内で業務を行うことはなかったことからすると、自家用車等で通勤する場

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/11/08
    車内で業務遂行がなければ"自家用車等で通勤する場合と差異はない"/休憩時間は"直ちに対応することが義務付けられており、労働からの解放が保障されているとはいえず"
  • 解雇351 コロナ禍での業務転換・縮小を理由とする整理解雇(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、コロナ禍での業務転換・縮小を理由とする整理解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。 森山(仮処分)事件(福岡地裁令和3年3月9日・労判1244号31頁) 【事案の概要】 件は、Y社に雇用されバス運転手として勤務していたXが、業務縮小を理由としてY社に解雇されたところ、当該解雇権の行使は合理的理由を欠き無効であるから、Xは労働契約上の権利を有する地位にあると主張して、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに賃金の仮払いを求める事案である。 【裁判所の判断】 解雇無効 →賃金仮払い認容 【判例のポイント】 1 債務者(会社)は、新型コロナウイルス感染拡大によって、令和2年2月中旬以降、貸切バスの運行事業が全くできなくなり、同年3月中旬にはすべての運転手に休業要請を行う事態に陥ったこと、同年3月の売上は約399万円、同年4月の売

  • 労働時間73 セミナー受講の労働時間性と受講料返還請求の可否(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、セミナーの受講料返還請求に関する裁判例を見てみましょう。 ダイレックス事件(長崎地裁令和3年2月26日・労判1241号16頁) 【事案の概要】 件甲事件は、Y社の従業員であったXが、平成26年7月2日から平成28年8月31日まで、時間外労働等を行ったと主張して、労働契約に基づいて、Y社に対し、割増賃金260万0026円+遅延損害金の支払を求めると共に、労基法114条に基づいて、Y社に対し、付加金179万0414円+遅延損害金の支払を求める事案である。 件乙事件は、Y社において、①XがY社に在職中である平成24年4月25日から平成27年8月19日までに聴講したセミナーの受講料について、Y社との間で、平成24年3月11日、受講から2年以内にY社を退職した場合にはY社にこれを支払う旨を合意したところ、平成28年10月2日にY社を退職したと主張して、無名契約たる上

  • 管理監督者47 カフェ部門従業員の管理監督者性(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、カフェ部門従業員の管理監督者性に関する裁判例を見てみましょう。 andeat事件(東京地裁令和3年1月13日・労判ジャーナル111号46頁) 【事案の概要】 件は、Y社の従業員であったXが、時間外労働についての割増賃金の未払があるなどとして、Y社に対し、雇用契約に基づき、割増賃金合計1246万9252円+遅延損害金、並びに、労基法114条に基づく付加金請求として640万6611円+遅延損害金の支払を求める事案である。 【裁判所の判断】 Y社は、Xに対し、1029万6845円及びうち954万3690円に対する令和元年6月1日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。 Y社は、Xに対し、609万1044円及びこれに対する判決確定の日の翌日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 【判例のポイント】 1 Xは、カフェ部門のシフトの作成や件店

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/08/19
    "金額見てください。管理監督者性が肯定されることはもうあきらめたほうがいいですよ。雇用でいくのであれば、無駄な仕事を減らし、労働時間を短くし、残業代を支払う。これが王道です。"
  • 管理監督者性46 統括バイヤーの管理監督者性+職務手当の固定残業代としての有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、統括バイヤーの管理監督者性と未払割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 石田商会事件大阪地裁令和2年7月16日・労判1239号95頁) 【事案の概要】 件は、日用雑貨、料品、書籍雑誌、服飾雑貨、タバコ、酒類の販売等を目的とするY社の従業員であったXがY社に対し、労働契約に基づき、未払時間外、休日及び深夜割増賃金計346万3286円+遅延損害金、労基法20条1項に基づき、解雇予告手当の一部である21万9519円+遅延損害金の各支払を求める事案である。 【裁判所の判断】 Y社は、Xに対し、267万4781円+遅延損害金を支払え。 Y社は、Xに対し、5万0032円+遅延損害金を支払え。 Y社は、Xに対し、4万5601円+遅延損害金を支払え。 【判例のポイント】 1 Xは、Y社における4番目のポジションである統括バイヤーとして、どのような商品をどの程度仕

  • 賃金214 業務手当は固定残業代?(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。 今日は、業務手当の割増賃金該当性に関する裁判例を見てみましょう。 ライフデザイン事件(東京地裁令和2年11月6日・労判ジャーナル109号46頁) 【事案の概要】 件は、Y社の元従業員Xが、Y社に対し、雇用契約に基づき、未払割増賃金等の支払を、また、Y社の代表取締役であったCに対し、会社法429条に基づき、Y社と連帯して、同額の賠償金の支払、Y社に対し、労基法114条に基づき、上記割増賃金と同額の付加金等の支払いを求めた事案である。 【裁判所の判断】 一部認容 【判例のポイント】 1 Y社及びCは、業務手当が割増賃金の趣旨で支払われたものであると主張するが、Xが在職していた当時に就業規則や賃金規程は存在しなかったところ、労働条件通知書や採用内定通知書といった雇用契約の内容が記載された書面では、単に固定給として月30万円が支払われるとされた

  • 賃金213 固定残業代が有効と判断される場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、固定残業手当と未払割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 フーリッシュ事件大阪地裁令和3年1月12日・労判ジャーナル110号24頁) 【事案の概要】 件は、Y社の元従業員Xが、Y社に対し、未払割増賃金等の支払及び付加金等の支払を求めた事案である。 【裁判所の判断】 一部認容 【判例のポイント】 1 出勤時刻及び退勤時刻について、出退勤時にタイムカードを打刻していたことが認められるから、基的にタイムカードの打刻時刻をもってXの出勤時刻及び退勤時刻と認めるのが相当であり、始業時刻について、Xは、所定の始業時刻より前の時間についても労働時間に当たると主張するが、Y社がXに対して早出を命じていたと認めることはできないから、Xが午前6時30分より前に出勤した場合の出勤時刻から所定労働時刻である午前6時30分までの間は労働時間と認めることはできないが、ただし

  • 賃金213 固定残業制度が有効と判断される場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、固定残業代の合意と未払時間外割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 KAZ事件大阪地裁令和2年11月27日・労判ジャーナル109号34頁) 【事案の概要】 件は、Y社の従業員であったXが、Y社に対し、①雇用契約に基づき、平成28年11月1日から平成30年8月31日までの未払の時間外割増賃金429万0085円+遅延損害金の支払を求めるとともに、②労働基準法114条に基づき、付加金370万5074円+遅延損害金の支払を求めた事案である。 【裁判所の判断】 Y社は、Xに対し、362万2460円+遅延損害金を支払え Y社は、Xに対し、付加金297万1771円+遅延損害金を支払え。 【判例のポイント】 1 Y社は、調整手当のうち5万5000円は、1日10時間、1か月26日の就労を前提に、1日8時間を超える2時間の就労に対し、時給1000円を基準に事休憩20

  • 賃金211 固定残業代が無効と言われる場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、固定残業制度に関する裁判例を見てみましょう。 アクレス事件(東京地裁令和2年10月15日・労判ジャーナル108号28頁) 【事案の概要】 件は、Y社と労働契約を締結し就労していたXが、Y社に対し、労働契約に基づき、未払賃金、未払割増賃金、未払退職金及び付加金等の支払を求めた事案である。 【裁判所の判断】 未払賃金等請求は一部認容、未払退職手当等請求は棄却 【判例のポイント】 1 Y社は、Xが管理監督者に該当する旨主張するものの、Xが実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるような重要な職務と責任、権限を付与されているか、自己の労働時間について裁量を有しているか、管理監督者としての地位や職責にふさわしい賃金等の待遇がなされているか等について具体的な主張をしておらず、その他件に現れた一切の事情を考慮しても、Xが労基法41条2号の管理監督者に該当するとは認められ

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/06/17
    "何時間分の残業代が基本給に含まれているのかを明示する部分はない" "勤務を開始してから相当期間が経過した後に被告が記載したもの(中略)固定残業代とする旨の合意をしたことが推認されるとはいえない"
  • 不当労働行為262 組合員の人事異動と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡) | 栗坊日記

    おはようございます。 今日は、組合員を廃棄物の収集運搬をするコースドライバーから廃棄物の仕分業務に人事異動したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。 上田清掃事件(京都府労委令和元年9月18日・労判1232号102頁) 【事案の概要】 組合員を廃棄物の収集運搬をするコースドライバーから廃棄物の仕分業務に人事異動したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。 【労働委員会の判断】 不当労働行為にあたる 【命令のポイント】 1 A組合員は平成5年の入社以来コースドライバー業務に従事してきたことが認められ、このように長年同一の業務に従事してきた労働者を、それとは異質の業務に異動することは、それ自体不利益性を有すると認められるところ、件人事異動後のA組合員の業務にはドライバー業務も含まれているが、これは、仕分後の資源物を近隣の回収業者に搬入するだけの業務であって、また、主たる業

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/04/22
    "長年同一の業務に従事してきた労働者を、それとは異質の業務に異動することは、それ自体不利益性を有すると認められる"/"本社から離れたほとんど他に従業員がいない現場作業所での単純作業への異動"
  • 賃金52(株式会社乙山事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 さて、今日は、タクシー会社を退職した社員からの割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 株式会社乙山事件(東京地裁平成24年3月23日・労判1054号47頁) 【事案の概要】 Y社は、タクシー事業等を営む会社である。 Xは、Y社の従業員であった者である。 Xは、Y社を退職後、未払割増賃金を請求した。 【裁判所の判断】 約1200万円の未払割増賃金請求に対して、約105万円の支払いを命じた 付加金として50万円の支払いを命じた 【判例のポイント】 1 労基法上の労働時間とは、労働者に実際に労働させる実労働時間、すなわち「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいうものと解されるところ、その判断は、(1)当該業務の提供行為の有無、(2)労働契約上の義務付けの有無、(3)義務付けに伴う場所的・時間的拘束性(労務の提供が一定の場所で行うことを余儀なくされ、かつ時

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/04/01
    内勤制度が発足し確立していた/代表者は会う度毎に退社を促していた/そもそも繁忙状態を生じさせるようなものではなく/この裁判例は、残業の必要性を否定。使用者側がやるべきこととして参考になる判例。
  • 賃金55(アクティリンク事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 さて、今日は、不動産会社元従業員による割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 アクティリンク事件(東京地裁平成24年8月28日・労判1058号5頁) 【事案の概要】 Y社は、不動産売買、賃貸、管理およびこれらの仲介業を目的とする会社である。 Xらは、Y社の元従業員である。 Xらは、Y社に対し、雇用契約に基づく賃金請求として、時間外労働に対する割増賃金の支払を求めた。 【裁判所の判断】 X1につき、Y社に対し約278万の未払残業代及び275万円の付加金の支払いを命じた。 X2につき、Y社に対し、約193万円の未払残業代及び190万円の付加金の支払いを命じた。 【判例のポイント】 1 労基法37条5項及び労基法施行規則21条所定の手当は、いずれも除外賃金とされているが、除外賃金に該当するか否かは、名称に関わりなく実質的にこれを判断すべきである。住宅手当が除外賃金と

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/31
    "(条件(1))は勿論、支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が明示され、時間数を超えて残業が行われた場合には別途精算する旨の合意が存在するか、そうした取扱いの確立が必要不可欠
  • 賃金57(トレーダー愛事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 さて、今日は元従業員による未払賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。 トレーダー愛事件(京都地裁平成24年10月16日・労判1060号83頁) 【事案の概要】 件は、Y社に雇用されていたXが、Y社に対し、未払賃金、時間外手当および付加金の支払を請求した事案である。 Y社は、冠婚葬祭やそれに関連する諸分野を中心に事情を展開する会社である。 Xは、ホテルにおいてフロント(宿泊)担当として勤務していたところ、平成22年5月から、件ホテルを買収したY社との間で労働契約を締結し、件ホテルでの勤務を継続した。 件の争点は、成果給が時間外手当にあたり、割増賃金の基礎賃金から除外されるかという点である。 Y社の就業規則及び給与規程において、成果給を時間外手当とし、割増賃金を計算する基礎賃金にも含まれないことが明記されており、この就業規則や給与規程は、Xに交付されている。そ

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/30
    基本給と成果給(時間外手当)の割り振りが不相当/性質の異なるものを成果給の中に混在させている/よほど長時間の労働をしない限り時間外手当が発生しない仕組みになっている/Y社の賃金体系は不合理
  • 賃金61(ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう!! さて、今日は、元料理人からの賃金減額分差額請求と割増賃金請求に関する裁判例を見てみましょう。 ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件(札幌高裁平成24年10月19日・労判1064号37頁) 【事案の概要】 Y社は、北海道の洞爺湖近くで「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」を経営する会社である。 Xは、平成19年2月、Y社との間で労働契約を締結し、平成21年4月までの間、件ホテルで料理人又はパティシエとして就労していた。 Y社は、Xの賃金を減額した。 Xは、賃金減額が不当である旨の抗議などはせず、文句を言わないで支払わせる賃金を受領していたところ、平成20年4月になって、Y社から、労働条件確認書に署名押印するよう求められた。 Xは、この書面に署名押印し、会社に提出した。 Y社は、その後、さらに賃金減額の提示をした。 Xは、

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/25
    [労働[判例]"無下に拒否して経営者の不評を買ったりしないよう、その場では当たり障りのない応答をすることは往々にしてあり得る""そこまでするくらいなら文句を言わないで済ませるという対応も往々にしてあり得る"
  • 賃金72(CFJ合同会社事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 さて、今日は、業務遂行能力不足を理由とする降格・賃金減額に関する裁判例を見てみましょう。 CFJ合同会社事件大阪地裁平成25年2月1日・労判1080号87頁) 【事案の概要】 件は、Y社の従業員であるXが、Y社に対して、Y社がした降格及びこれに伴う賃金の減額が人事権の濫用に当たり無効であるなどと主張して、主任職の地位確認及び賃金減額前と賃金減額後の差額賃金の支払を求める事案である。 【裁判の判断】 降格は有効 役職手当3000円の減額は有効であるが、基給の減額は無効 【判例のポイント】 1 Xは、顧客に対する対応及びその後の対応に問題があったとして、平成19年6月16日付で係長代理から主任職への1階級降格処分(懲戒処分)を受け、件降格までの間、数度の研修を受けているにもかかわらず、再三にわたり、Y社から顧客対応に関して注意書等により注意指導を受けている。同事実

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/24
    最も重要な労働条件の一つである賃金額については、就業規則や賃金規程等に明示されるか、労働者の個別の合意がないまま、使用者の一方的な行為によって減額することは許されない/運用基準を明らかにすべき
  • 賃金80(X薬局事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!! さて、今日は、事実審の口頭弁論終結時までに使用者が未払割増賃金の支払を完了した場合と裁判所が付加金の支払を命ずることの可否に関する最高裁判決を見てみましょう。 X薬局事件(最高裁平成26年3月6日・判タ1400号97頁) 【事案の概要】 件は、Y社が、訴として、Xを相手に、Y社に対する未払賃金債務が173万1919円を超えて存在しないことの確認を求め、Xが、反訴として、Y社を相手に、未払賃金の支払等を求めるとともに、労基法37条所定の割増賃金の未払金に係る同法114条の付加金の支払いを求める事案である。 第1審は、Xの反訴に係る未払割増賃金請求につき、173万1919円及び遅延損害金とともに、付加金86万5960円及び遅延損害金を認める判決をした。 Y社は、控訴した上で、控訴審の口頭弁論終結前に、Xに対し、未払割増賃金全額(

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/23
    "一審で敗訴し、付加金の支払を命じられた場合には、控訴し、控訴審の口頭弁論終結時までに未払賃金を全額支払えば、付加金の支払は免れられます。" 付加金だけは払わなくて済むテクニック
  • 賃金81(TBCグループ事件) | 栗坊日記

    おはようございます。 さて、今日は、適格性欠如を理由とする降格・手当等減額の有効性に関する裁判例を見てみましょう。 TBCグループ事件(東京地裁平成25年8月13日・労判1087号68頁) 【事案の概要】 件は、Y社の総務部長および関東地区の営業部を統括するゼネラル・マネージャーを兼務していたXが、Y社からゼネラル・マネージャーの職を解かれたうえ、出向を命じられ、その後も他社へ異動を命じられ、同時に部長職から課長Ⅱ職に降格され、さらに係長Ⅰに降格されたことに伴い、役職手当および職務給、調整手当を減額されたことに対して、これらの減額は無効であり、賞与算定に際して行われた人事評価が違法であって不法行為に当たると主張して、Y社に対して、支給されるべき給与および賞与との差額合計1318万3500円ならびに退職日まで6%の遅延損害金合計73万2091円および退職後から支払済みまで14.6%による遅

    sawarabi0130
    sawarabi0130 2021/03/23
    適格性欠如を理由とする降格・手当等減額の有効性に関する裁判例