伝統工芸、新たな担い手に=障害者ら技術磨く-京都 西陣織制作工程の「糸繰り」をする男性=4月19日、京都市北区 後継者不足が深刻化する京都の伝統工芸の世界で、障害者が活躍している。西陣織や和ろうそくなど、職人の技の習得に特性を生かしながら挑み、伝統の新たな担い手として期待されている。 障害者施設「西陣工房」(京都市北区)では知的障害のある利用者らが、手織り機を使って西陣織を制作している。西陣出身の施設長河合隆さん(61)が、西陣織を守りたいという思いと、技術を磨ける仕事を障害者に提供したいという気持ちから2004年に開設した。工程の一つで、糸を枠に巻き取る「糸繰り」の受注は年々増え、今では西陣最大規模の糸繰り工場に成長した。 河合さんは「低賃金で簡単な仕事に従事しがちな障害者はやりがいのある仕事を、伝統産業は人材を探している。技術を身に付ければ手をつなげる」と力を込める。 和ろうそくの老舗