人里離れた山あいにある施設に集団で生活する障害者――。昨年7月に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件は、こうした実像を浮き彫りにした。障害者が暮らす場を施設から地域へ移す流れは、どうなっているのか。 大阪府南部にある富田林市の近鉄富田林駅から自動車で20分ほど走ると、金剛山をのぞむ山林に囲まれた広大な敷地が広がる。面積は約82万平方メートル。東京ディズニーランドの1・6倍にあたる。 敷地内に点在する7棟の施設に、42人の子どもを含む408人の知的障害者らが暮らしている。職員が「最寄りのコンビニまで約3キロ」と言う場所にあるのが、「こんごう福祉センター」だ。 3月末、敷地の大半を占める居住区域である「大阪府立金剛コロニー」が閉鎖された。代わりに今月1日、コロニーを運営してきた大阪府障害者福祉事業団が、介護の必要性の高い高齢者に対応した施設「にじょう」を60人の定員で開所し
時間かけ指導、将来は伝統産業の担い手に 知的障害などのある人が働く福祉施設「西陣工房」(京都市北区)は、利用者が手作業で西陣織や京くみひもを製造している。施設長で伝統工芸士の河合隆さん(60)が「箱折りやシール貼りなどの簡単な作業ではなく、やりがいのある仕事を」との思いから2004年に開所し、指導にあたっている。「ゆっくりと時間をかければ、将来は伝統工芸士も夢ではない。誇りの持てる技術を身につけてほしい」と願っている。【国本ようこ】 現在、10代~70代の24人が、組ひもや手織りによる機織りなどを担当。絹糸を使った組ひもではストラップ、機織りではショールや名札入れ、がま口などのオリジナル商品を300円から製作・販売している。
「避難できる避難所が見つからず不安になった」「障害者は事実上(支援の輪から)排除されている」--熊本地震発生から1年。現地で障害者やその支援者を訪ねると、口々に被災後に直面した困難を語ってくれた。大規模災害発生時、障害者にはどのような支援が必要なのか? 当事者の声を集めた。【写真映像報道センター・後藤由耶】
東京都品川区と大阪市は、成年後見制度が始まった当初から地域連携の仕組みを作ってきた先進地域だ。「認知症700万人時代に備える(PART2)」では両モデルを紐解き、持続可能な仕組みを、品川モデル、品川モデル・キーマンインタビュー、大阪モデルの3回に分けて探る─。 社協主導の「品川モデル」 「狭い部屋で、お茶も出さないですみませんねえ。足は崩して伸ばしてくださいね。いやあ、いつもほんとに皆さんにこうして助けて頂いて、この歳になっても幸せな毎日が送れています」 東京都品川区在住の村田昭江さん(仮名、93歳)は、柔和な笑顔で記者を4畳半ほどの自室に招き入れてくれた。アルツハイマー型の認知症を患っているが、子どもはなく、10年前に夫を亡くして以来、一人暮らし。近くに親族もいない。 こうした独居高齢者を孤立させないため、品川区の社会福祉協議会(社協)は区の高齢者福祉課などと情報を共有しながら、生活の支
賀茂地域6市町の社会福祉協議会は30日、成年後見事業の業務協定の調印式を下田市民文化会館で開いた。弁護士や司法書士などの資格を持たない第三者による「市民後見人」の育成などを共同で実施する。静岡県社協によると、市町の枠を超えた協定は全国で初めて。 高齢化率の高い賀茂地域で深刻な市民後見人不足への対応が目的。県社協によると、賀茂地域全体の市民後見人は現在16人。 下田市社協が中心になり、研修の開催や活動の支援などを行う。5町の社協も町民や医療関係者らからの相談に応じたり成年後見制度の啓発を行ったりして制度の利用促進を図る。弁護士や社会福祉士などの専門職からも支援を受ける。 式典で6社協の会長らが協定書に署名した。同市社協の高橋忍会長は「後見人不足はずっと不安だった。高齢者が安心して暮らせるように地域一丸となって取り組みたい」と抱負を語った。 立会人を務めた県社協の神原啓文会長は「全国に先駆けた
すみれ第1の室内。「のん気、根気、元気」がモットーで、このほど「憩」という色紙も飾った NPO法人精神障害者回復者クラブすみれ会(宮岸真澄理事長、札幌市)のすみれ共同作業所が昨年12月、設立30周年を迎えた。1986年12月に精神障害の当事者のみで運営する全国初の共同作業所として産声を上げ、「あずましい場」(北海道の方言で「居心地の良い場」)を求め続けてきた。 作業所は現在、地域活動支援センターすみれ第1とすみれ第2に分かれ、それぞれ1日10人超が通う。第1の所長はすみれ会の副理事長も務める石山貴博さん(52)。精神科病院での患者仲間を通じて13年前にすみれ会に通い始めた。 第1の職員は石山さんを含めて6人。全員がもともと精神障害の当事者として通っていた人で、勤務形態は土日に加えて平日も1日休む週休3日制だ。 石山さんは「今でこそ当事者同士の助け合いが『ピアサポート』などともてはやされるが
呼吸器を装着する重症児もいる 現在、全国の重症心身障害児は推計4万人余りと、50年前の約2・5倍に増えています。入所者のうち「大島の分類1〜4」に該当する「狭義の重症児者」は、1万5000人程度です。したがって、入所の約2倍近い、少なくとも2万6000人が在宅で暮らしていることになります。 実は、公法人立の重症児施設は、在宅の重症児者支援に1970年代前半から、一貫して努力してきました。 社会福祉法人旭川荘が運営する重症児施設「旭川児童院」では、71年に「心身障害児(者)巡回療育相談事業」を全国に先駆けて始めました。児童相談所のケースワーカーと共に、旭川児童院の医師や保育士などが一軒一軒、自宅を訪問し、在宅で暮らすための助言を行うものです。 77年から「緊急一時保護入院」(のちの短期入所)を、89年から「重症児通園モデル事業」を全国5カ所の一つとして手がけており、のちに制度化されました。
障害者施設で火災、3人死亡=入居者「火を付けた」-愛媛 12日午前1時5分ごろ、愛媛県松野町豊岡の障害者支援施設「共同生活事業所ひだまりIII」から「黒煙が上がっている」と、付近を車で通行中の男性から110番があった。約1時間半後に消し止められたが、鉄骨平屋建て約180平方メートルが全焼した。焼け跡から入居者とみられる男性2人、女性1人が遺体で見つかった。 県警宇和島署によると、この施設に入居する40代の女性が「自分が火を付けた」と話しており、任意で詳しい事情を聴いている。(2017/03/12-09:20) 【社会記事一覧へ】 【アクセスランキング】
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